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062. 深夜4時

イシュデンの町。外は、濃霧。


クリスティンは、自分の部屋で、ずっと『祭壇』を前に祈っていた。



ダロンが見つかりますように。ダロンが見つかりますように。ダロンが見つかりますように。




ガ・・・ガタ・・・


ビクっとして、クリスティンは振り返った。


背後、階下へ続くはしごの上に置いた木の蓋が静かに動いて音を出している。

キィ、と蓋がわずかに持ち上がった。


「クリスティン・・・?」


小さく、囁くように。母の声。


「クリスティン、部屋に居るの・・・?」


カタン、と、蓋が横にずらされ、静かに、母の頭が半分現れた。


クリスティンはバっと『祭壇』を背後に隠した。

これはダメ! 見せてはダメ!

泣きそうになった。

ママも『聖域』に入ってしまうかもしれない!!


「クリスティン・・・」

母がゆっくり静かに階段を上って部屋に現れる。

下から、そっと小さく、父の声もした。「・・・・居たかい・・・」




母がゆっくり部屋に上がってくる。


クリスティンは身動きが出来なかった。

背後にした『祭壇』を隠そうにも、後ろ手では気付かれずに隠す事ができない高さにあった。


母は、すでに、自分を見つめていた。




母が登り、下から、父の頭も床から上ってくる。



母がクリスティンの部屋を見回した。


「・・・・なぁに、この青いの・・・・クリスティンが作ったおもちゃ・・・・?」


クリスティンの後ろの祭壇のせいで、部屋がまだ薄く青い光に照らされていた。



「二人とも」

頭分だけ階段を上った父が、静かに、と人差し指を口に当てるジェスチャーをしながら、母と自分に言う。

「そっとしないと、起こしちゃうよ、お客様・・・」



母が、居るはずのお客様を探して、クリスティンがいつも使っているベッドを見た。

すぐ、戸惑ったように、クリスティンに目を向けた。


「クリスティン」

母は、まだ小さな囁くような声だった。

「ダロンちゃんは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どこにいるの・・・・?」


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