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3/22 午前

「スザク様、朝です、起きてください、そして一通手紙が来ています。」


肩を揺さぶられながらこの世界のスザクは目を覚ます。お手紙とはどうやら合否通知書、対したドキドキもないまま朱雀はその封を切る


案の定合格


「おめでとうございます、スザク様」

「ありがとう、ルル」 

「それではその報告と食事のために食堂へと。」

「ああ、わかってるよ。」


その日のアリクサルト家はいつもより少し騒がしく、それでいて和やかだった。文化祭の後片付けをしているときみたいなあの感じだ。



「おめでとうエル、スザク君、まあ二人ならまず大丈夫だとは思っていたよ。」 

「がんばりなさいよ?」

「ええお父様、お母様」

「ありがとうございます。」


たまたまほぼ同時に食堂へと入る二人にすぐさま声がかけられる。その日の朝はどんな些細なことさえうれしく思えそうだった


「さあ、席について朝ごはんを食べましょう、その後は合格祝いでも、ね?」


朱雀らはいつもより楽しげに朝食を取った後三十分後に玄関に集まる約束をしてそれぞれ自室へと分かれた。


ちなみに朱雀は今、五着のシャツ、三着の上着そして、三着のズボンを持っていた。今着いて居るのは、灰色のシャツに黒くて通気性の良いパーカー見たいな上着、薄い抹茶の色のようなズボンだった。


朱雀はふと、さっきの手紙を手に取る、最後まで読んでいなかったからだ。


「なになに、必要なものは…ああ…それで合格祝いね。」


何かを納得したかのようにうなずく朱雀、少し早いと思いながらも腰にナイフのケースのベルトを巻きつけ後ろに差し込む。利き手である右手で取りやすい位置にだ。そのまま朱雀は廊下を三叉になっている場所まで歩き、階段を降りる。


「あーあの、アレキサンダーさん」

「なんだい?」

「その、僕武器買っちゃったんですが…」


そう言って例のナイフを背中側から取り出す。


「なら、俺たちは男同士の買い物といこうじゃないか?」

「ええと、いったい?」

「パルムドール、俺たちは先に行ってると伝えておいてくれ。」

「かしこまりました。」


執事の男にそう告げるアレキサンダー、そして朱雀とこの家の主は二人で街へと繰り出した。まるで親子のように。


しばらく歩いていると一件の暗い店の前でアレキサンダーが立ち止まる


「えーと、ここは?」

「入ってからのお楽しみよお!」


朱雀は半ば無理やりその怪しげな外観をした店へと押し込まれる。


「マーク!居るか〜」

「おお!アレックス!久しぶり!」


竹馬の友といっても造作の無いように親しげに話す二人。そうでなければ弱みでも握っているかのどっちかだろう。


「こいつな、わけ合って今、ってかもうすぐ学校行くんだけどよ、俺の家に居るんだわ。で、餞別に何か良いものやろうかと思ってよ。」

「良いもの、かお前らしいな。」

「んーと、坊主、こっちこい。」


そう職人のような格好をした半分白髪の黒髪の男につれられて、奥へ奥へと進んでいく。


「お前が入学するのはあれだろう?魔法学校。武器はあるのか?」

「はっはい、このナイフが。」  

「ん?ちょっとそれ、見せてみろ……これをどこで?」

「ええと、露店で…」

「それはおかしい、これ、国宝級のだぞ?」

「え?えーと因みに値段は?」 

「白銀貨500枚ってとこかな。なんでおまえかもってるんたよ」

「えーと白銀貨ってのは?」

「あー普通のやつは見ないもんな金貨の上の単位だ。ちなみに他のは知ってるだろう?銅貨、銀貨、金貨、百進法だ。銅貨一枚が一コル、白銀貨は100万コルだ、因みに金貨十枚で人が一ヶ月、くらせるぞ。」


(ってことは、一円=一コルってところかな?それにしても白銀貨…500枚?五億?ちょっと何も言ってるかわかんない。あのおっさんも冗談で言ってたんじゃなかったのか。)


「それで、あー、なんでこれをおまえが持っている?」

「いやだから…」

「嘘はついていないようだな。」

「そうですよ。金貨一枚で買ったんですよ。」

「まあ、偽物の可能性があるが、切れ味はそれなりにある。だから、気にするな」

「はい。」


そうしてナイフを返してもらうと朱雀はナイフに対して何か違和感を感じ取る、しかしなんとなくのその感情で判断するのはやめようと、何事もなかったかのようにしまい込む。


「んで、おまえは何がほしいんだ?」

「ええと、何がいいんでしょうか?」

「おまえ、使える魔法は?」


本当のことを言ってもいいのか、悩む、念のため嘘をつくことにした。彼の中に天使は現れなかった。 


「あーええと、雷を少々。」

「だったら……こいつなんてどうだ?」 

 

そう言うと一揃いの指の先があいたグローブを見せてくる


「雷の長所をさらに生かせるぞ。」

「長所?」

「おまえ、自分の魔法の長所も、しらねーのか?簡単に言うとだな、雷ってのは、火力重視の攻撃系の魔法だ。それに補助的にも使えて、例えば体に無理やり電気を流して加速するとかな?それで、このグローブ、特殊な繊維で作ってあってよ、雷を操るのに最適だぞ?ちょっとやってみろ。」


そう言いながら手渡してくる。黒と茶色の中間の色のようなその革のグローブを手にはめる。朱雀は今まで雷を実際には使っていないのでろくに使えず本当は別の魔法を使ってることがばれることを心配していたがそれは杞憂終わった。


普通、朱雀くらいの年齢だと具現化させるだけでも十分らしい。もっともスクールを出た後には十分な実力がそのわっているらしいが。


両手を合わせて肩幅より少し狭いくらいに開く、雷のイメージ、パチパチと火花がとぶイメージ。、


「できた!」

「おお、やっぱりすげーな。さすが雷神のグローブ」

「あの、それじゃあ、これを…」

「ああ、持ってけサービスだサービス。」

「え?良いんですか?」

「知らねーかもしれねーが、そこのくそじじいはよ、昔馴染みの付き合いでよ、まあ、あれだ。餞別だ。そのかわり三年後、また来いよ?」

「はいっ!」


朱雀とアレキサンダーはそのまま店を出た。しばらくその辺を散策した後朱雀が食事を作ることを手伝うために一旦家に帰ろうとする。しかしその時事件は起きた…

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