第10章:悪魔
前章でブラッド・オニキスとか言う組織から送られてきたタレーランさんと出会った。そしてカプセルの強化もしてもらったのだった。んでもって学校に遅刻しそうになっている所からこの章が始まる。
キーンコー・・・
「はい、セーフ!」
ズザザー!
俺は教室に全力で滑り込んだ。恥を忍んでのヘッドスライディングまでした。教室中から笑いが聞こえた。くそ〜!笑いたきゃ笑いやがれ!今の俺にはそんなの関係ねぇ!
とにかく俺は顔を上げた。すると、目の前に鬼の形相をした担任が立っていた。ヤバイ!後ろに何か悍ましいモノが見える!ゴゴゴって音も聞こえ・・・
「おぉい、なぁにがセーフじゃ、ボケェ!」
スパーン!
担任の七ツ道具の一つ、定規の強烈な一発が俺の額に決まった。鮮やかな一発だ。教室からどよめきと、喝采が起きた。おい!俺も一応このクラスの一員だぞ!相手教師だぞ!しかも照れるなよ、お前もよ!
「さあ、今日も教室掃除だなぁ。」
担任が満面の笑みをもって言った。
「も」って付けるなよ。せめて
「は」にしろよ。
何はともあれ、いつものように朝のSHRが始まった。
「はい、それじゃあ今日は転校生を紹介するぞ。」
はぁ?何故にこの田舎に転校生が来るんだよ。物好きな奴がいるもんだなぁ。
とか言いつつクラスの連中を見渡すと、男も女もテンションが上がりまくっている。まあ、男は別の意味でだろうが・・・。
ガララッ。
教室のかったい扉を開けて入って来たのは、超がつくくらいの美人だった!やべえ、目が眩むよ〜!こんなん来るんだったら俺、絶対遅刻しないようにしよ!
周りを見渡すと、男どもは拍手喝采、テンション上がりまくりの大盛り上がりである。おいおい、そんなに盛り上がらなくてもいいだろうよ。
「さあ、自己紹介をして貰おうかなぁ。」
おい、担任!鼻の下が延びてるぞ!このエロ親父め!
「唐沢夏紀、以上。」
「え、好きな食べ物とかは?」
「特にありません。」
うっわ〜。愛想0だよ。完全に沢尻●リカ気取りだよ。しかも、担任にガン付けてるよ。早くも一触即発の雰囲気全開だよ。こりゃやべえよ。
「はい、じゃあ、あそこの端の席に座ってくれ。」
あれ?なんだか態度が違うよぉ?こんなこと俺がしたら、教室はおろか、廊下掃除まで任命されちまうんだけどなぁ。しかも、あいつが指差してるとこ、俺の隣じゃねぇかよ。やだよ。こんなキャラの濃い奴。勘弁してくれよ。
「よろしく。」
彼女は無表情で会釈した。
おい、会話それだけ?無理だって、俺この空気。なんか周りから冷たい視線がビシバシ飛んで来るんだけど・・・。特に男から。
「なあなあ、君、夏紀ちゃんだっけ。今日放課後どっか行かない?」
うっわ。早速滝口が絡んでるよ。はえぇよ。
滝口渉、こいつは恐怖の女たらしだ。
成績はまあ、中の上位だが、女癖はあの担任に負けず劣らず悪い。
恐らくこの学年の約八割のかわいこちゃんは、こいつの毒牙にかかっているとどっかで聞いた気がする。確か・・・ああそうだ。女子がなんか言ってるのが隣から筒抜けだったんだ。俺は凄まじく影が薄いから、盗み聞きしても気付かれない。これが悲しい男の性よのぉ(男の皆は女性の会話は盗み聞きするなよ!)
「なぁんだよ、そんなしけた顔しやがってよぉ。」
俺の腐れ縁そのニ、中濱が俺の目の前に座った。
中濱は、この学校の成績ビリ者だ。つまり俺の下だ。なかなか部活は強いのだが、勉強はからっきしである。だから、テストの時にはいつもこいつと悪あがきをして、撃沈する。この半年はそんな感じだ。
「そりゃぁ、しけた顔にもなるだろうよ。」
俺は弁当箱の卵焼きをつまんで、口に放り込む。
「なんでだよ。隣にあんなかわいこちゃんがいて、興奮しないのかよ。」
中濱も生姜焼きをご飯と一緒に掻き込む。彼の家は、小さい中華料理屋だ。物凄い弁当も旨そうだ。に比べておれは・・・。質素だ。この上なく質素だ。卵焼きと、ご飯と、ひじきと、肉と・・・そのくらいだ。ちょっと泣けてくる。
「興奮も何もねぇよ。むしろ周りの視線が痛すぎるよ。」
俺は正直に言った。
「そうかぁ。そりゃぁ狙うもんなぁ。滝口を筆頭に。」
そう中濱がいうと、俺達は二人で爆笑した。なんだかこういうのも悪くないよなぁ。ああ、なんか楽しいわぁ。
なんて言ってられなかった。あのエロ担任の命令に従わないと、最悪留年も有り得るからな。早いとこやっちまおう!
俺は昼飯を胃に向かって一気にぶち込み、早く掃除が出来るようにセットした。今日はなんか早く学校が終わるらしい。
キーンコーン・・・
ダッダッダッ!
俺は物凄いスピードで雑巾をかけた。なんかどっかで雑巾がけのスピードコンテストやってるらしいけど、今なら勝てる気がするぜ・・・。なんて言ってる場合じゃない。早く帰ろうっと!
「ただい・・・ごばぁ!」
いきなりの右ストレートはねぇよと思ってたら、タレーランさんだった。
「あんた、遅すぎるわよ!一体どこをほっつき歩いてたわけ?」
彼女は結構怒っていたようだった。
「いや、これでも早いんですけど・・・。」
俺は当惑して、しどろもどろになりながら答えた。
「どこがよ!」
まだ彼女の怒りは収まってないらしい。
「いや、簡単に説明するとですね、一応学生ですから、普段は確実に遅いですよ。」
「そこが問題じゃなーい!」
ニ発目が飛んで来た。俺はそれをかろうじてかわす。
「なあにしてるんすか!危ないじゃな・・・」
しかしながらよくよく臭いを嗅ぐと、無茶苦茶酒臭い。
嫌な予感がした。俺は台所ヘ走った。すると、親父のお気に入りの焼酎が空になっている。ヤバイ!こいつあれを飲みやがったな!
俺は酔っ払いには絡まない主義だ。さっさと部屋へと戻ろうとすると・・・
テテテテッテッテ〜!
どこからともなくドラク●のレベルアップ音が聞こえる。誰だよこんな音使ってるやつ!
タレーランさんだった。予想外だった。よくみると、なんか緊急要請がかかっている。
「今から三分後に、十二魔将が到着する模様。至急戦闘体勢に入れ!」
いや早くね?何この緊急イベント。いきなり過ぎるぞ!けれどもこの人は使い物になりそうもないしなぁ。
タレーランさんは酔い潰れて熟睡している。そんな彼女を無視して俺は家を飛び出した。
はてさて、初めて対峙する十二魔将の実力とはいかに!
To be continued...




