099. 外へ
アトはそれからまた、手紙と、行方不明の女の子の姿をうつした胸像に目を落とした。
「・・・」
夕食前に運搬室に来いと父の手紙にあったが、まだ時間があった。
アトは胸像をまた持ち上げた。
キミ、どこに行っちゃたんだろう。『ツォルセティーナ』。
・・・胸像に、名前を書いておこうかな。忘れてしまいそうだ。
アトは立ち上がった。
自室に戻ろう。
そうだ、まだ時間がある。昨晩、自分が辿った道のりを調べてみよう。
そう、それに、運搬室も。父が呼んだ時間より早くいって、壁をきちんと調べてみよう。
食事の時は、メチルにマチルダさんも来たので、調べづらかった。
そもそも食事の時は、アトは大人しく用意が整えられるのを待つのがマナーだと教えられている。
アトは談話室を廊下に出た。
出たところで、外の声が聞こえた。2Fのテラスの扉が開け放たれていて、そこから外の声が聞こえるのだ。
ちなみに、テラスはこの談話室の近くで、中央階段からは廊下を挟んで前面にある。玄関の上、建物からせりだす形だ。
「え・・・トルカ、アルゲド?」
友達の声がすぐそこでする。
アトは左の自室に向かうのを止めて、右に向かい、テラスに歩を進めた。
と、丁度中央階段を登っていたサルトがアトを見つけて喜んだ。
「あぁ! アトさま、キロンとトルカとアルゲドと・・・あとザティが来てますよ!」
「うん、ありがとう」
アトはテラスに向かうのを止めて、サルトと共に下に降りることにした。
下から、フォエルゥの喜んでいる声も聞こえる。
そっか、フォエルゥ、下に居たんだね。




