055. 約束
セフィリアオンデスとクリスティンの共通のもの―。
セフィリアオンデスは考えた。
鉱物は自分の世界と第三世界に共通のものだが、鉱物の場合、大きさや質も色も様々すぎる。
「ん」
セフィリアオンデスは、自分の手にある青い宝石を見つめた。
「えーと、クリスティン。」
セフィリアオンデスは、改めて尋ねた。
「青い宝石を持ってる人? ペンダント」
『ううん、アト様だよ。アト様、そこに居る?』
「ううん。じゃあ、ダロンってのは、ものすごい声で、オウオゥ吼える方の子だね?」
『・・・・・』
「その子なら、さっき見たよ、帰れって言えば良いのかな」
『・・・・ ・・・・ ・・・・・』
「声かけといてあげるよ。クリスティンが心配してるから帰れってさ 」
『・・・・・・・・ダロンは、大きな声、きっと、出さない、と、思うなぁ・・・・』
途切れ途切れ、クリスティンが答えてきた。
音が悪いのではなく、考えながら話しているのだろう。
「でも、その子しか、いないと思うよ。あとは、アト様って子。」
『・・・ダロンは、たぶん、泣いてると思う』
「え? 泣いてる? 吼えてるってこと?」
『ううん、きっと、吼えないと思うよ・・・。ダロンは、口に、留め金がついてるもの』
「留め金? どういうことだい。聞き捨てならないね。口に、留め金?」
『普通の人には見えないし、僕も見えない留め金の方』
セフィリアオンデスには、その言いたい事が汲み取れた。
つまり具現化したものではなく、精神的なものだ。
おかしいな。見た二人とも、そんな風には思えなかった。
自分の見ていない誰かが、この世界に入ってきているというのか。
「えーと、ダロンって名前の子なんだね?」
『うん・・・』
「とにかく、探してあげるよ。このセフィリアオンデスがね」
『ありがとう!!』
パァっとクリスティンの声が明るくなった。
『セフィリアオンデス!』
名前を呼んでもらって、セフィリアオンデスはクスクスと笑った。
皆に言ったら羨ましいと言うだろう。
危険を冒している私への、褒美の一つに違いない。




