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三つの題目『夢見ること=害悪?』『日本人特殊性への執着』『シニシズムを崇める者』

作者: にに部
掲載日:2026/08/15





 ▶ 其の一 『夢見ること=害悪?』



 ──夢見ることを毛嫌いする人々


 そういう意見を目にすることがあります。

 彼らの旨とは、要するに、


「夢見ることは悪いこと。『現実』を見なくちゃいけない」


 ちなみに、ここの『夢見る』というのはでっち上げたものを盲信するという意味ではなく、人間の想像能力全般を指しています。



 ──彼らは間違っているのか?


 全部間違っているとは思いません。

 むしろ、割合で言ったら殆どは筋が通っているものが多いと思います。


 しかし、『夢を見る』能力は人間にとって最も重要なものです。

 たとえ人が幻想の価値を信じないで、あくまでも有形のものだけが価値あると思うとしても、それは同じです。

 価値ある有形なものも結局想像から生まれるからです。

 極めて精密に発達された想像、あるいは『妄想能力』が人間を特徴づける能力であり、その想像からして、今まで目に見える見えない両方の価値の数々が生まれて来たのです。


 その論点からして、『夢を見る』ことを悪のように扱うのは間違っていると思います。



 ──それは客観的だからではなく、心理的ドライヴから

(*ここの『ドライブ』とはなにかを駆り立てる力の意味で使っています)


 それに、彼らの主張は一貫して根強い心理的ドライヴを感じます。

 つまり、彼らの言い張るように『客観』に基づいてそれが論理的だから夢見ることを嘲笑するのではなく、彼らの心を支配するしたたかな指向性が冷笑を求めているように見えます。

 それはつまり感情や欲望が思考回路に混じって正確な判断が難しいことと同じです。


 もちろん、誰でもこんな指向性の類は持っています。

 しかし、彼らはとりわけ『現実主義』を崇拝する人々です。

 心理的要因から夢見ることを毛嫌いする彼らは本当に『客観的』で『現実』を良く見ていると言えるのでしょうか?


 次の題目へ移りましょう。





❖   ❖   ❖





 ▶ 其の二 『『日本人特殊性』への執着』

 副題 『日本人の自虐レイシズム』


 ──日本人という概念への執着


 本当に良く目にするのは、

「日本人は」「日本人が」「日本人の」

 であって、そこには殆ど、

「人間は」「人間が」「人間の」

 が語られていません。


 もちろん日本人が日本語をする場合が大半なので、当然かもしれません。

 しかしどうしても私はそこにいつも肥大した自意識を感じてしまうんです。


 それに、その類の談話の話者は殆ど、ネガティヴでならなければならないという心理的ドライヴを装着しているように見えます。

 一番目の題目で申し上げたのと似たように、それは客観ではなく、役に立つ批判なのでもなく、ただ感情からしてその心理的欲求を強く満たしたがっているように見えます。


 例えば彼らが日本人の悪い特徴として挙げる大半は、全人類に共通して存在するものだと思います。

 しかし彼らは日本人の特殊性への執着を捨てない。

 それはやがて日本人全体への悪辣なレイシズムへ繋がります。


 しかし、それをやっているのは日本人自身という。

 だから誰もそれを問題視しないのかも知れませんが。



 ──原因の一つはもしかして:彼方を知らないから?


 前述した論旨のことを言う人を見ると、外国の実情を知らない人が多いという印象を受けます。

 のみならず、英語の書籍の一つも碌に読んでいない人が多いと見えます。


 だったら、彼らが言う日本と外側の比較は果たしてどうやってなされているのでしょうか。

 もしかしたら、彼らの頭の中の曖昧なイメージを使ってされているのではないでしょうか。


 自分自身を知るためには他方を知ることが必須だと思います。

 他方を知らないままだと、たとえ自分の国であってもそれは曖昧な概念にすぎず、いつまでも朧気なままだと思います。


 そして当然ながら、他方を知らないので、『外国』という曖昧な概念はいつまでも朧気なままなのです。


 特に今のようにネガティヴの支配する時代には、そういう明確でない概念はネガティヴさを倍増させるいい種となります。

 それはもはや存在しないスペクターと化して、いつまでも彼らが好んで言う『現実』の確かな姿には繋がれません。


 一部で懸念されている国の『右傾化』も、もしかしたらこれに基づいて、煽られて、あるいはこれに対する反感から、ますます力を得ているのではないでしょうか。



 ──原因を、もっと歴史を遡って探れば?


 国を一つの思念と看做して(まとめて)考えてみると、地理的特徴からした昔からの特殊性への認識もあるでしょう。


 そして、それが特に戦争の敗北という失敗を通じてネガティヴ一方に走り、今まで至ったと思います。



 ──平成という『新鎖国』


 今になって振り返ってみると、平成時代はある意味短い『新鎖国』の時代だったのではないでしょうか?


 他を気にせず、自分だけで平和に暮らそうとしました。

 しかしそれは出来ず、やがては銃声で一杯の世界の中に存在するという『現実』を飲み込めなければならなくなったのかもしれません。


 皮肉なのは、そんなに『現実主義』を崇拝してきたマスコミとメディアはその最も重要な『現実』については『新鎖国時代』を通じてあまり気にしてなかったように見えるということです。


 だったら、彼らが偉そうに言っていた『現実』や『写実』云々はいったい何だったのでしょうか。


 次の題目に移りましょう。





❖   ❖   ❖





 ▶ 其の三 『シニシズムを崇める人』

 副題 『理想の挫折から形成するシニシズム』


 ──今まで描写した『彼ら』のことを再び


 彼らは自分自身が『論理的』な思考をしていて、ネガティヴを謳いポジティヴを厭うていますが、私の意見を申し上げますと、彼らの動因はどう見ても心理的・感情的なものであり、彼らの崇拝する『客観』や『ファクト』に基づいているとは思いません。



 ──高い夢を見たあと、大きく挫折されると、シニシズムに陥りやすくなるのでは?


 申し上げた通り、彼らのシニシズムの傾向はどうも心理的・感情的なことに起因すると看做していますので、原因もそれらの方を見たいと思います。


 次に描写する過程は一つの例に過ぎません。これで冷笑主義者の全貌を暴くつもりは毛頭ないです。


 ……彼はたぶん幼い、若い頃には純粋な世界観を持っていたと思います。

 世界は『愛が勝つ』ところで、『永久な平和』が望まれるところで、…エトセトラ。

 たぶん、彼は明確ではなけれど、曖昧にこの世が正義が基盤を成す場所だと信じ込み、成年して、やがては社会人になります。

 一般化するのは大変恐れ入りますが、最も多くの『一般人』が挫折するのが社会人になってからですね。


 金儲けはキツい。仕事は楽しくない。人々は怖い。ニュースは悪いことだらけ。社会は冷たい。


 若年の頃の数々の絶望からして、それから彼はどうも脱し難いネガティヴな世界観へ反転します。


 世界は絶対的に悪い場所であり、幼い頃のおままごとは全部ゴミみたいな嘘でしかない。


 ……もし彼がもっと漸次的に世界を知ることが出来たら、衝撃は減ったかも。

 あるいは幼い頃からもっと『客観的』世界の姿を教えるべきだったかも。

 つまり、変な甘い理想など植え込まなかったら良かったのかも。

 あるいは、この社会の構造の狂った部分をもっと直すべきなのかも。


 問題は山積みですね。

 そして、人々がシニシズムに陥るのも十分理解できます。



 ──他の世代より、60~70年代生まれにそういう傾向が強いのか?


 あくまでもこれは自分の認識です。

 しかし、彼らは高度成長期を経て、それが崩れるのを青年期に目撃したから、が一番の要因ではないでしょうか。

『何かが成せられる』時が目の前で塵と化すのを目にした。(それが本当だったのかはさておき)

 崩壊から直接的な被害を受けたか否かはさておき、そういう時代の流れの陰鬱さが彼らに染み込んだのではないでしょうか。



 ──なぜメディアはそれを増長するのか


 英語でいわゆる"ragebait"というスラングがぴったりですね。

 つまり、人々を気持ち悪くさせる、怒らせる、そういうのが一番目を引きやすい。

 だから彼らはいつまでもそれを敢行します。


 既存のマスコミはもはやネガティヴ煽りの達人たちになっていますね。

 そしてその『商法』はユーチューブなどに及んでいます。

 それは当サイトなどのエンタメにももちろん散々使われてきますね。


 結論に移りましょう。





❖   ❖   ❖





 ▶ 結論 『そんなものはない』


 はい。初めてのエッセイ、あるいは妄想雑記でした。


 ただ考えついたことを雑に記したまででしたので、結論もクソもないです。





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