第1話-7/16
初めまして、【れいと】と申します。
初投稿ですので色々不手際があると思いますが応援お願いいたします。
お尻まで届く長い紫色の髪に、
アクセントに緑色のエクステが施され、前髪も片目が隠れるぐらい長い女性。
白い…青白い肌に緑色の水着が映えて見える。
今までのキャストとは少し雰囲気が違う…
蒼太は彼女の周りの温度が冷たい錯覚を覚えてしまった。
「はーい、そーくん、お初でーす、紫埜でーす」
妙に間延びした話口調に身構えた蒼太の意識が解放される。
本能的にはイクと同じような恐怖に似た感覚を感じたものの、
それは何かの気のせいだと思わざるを得ない。
「あ、しのちゃんって言うんだ、よろしく」
シノも例にもれず諸手を広げ、歓迎ムードよろしくハグを求めた。
蒼太は一部のキャストを除いてふくよかな双丘が作り出す
谷間に視線がおのずと向いてしまう。
シノのHカップがハグによってひしゃげ、
蒼太の鼻の下がいつもより伸びてしまっていた。
頬が頬に触れるこの店独特の挨拶を終えると、
即座にHカップが蒼太から離れた。
「いつでも声かけてねー」
「あれ?もう行っちゃうの?」
思った以上に淡泊なシノの挨拶。
彼女は出会った時から笑顔を崩さず悪びれることなく蒼太に別れの挨拶をする。
「わかるー、その気持ちー。でもマイファナーが来てるからまたねー」
本当に分かってると問い詰めたいところだが聞いたところで
さらりと流されるのは火を見るよりも明らかだった。
それよりまた耳なじみのない単語に蒼太は一人首を傾げた。
その無防備な首筋にピタリと背後から何者かがくっついてくる。
「マイファナーってなに?って顔してるね」
まるで気配を感じさせることなく声の主は蒼太の首筋に唇を這わす。
蒼太のもこの店に馴染んできた頃だが初めての歓迎に戸惑うばかりだ。
「君は?」
顔を見ることもたがわないまま蒼太は声の主に名前を尋ねる。
イクのような殺気も、シノのような冷たい気配も感じない。
それだけで彼は自身に危険はないと悟ることが出来た。
「私は有瑠香、よろしく、そうちゃん」
ゆっくりとした口調に似合わないハイトーンの声で彼女は自己紹介をする。
「おいしそうな首…噛んで良い?」
「ひっ?か、噛むって?」
早計だった。身の危険ゲージは針が振り切れるぐらい急速に上昇していく。
すぐさま行動に移さない分幾分か猶予はあるものの
声の主であるアルカは次の提案、妥協案を提出してくる。
「甘噛みで良いから」
「だめよ、あるちゃん。
ファナーさんを噛むのはご法度って言われてるでしょ?」
次から次に現れる別のキャスト。
未だにアルカの姿を拝むことはできないものの仲裁に入ってきた
目の前の人物を上目遣いに蒼太は見上げた。
見覚えのある下半身、そう彼に恐怖を植え付けた人物、イクと同じ姿。
丁度股間の部分からは大蛇の尻尾になっていて、心なしか下半身、
臀部の部分もイクよりふくよかに思え、
上半身はスタイル抜群のいわゆる出ている所は出ている感じの女性。
髪型はふわふわのパーマをあてたような
ピンク色の毛量がとても多そうな印象を受ける。
作られた笑顔は柔らかく、安心感を印象付ける類のものだった。
首筋にあてがわれた柔らかな唇と、
押し当てられていた先端が尖ったおそらく牙らしきものが離れた。
「冗談だよ、冗談。なっ、そうちゃん」
そういうとアルカは蒼太の背後から抱き着き、
いわゆるバックハグで挨拶を終える。
同時にアルカは現れた時と同じようにあっという間に気配が消え、
蒼太の元から居なくなってしまう。
一目見ようと振り向いた蒼太がかろうじて視認できた
アルカの姿は他のキャストと比べて小柄で、
出るとこも出ていない感じのスタイルだと分析できた。
「あるちゃんってば…いつもああ言って逃げるんだから…
あ、申し遅れました。わたし、心耶って言います」
イレギュラーがあったものの、
いつもの挨拶に蒼太は平常心を取り戻しつつあった。
シノのHカップに負けるとも劣らない豊満な双丘に、
蒼太は頬同士の接合時に生唾を嚥下していた。
「みあちゃん、よろしく」
正直挨拶時に名前を復唱する癖がついてしまったものの、
キャストの大半の名前は忘れてしまっている。
今の蒼太の印象に残っていたのはエルナとミオの二人だけだった。
「あの娘と同じ姿だね」
少し向こうに見えるイクを指さしながら訪ねる。
もちろんイクの名前など憶えてはいない。
「あ、いくちゃんね。
似てるけど非なるものでいくちゃんはナーガ、みあはラミアですもの」
髪の色、尻尾の色、そして醸し出す雰囲気。
見てくれは似ていても全くの別人に見える。
「それって種族?」
「あら初めての方にしてはよくご存じで、色々調べました?」
ほわほわとした雰囲気を漂わせながらミアは蒼太に質問返しをする。
「違くて、好きだから。そのファンタジーとか」
褒める口調に思わず照れる蒼太。
ミアはくねくねと体を揺らしながら蒼太に近寄ると尻尾を上手に
蒼太の身体に絡め、自身の髪を指に絡めながらにじり寄ってくる。
「うふ、お姉さんそういう人興味あるなぁ、ご一緒して良いかしら?」
挨拶した後はどこかに行くのが通例かと
思っていた蒼太にとってはチャンスタイム到来だった。
これを拒むなどという選択肢は彼には無用だ。
「あ、うん」
二言返事で答える蒼太の身体をミアの尻尾がくねくねと這う。
ざらついた感じはするが不思議と嫌ではない。
甘えた女性が肌に指を這わせる、その感覚に似ていた。
「あら初めての方にしてはよくご存じで、色々調べました?」
ほわほわとした雰囲気を漂わせながらミアは蒼太に質問返しをする。
「違くて、好きだから。そのファンタジーとか」
褒める口調に思わず照れる蒼太。
ミアはくねくねと体を揺らしながら蒼太に近寄ると尻尾を上手に蒼太の
身体に絡め、自身の髪を指に絡めながらにじり寄ってくる。
「うふ、お姉さんそういう人興味あるなぁ、ご一緒して良いかしら?」
挨拶した後はどこかに行くのが通例かと思っていた蒼太に
とってはチャンスタイム到来だった。
これを拒むなどという選択肢は彼には無用だ。
「あ、うん」
二言返事で答える蒼太の身体をミアの尻尾がくねくねと這う。
ざらついた感じはするが不思議と嫌ではない。
甘えた女性が肌に指を這わせる、その感覚に似ていた。
ご覧いただきありがとうございます。
ファンタジー世界のキャストが沢山居るキャバクラ店のお話です。
誤字脱字のご報告いただけると助かります。
応援していただける方は、ぜひここで☆の評価とブクマをお願いします!!




