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046. 金茶色の瞳の主

バサァ、と、白い人は左遠方へその背中の翼で飛んでいってしまった。


「このケチ! 有翼人種のボォケッ!!!」

残された金茶色の瞳の主は、その大きな翼が、白に紛れて見えなくなってしまうまで、ずーっと叫び続けていた。


よくあれだけ叫び続けられるものだと、しみじみアトは感心した。


白い人が見えなくなってしまうと、その人は、黙ってしまって、けれど怒りはそのままに、ずっとその方角をにらみ続けていた。

「・・・チッ 負けるもんか」


金茶色の瞳の主は、アトと、その後ろでまだしりもちをついたまま動かない黒いフォエルゥなど気にも留めず、傍の、白にしか見えない何かをグィと持ち上げる動作をして、黄土色の布袋を不意に取り出した。


「・・・あと3日・・・ 負けるもんか」

金茶色の瞳の主は、呟いて、何かの決意を新たにしていた。


遠くだけれど、アトにはそのつぶやきが良く聞こえた。

この場所は、声がよく伝わる場所なのかもしれない。


「負けるもんかぁああああああ!!!」


そういって、金茶色の瞳の主は、黄土色の布袋を肩に背負い、突拍子も無く、白い人の消えた方向めがけて走り出した。



タタタタタッ・・・!!!




あっけに取られていたアトは、その姿が大分自分たちから離れた時に、我に返った。



しまった!

あの人(だと思う)を連れ戻しにこんなところに来たのだった!!



慌ててアトは立ち上がった。


「ま、待って!!! そこの人、待って!!!!」


駆け出そうとして、後ろを振り返る。黒いフォエルゥ。まだ動かない。

何故だか置いて置けない。その前に体当たりしたまま走り去って良いものか。


アトが後ろを振り返り躊躇している間に、そして、アトが再び金茶色の瞳の主の方を見つめなおした時―

この広がる白い世界の中、

金茶色はすでに無かった。


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