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094. 対峙再び

トートセンク、という名前を連呼するのも功を奏したのだろうか。


「そんな者は、知らん」


トートセンクは、実に不快気に、セフィリアオンデスの目の前にいた。

セフィリアオンデスが超大音量で連呼しまくった結果、とうとうトートセンクが再びセフィリアオンデスの前に現れたのだ。


「あのさ、もう一度見てきたいんだけどさ、

 一度落ちたらまた延々と落下と浮上を繰り返すハメになっちゃうんだろうしさ。

 アンタのスミカの中のことだし、一度浮上してきたら、またここに運んできてくれない?」


トートセンクはただ不快気に首をかしげた。

どうして自分がそんなことに手を貸さないといけないのだ、と、いう態度に見える。


「一度で良いからさ!」


トートセンクは、ジィとセフィリアオンデスを疑わしげに見つめている。


「クリスティンが、探してるコ。あんたにも探してもらう、って、言ったよね!? 言った、言った!」

そうだった。茶を飲んで終わりではなかった。

クリスティンが探しているコを探すことも、約束させていた。

我ながら非常に素晴らしい取引をしたものだ。


トートセンクが、眉をひそめる。「・・・・」

どうやら、「人探し」の方は、自分の世界には居ないと把握できるから、もう探す必要はないと思っていたと見える。


トートセンクは、忌々しそうにため息をついた。

「一度。それで、全ての契約は終了する。それで良いな」


セフィリアオンデスは肩をすくめた。「なんでよ。たった一度の人探しで、あの取引条件が完了するって思ってんの?」


トートセンクは冷やかにセフィリアオンデスを見やった。

「恥を知れ」


「は。何言ってんの」


「お前の要求は、尽きることが無い。限度というものを知らない」


ムカっと腹が立った。

「ざけんな、トートセンク。アンタ、取引条件、飲んだだろ!? それで良いって言っただろうが!

 しかも、人探しだってのに!」


トートセンクは動じず、ただ冷酷にセフィリアオンデスを真正面から見詰めている。


コイツ、自分の論が正しいことを疑おうともしないヤツだ。と、セフィリアオンデスは思った。

自分の価値観が正しく、その他以外は切り捨てる。


世界がクソ狭いことこの上ない。


「トートセンク、この どアホ!!!」

ちなみにセフィリアオンデス自身は、すぐ頭に血が昇るのが欠点だとは気付いていない。


キィー!とセフィリアオンデスはいきり立った。

「アンタに頼らない、良いよ、一人で見てくるさ!」


セフィリアオンデスは、そのままドッピョン、と、鉱石の王の頂からとび跳ねた。床に身を投げる。


ベシィ!!!!


セフィリアオンデスは全身床に直撃した。

「・・・ぅ!!!!」



トートセンクがため息をつく。救いようのないバカかなにかだと思ってのため息に違いない。



なんで床のままなんだ、この床ー!!!

セフィリアオンデスがキィ、と床に怒りをぶつけたとき。



床がそれを感知してセフィリアオンデスを「下」に落とした。





ざっぱん。


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