038. 白
どのように行けば良いのか、というのは、アトは確認しなかった。
暖炉からの青い光が不思議で、かつ、ここから行ける、と言われたもので―・・・。
大きい暖炉の中に、アトはそのまま歩み、踏み込んだ。
青い光の中、そのまま踏み込むと、光の量が多いのだろうか、あたりはまるで真っ白に見えた。
ふと自分の体を確認すると、自分の体があるのは、きちんと見える。
青い光が出ていて不思議だと思っていたが―・・・どうも、真っ白に光る通路に繋がっていたらしい。
世の中とは知らないことばかりらしい。
少し歩いて、靴の先が、コン、と何かに当たった。
目を凝らして足先を見るが、自分の右足先はきちんと見えるものの、何に当たったのか、何も見えない。
まさか壁でもあるのだろうか?
腕を伸ばしてみたが、前の空間で、触れるものは無いようだ。
アトは足先を動かした。
横に―・・・やはり何かある。
上に―・・・ある。
ス、と、何かに触れている感覚が無くなった。
もう一度、足先で確認する。
どうやら、段差があるらしい。
そろそろと、足を上に流し―・・あたりの無くなる所で、平行に前に出して、少し踏み込んでみる。床がある。
左足も同様に、して、アトは一段を登った。
何も見えないとは、やっかいな場所だな。
ふと、後ろを振り返ってみた。後ろも真っ白になっていて、何も見えない。
アトはにわかに不安を覚えた。
必要に迫られた感じで、進んでいるのは良いけれど―・・・帰ってこれるだろうな・・・。
それにしても、もうここがその場所とやらか。
確かに、この真っ白さ加減は、今まで体験した事がない。未知の場所だ。
あたりを見回したが、誰の気配も無い様子だ。
アトは、また前に進む事にした。また、足先が何かにあたる。また段差があるようだ。
ひょっとして―・・・階段のようにでもなっているのか?
そろそろと、進んだ。
三段目を登った時―
急に、風を感じた。
それから、白― いや、これは・・・・?
バサっと、真っ白のものが上に上がり、視界がバッと開けた。
上から、大きく怒声がした。
「お前の世界に帰れ!!! お前がくる場所ではない!!!」




