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073. 玄関ホール
玄関ホールに人が集まっていた。
一方に、大柄のデルボと ― あれは 外からの客 商人。
商人が大きな声で、まるで叫ぶように話す。
まるで暴れようとするようにも見えて、デルボがそれを覆うように両手を広げて・・・あれはなだめている・・・?
グィンも居る。グィンも両手をひらげて、商人を制止するように、そして、話しかけている。
同じ単語を何度も強く繰り返している。商人が使う、外の言葉で。
一方に、家族。
あれは床屋のロバートさんで・・・それからテルミさん、それからテルミさんに守られるように、抱きついているのはー・・・
アトはドキッとした。
セレスティン!!!
なぜ セレスティンが?
泣いているのが分かる。顔が真っ赤だ。
大分泣いた後? でもまだ泣いている・・・そんな雰囲気。
アトの脳裏に、先ほど交わされた単語が蘇った。
『可愛そうなクリスティン!』
『クリスティンって子、学校で知ってるわね?』
『学校でアトに会った事があると・・・』
クリスティン!!
アトは思い出した。
それは、『セレスティン』の本当の名前。




