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077. グィン

クリスティンは、ぐしょぐしょの顔で、泣き続けたままで、うずめた頭を上げてテルミさんを見た。


また声を出そうとして、もっと泣き顔になった。




誰か 助けてあげて



誰か 助けてあげて





アトは思った。誰か クリスティンを助けてあげて。

言葉にうまくできないんだ。




「クリスティン」

テルミさんが囁くように語りかける。


「パパもママも、ね、アト様もいるわよ。

 何も 心配しなくても良いのよ。

 お願い― 皆、助けたいと思ってここにいるの―。

 ダロンちゃんを、探すために、お話してほしいの・・・」


クリスティンは、テルミさんを見上げた。


迷っているのが、アトが見ても分かった。


これは 言葉にできない、というのではない。

クリスティンは、それを話すことを 迷っている。


「大丈夫よ。パパとママは、クリスティンと一緒に居るわよ」



アトは、口を開いていた。

「あ・・・」


テルミさんが、アトを見た。



「あの・・・・・・」


自分の声が、乾いていた。



クリスティン。


話そうとして、

自分でも気づいていなかった、

クリスティンへのお詫びの言葉が胸にあふれた。


ごめんなさい 僕は 何もきちんとできていなかった



ごめんなさい


セレスティンなんて呼んでからかってて

今まで全く対等に話そうなんて思ったことも無かった。


アトは自分を恥ずかしい と 思った。

知らず顔が赤らんだ。




「あの・・・」

アトは言葉を探した。



クリスティンが、アトを見ていた。

泣き声を呻くようにもらしながら。



かける言葉が分からなくて、アトはずっと言葉を探した。


だからクリスティンが


やっと 気持ちを言葉にできた。



「おね、 がい です。

        あの       ね」


しゃくりながら クリスティンがアトに話しだした。




「クリスティン」

だが

意外にも それを阻んだのは グィンだった。


「待ちなさい。・・・私は知っている方の者だよ。だが・・・注意を受けただろう?」


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