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第19章:悪夢

はい、どーも。作者です。お久しぶりです。気付いたらPVが2000を超えてました!これも読者の皆様の御蔭です!感謝感激雨霰です!あ、それはそうと案外霰って漢字書けない人多いんですね。えー、雑談はこのくらいにして・・・。恐らくこのペースで更新していくものと思われますので、引き続き応援をよろしく頼みます。それでは本編をお楽しみ下さい。

前章で俺達の身代わりになったラグナシアは、風に吹かれて消えていった。そう、まるで白い雲のように(by猿岩石)・・・。



とりあえず俺達は、タレーランさんを待たせているので、中濱の店に戻ることにしたのだった。




カランカラン!

「あら、お帰りなさい。どうだったの?」

彼女は屈託のない明るい笑顔で迎えてくれた。しかし、俺は笑顔一つ返せなかった。

「どうしたのよ、そんな暗い顔して。ちゃんと倒せたんでしょ?」

「ええ、まあ・・・」

中濱もそういう言葉しか返すことが出来ないらしい。しかたない、あんな事があった後なのだから・・・。

「まあ、いいわ。とりあえず中濱君だっけ。おいしい中華料理作ってくれる約束でしょ?あなたがおいしい中華料理作って。そして、後で私もた、べ、て?」

あーあ、結局これかよ。どうしてそんなノリに持っていける。今はそんな空気じゃないって事くらい感じ取れ!そのくらいの常識を持ってくれ!

「はっ!この中濱晋也、正々堂々作らせていただきます!」

おい、中濱!何そんなに食いついてんだよ!しかも敬礼までしやがって!まったくどいつもこいつも・・・。


まあいい。これでまた中濱の超おいしい中華料理が、腹一杯食えるからな!ああ〜、生きててよかった!
















「へい、特製炒飯の出来上がりだぜ!」

キター!中濱の十八番、特製炒飯!中濱の炒飯の特徴は、米の甘さに調和した、ふんわりした卵と、焦がしネギの香ばしい香り。更に中濱が独自の製法(ちなみに俺も教えてもらったことは一度もない)で作る、特製チャーシューも入っていやがる!くー!これがまずい筈ねぇぜ!

「いただきます!」

もう俺は恥もなにもかなぐり捨てて、炒飯を掻き込んだ!


ああ〜、うまい。やっぱり中濱の炒飯を食べると、他の炒飯が食べられない。それは間違いない。このチャーシューと卵の絶妙なコンビネーションは、あの中華街の一流シェフにもひけをとらない。あ、それは言い過ぎかな。







「なあ、食べてる途中で悪いんだが・・・」

「ふえ?」

俺は炒飯を掻き込みながら、中濱は次に出すつもりなのか、肉饅を蒸しながら言った。

「そういえば・・・明日からさ、テストじゃね?」



カラーン!

その一言はあまりにも衝撃的だった。十二魔将が現れた時以上に衝撃が俺の脳裏に走った、というか疾駆した。俺はそのせいで、レンゲを床に落としてしまった。

「え?・・・マジで?」

「馬鹿野郎。俺が嘘つくはずねえだろ?」

「いや、頼むよ。お願いだから嘘って言ってくれよ!なあ、中濱!」

俺は中濱の肩を持って揺すった。嘘だと言って欲しかった。毎日が戦いと修行の日々なのだから、当然勉強してる暇がある訳がなかった。しかし中濱は首を横に振っていた。

終わった・・・。

もう絶望的だ。

あと一日でなんとかなるものでは確実にない。

しかし、このままだとまたコイツとビリを争わなくてはならない。一歩間違えれば留年の可能性もある。そうあのエロ担任(最後に出てきたのは第10章)に口うるさく言われていたのを思い出した。地球の防衛も大事だけど、今はそんなことを言ってられる筈もない。さて、どうやってこの状況を打破するか考えた・・・。




「そうだ!その手があった!」

俺はふとひらめいた。そしてタレーランさんの手をとって頼み込んだ。

「タレーランさん。お願いがあるんですけど・・・」

「え、何?あなたも私を食べたいの?えー、私は別にいいけど・・・?」

「だぁかぁら!ホログラムキーを貸してほしいんですよ!」

もうツッコミ入れるのも面倒になってきた。どうしてオニキスとかいう組織はこんなエロ女を健全な青少年のところに送ったんだよ!絶対間違えてるよ!

「え?どうしてそんな急に?」

「いや、俺のが壊れちゃって・・・。今自分のがない状態なんですよ。」

そうである。俺のホログラムキーは一度亜空間に閉じ込められて、脱出するために中濱と空間を破壊したときに、一緒に壊れてしまっていたのである。(第15章参照)

「そうね・・・生憎だけど、私のも今壊れているの。ごめんなさいね。」

「それじゃあ何故考えたんですか?」

こういう言い逃れは俺には通用しなーい!それだけは言い切ってやる!

「ええ、今組織で品質改良の真っ最中だから、そのためのサンプルに提供しちゃったって訳なの。分かってくれる?」

分かりたくはなかった。このままでは留年ほぼ確定・・・あ、まだその手があった!

「悪い、中濱!俺の肉饅、残しとけよ!」

そういって俺は、店を飛び出した!







「なあ、頼むから力を貸してくれよ〜!この通り!」

「あきまへん!いくらワイがインテリやかて、そないな姑息な作戦には協力したくはありまへん!」

そう。俺は部屋にいるあの糞箱の協力を請うべく、説得にかかっていた。恥やらその他諸々を忍んで頼み込んだ。コイツの頭のよさは、普段勉強を教わっているので、よぉく知っている。だから、コイツの頭脳をちょいと借りて、テストを乗り切ろうと思ったのだが・・・ダメらしい。まさかコイツが断るとは・・・よし!こうなったら奥の手だ!

ずいっ。

「な、何や?」

「殿、ここは一つ、これでお願いします。」

俺は今まで貯めてきた、なけなしの貯金を差し出した。このテストさえ乗り切れば、少なからず留年は消える。それだけが俺を突き動かしていた。

「ふえっふえっふえっ。お主も悪よのお。しゃあない。これで手を打ってやるわ。」

よし、かかった!これで明日からのテストは確実に乗り切れる!






キーンコーンカーンコーン・・・



結論から言おう。国語は死んだ。漢字なんて所詮中国語なんだよ!日本人は、ひらがなとカタカナで充分生きていけるんだよ!という感じである。

理科系もオールで死んだ。いつもよりはできたが、赤ラインを越えたかと聞かれると、正直微妙だ。

地理は赤回避には間違いなく成功した。国の名前は全部埋めたからである。

歴史は・・・どうだろうか。怪しい。出来ててほしいという希望があるが・・・わからない。

俺が1番驚いたのが数学と英語だった。初めてあんなに書けた。正直書きながら涙がでてきた。

さて、あとは返却待ちだな。






そしてその日の放課後、俺はなぜだか知らないが、唐沢に呼び出された。


「おい、どうしたんだよ、急に。」

「・・・実は伝えたいことがあるの。それだけ。」

え?これはひょっとして、ひょっとしちゃうかもよ〜!俺にも奇跡が起きちゃうかもよ〜!

「え?伝えたい事って・・・なんだよ。」

俺は少し期待しながら言った。

「実はあなたにこの世から消えて欲しいの。」

「はあ?消えて欲しいって、どういう冗談だよ。」

俺は内心冷や汗をかきながら、それでいて表面では必死にジャパニーズスマイルを浮かべながら答えた。


「まあ、そのうち分かるから、問題ないわ。それだけよ。」

と言い残して彼女は去っていった・・・。










「ああ?だからお前は押しが足らないなんて言われんだよ!」

その夜、俺は唐沢の一言が妙にひっかかるので、中濱に電話してみた。

「中濱!押しがどうとか言ってる状況じゃねえんだよ!普通言うか?消えてほしいなんて。」

「まあ、確実に言わないよな。」

中濱よ、さらっと答えすぎやぞ。

「なあ、あいつには悪いんだけど、もしかしたらあいつ、十二魔将の一員だったりして・・・。」

俺は少し気になって、中濱に持ち掛けてみた。

「はあ?まっさか〜!あんな超綺麗で、物静かな美少女が、そんなはずはないだろ〜!」

「そうだよな〜!まさかそんなはずはないよな〜!」

そうだよな。俺の考え過ぎだよな。いくら俺達の命を狙っているとはいえ、そんな事はしない・・・よな。少しひっかかるけど・・・まあ、いっか!







次の日、テストが返ってきた。俺は糞箱の力を借りたから、絶対に大丈夫だ。絶対に・・・。


1番は当然井伊だった(第4章に登場しています)。それには何も驚かなかったのだが・・・。

「中濱!お前・・・よく頑張った!感動した!」

・・・あれ?中濱が2番にいるよ〜?しかも担任めちゃくちゃ泣いてるよ。答案がぐっちゃぐっちゃだもん。でも・・・一体何故?・・・あ!そうだった!あいつも持ってるんだったよ、ホログラムキー!

「ふっ。所詮、貧民は貧民だな。」

中濱は左団扇で席へと戻っていった。糞野郎、スゲームカつく!

「おい、次お前だぞ!」

「は、はい!」

「まあ、順位は上がったが、もうちょっと平均的にな!」

俺は答案を一通り見渡した。国語は赤。地理、平均。理科系、赤。歴史、ぎりぎり赤回避。数学と英語は・・・トップ10!やったよ!奇跡だよ!もうなんかいいよ!ヤッタ〜!







ピンポーン!

「はい!どちらさんですか?」

「サミュエルと申しますが・・・」



この来訪者が、少年達の運命を変える!

To be continued...

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