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「おーい。おきろージェフ」

「ああ、おはよう…全人類の消滅を願うよ…」

「朝、本当に弱いよな。お昼前にはキャピッみたいな感じなのに」

「おーい二人とも、僕たちは準備終わったよ?す」

「ああ、わるい。今行く。」


朱雀とゲインは既に指定の体操着、最もたまにしか着ないが、に着替えている。今日は身体計測で午前は授業がない。


「おっし!行くぞ!ジェフ!」


そういいながら着がえるトム、しかしながら目覚めが極端に悪いジェフは中々進まない。


現在時刻午前七時、食堂は八時までやっているので余裕があるが最近はギリギリ目だ、主にジェフリーが原因だが。


ーー「おっす。」

「うぃーっす」


そんな挨拶を途中すれ違った何人かと交わしながら教室へと向かう。この学校は全クラス男子八名、女子八名で寮の部屋もそれに準じている。そのためルームメイトとは必然的に関わる回数が増える。よって仲良くなる。


「おーい。おまえら早く席に着けー」


黒髪でひげを生やした若いやる気のなさそうな担任が四人にそう声をかける、彼は十年前、この学校を首席で卒業、魔導士の資格を得ると同時にもらえる魔法学校の教員免許を使いこの学校に務めている。


「あー、えーと、朝礼すんぞ。」

「起立ー礼ー。」


このくらいの委員長であるアリス=ラガンがそう声をかける、いつも通りの朝礼、その後クラスでまとまって実技棟へと行く。ここには六つの体育館とがありそれぞれ二つずつ学年ごとに使っている。今はそこをいくつかの仕切りで分けている。


朱雀はこの世界に来た頃は中世くらいの文化だと思っていたが、実際はかなり進んでいて建築分野はさらに抜きん出ており、現代と相違ないような建物もいくつか見受けられる。実際にこの体育館も朱雀が通っていた高校と大差はない。



「あーそれじゃあ、適当にやってこい。」

「先生!そっちは胸囲測定です。」

「ッチ、バレたか。」


ルイス=パルメザン。二十五歳、職業教師、彼女募集中。




(身長170cm体重56kgか…)


二組の生徒はまず身長、体重を量り、次に視力、聴力、魔力へと進んでいった。朱雀は割と細身だ。


それは何もなく進み、平然と終わった。


「なぁ、スザク」

「なにトム?」

「あのさーさっきさルイスが言ってたんだけど、放課後図書館に図書委員集合らしい。」

「了解。」


ルイス=パルメザン。図書委員会担当。


「おい、お前ら、パルメザン先生、な?」

「ウィッス」

「はーい。」


二人は後ろから肩を組まれる、ルイスだ。一応教師としての自覚はあるらしい。


午後の授業は残ったもう一つの体育館で合同実習らしい。ちなみに先ほど使った体育館は片付け中だ。


ーー「あーえーと。聞けお前ら。とりあえずチームで集まれ。」


ルイス=パルメザン。魔法実習担当。


「なあ、スザク見てみろよ、ルイスのやつ朝からサボるタイミングなくてイライラしてるぜ。」

「ハァ、いつものことだよ。ゲイン。」


「おし、そんじゃあこのくじをひけ、俺が汗水垂らして作ったくじだぞ。」


明らかに魔法で作ったであろうくじをこちらに見せつける


ルイス=パルメザン。風魔法使い


チームは全部で三十二。一チーム四人だ。


「C…?」


代表で引いてきたトムがそう告げる。一体何をするのだろうか。


「おし、お前ら全員引いたな。そんじゃあ、校庭行くぞ。」


二つあるうちの片方の校庭へと向かう。広さは陸上競技場くらい。


「あーえーと。Aが向こう、BはそっちでCはあっち、Dはそこな。それじゃあ、ルールを説明すんぞ、旗取りだ、旗取り、ただし魔法と武器の使用は禁止な。怪我でもされたら面倒だからな。今から五分後に開始、あ、このブレスレットを腕につけろ、チームの色をとれ、Aが赤、Bが青Cが黄で、Dは緑、はい解散。」


そう言われ朱雀を含む三十二人は左上から時計回りにA、B、C、Dと振られたスタート地点のうちCへと向かう。


「めんどくさいってなんだよ。めんどくさいって」

「ああ、ルイス、あいつやる気ないよな。」

「魔法なしとなると…なぁ?つうかどうやって魔法もなしでやんだよ?」

「あれだ、根気、根気。」

「謎ここに極まりにけりってやだな。」


ー-そんなこんなで五分が過ぎた

「よーし、お前ら聞こえるか?最後まで残ったチームは豪華賞品があるからな、心してかかれよ。」

風属性の魔法、拡声魔法だ。


「賞品ってなんだよ?」

「こっちがききたいよ、トム」

「おい!もう来やがったぞ!」

「え、どうするん?」


そんな会話をしていると再び拡声魔法による声が聞こえる。


「あーえーとな。さっきのブレスレットな、マジックアイテムだ。相手の背中触ったら動きが止まるからそれを合図に抜けろ。全滅してもまけだからな。」


(つまり、相手の背後を取ってタッチするってことか。)


「しゃあ!やってやんぞ!」


昼食の頃から元気になっていたジェフリーがさらに元気になっていた。Dから来る三人に単騎突っ込んでいくジェフリー、一番前のやつの手前で急停止、そして右側に飛ぶ、ひるむ相手を無視して、ノールックで左手で背中を触る。


Dチーム残り三十一人。


残る二人は一旦距離をとる。挟み撃ちを狙うように弧を書くような位置取りをする。一気迫るDチームの二人、確実な勝ちを確信する彼ら、それは敗北を意味した。


「アウトー」「おつかれ。」


その声とともに二人の動きは止まる、朱雀とゲイン、その後ろにトムもやって来ていた。背後からの奇襲。ジェフリーにのみ集中を注いでいた彼らにとって背後は完全な死角だった、後方の気配すらも感じ取れないほどに前方に集中していたことも気づかなかった一因だった。


Dチーム残り二十九人。


「ナイス!スザク、ゲイン!」

「まっ、余裕?」

「次来てるぞ!」

「俺も忘れないでくれ…」


そんなこんなで次の団体に向かっていく。相手は六人、このままなら厳しい、四人は陣形を整える。カバディの守備側のようなフォーメーションだ。これは朱雀の提案だ。


「本当にこれに意味があるのか?」

「いや、僕も実物を見たことはないんだけど…」

「まっ、スザクの提案だしな。」

「ああ。」


ジェフリーの疑問に対してゲインとトムが肯定的な意見出す。そのままの陣形を保ちごく短時間の作戦会議の後相手とエンカウントする。


ーー「何やってんだ?あいつら?」

「知るかよそんなこと」

「こっちの方が数は多い!行くぞ!」

「「「「「おう!」」」」」


六人のうち二名が雄叫びを上げながら正面に突っ込む、真ん中の二人が相手の手の位置に来るように移動する、そして端の二人が回り込む、そしてアウト。


「おい、あいつらやべーぞ。四方から行くぞ。」

「おうよ!」

「ああ!」

「了解!」


四人は回りを取り囲もうとするが対して陣形を作っているCチームの四人は後退して常に距離を保つ。


「ったく、これじゃあ、近寄れねぇ」

「どうする?」

「そうだっ…」


またしてもDチームの四人は気づかなかった横からAチームが来ていたことを。


Dチーム、残り二十五人。


ーーーーーDチームとAチームは互いにつぶし合い残りわずか、その隙にジェフリーが突っ込みDチームは旗をとられアウト。Aチームも同じようにBチームによりアウト。


CチームとBチームの一騎打ちだ。



Bチーム残り十人、Cチーム残り九人


「ゲイン!トム!スザク!一気に決めるぞ!」

「ああ!」「おう!」「了解!」


ジェフリーの号令で一気に突っ込む、一番足の速い彼が先頭、その後ろにゲイン、スザク、トムと並ぶ


二人とエンカウント。ジェフリーが急停止そして右に飛ぶ、ゲインが囮となるため二人の間に飛び込む、二人いたうちの前の方の体が自然と内側を向く。


「ターッチ!」


ジェフリーがタッチする。残る一人は危機を感じ敗走、自陣へと戻ろうとするが時既に遅し、背後を向いた瞬間スザクが背中を触る。


他でも戦闘は発生したようで

Bチーム残り八人、Cチームのこり七人。


そのうちBチームの五人と、Cチームの三人は旗を守っている。


だがしかし、再びカバディの陣形を組んで戦ったスザクたち四人、守りの二人を捕まえた後トムが隙をつき旗をゲット。



ーーー「はい、優勝はCチームでーす。拍手。」

パチパチパチ、そんな音があたりから聞こえる、その戦闘を制した彼らにはなんかよくわからないメモ帳とペンがプレゼントされた。メモ帳の表紙は無駄に硬く無理やり押し付けられたのだった。


その後は自由時間として過ごし、日は落ち、星は瞬き、日付が変わった。皆は眠りにつき、太陽が再び昇る準備をしている……




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