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welcome to CLUB『ISK』へ  作者: れいと
第一部 刻まれた未来
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第6話-12/14

初めまして、【れいと】と申します。


初投稿ですので色々不手際があると思いますが応援お願いいたします。



カランをひねりシャワーからお湯が出るのを確認し、月姫は蒼太に向き直った。



「先にどうぞ」



着替えの時に蒼太に使っていたアイマスクを自ら装着して、彼に先に浴びる


ように促した。


すでに足元はシャワーから流れるお湯でソックスが濡れていた。


蒼太が気にして彼女に問う。



「え?濡れちゃうけど良いの?」



「構いません、後で私もシャワーしますから…」



そうは言うものの少し抵抗はある。


見られる見られない、恥ずかしい恥ずかしくないの問題ではなく着衣している


人間がすぐそばにいるのにシャワーを浴びることに躊躇いが生じる。


身体に当たった水滴が少なからず彼女の衣服を濡らしてしまうだろう。


だが、時間だけ浪費してしまっていても仕方がない。


蒼太は仕事用のスーツを脱ぎ、下着を脱ぎ捨てシャワーを浴びる。


添えつけのシャンプーで髪を洗い、邪な気持ちはないがおざなりにボディー


ソープで体を清めた。


気付いたころには月姫の衣服はすでに絞れるほど水けを帯び、ぼとぼとに


濡れてしまっていた。


できるだけ簡潔に済ませ、タオルで水分を拭き取るとそのタオルを腰に巻き


彼女に声をかけた。



「はい、代わろうか」



「もう終わり?」



あまりの速さに驚く月姫。


音は聞こえてもアイマスクをしている彼女は蒼太がなにをしているかまでは


感じ取れなかったようだ。



「男のシャワーなんてこんなもんだよ」



時間にして5分少々、いくら髪が短いと言ってもシャワータイムとしては


とても短く思えた。


それもそのはず、蒼太も極力無駄を省き、合理的に済ませたと言っても


過言ではなかった。



「では…これをお願いします」



月姫は自身にしていたアイマスクを外し、蒼太に手渡した。


ヘッドフォンまでは必要がないだろうと、部屋のテーブルに置いてきてしまった


のが少し悔やまれる。


視覚がふさがれた分聴覚が研ぎ澄まされあらぬ想像をしてしまった月姫が


後悔するのだからきっと彼も同様の気持ちにならないかと心配していた。



「はいはい…」



慣れたようにアイマスクをし、蒼太は腰にタオルを巻いたままの姿で腰を


下ろした。


多少離れたところに居ないと濡れてしまうが離れてしまうとブッチのアプリに


よる電撃が待っているのだからそれも出来なかった。


再び濡れる覚悟で蒼太はそこに座っている。



「絶対覗かないで下さいね!」



「かぐの裸なんて興味ないってば」



返す刀で蒼太はデリカシーの無い言葉を発していた。



「…そうちゃんのバカッ!」



どう答えても正解が分からない選択肢にどうしろって言うんだよと心の中で


嘆く蒼太。


これ以上の問答はしないと固く口を結び、彼は月姫のシャワーが終わるのを


待った。


しかし月姫同様聴覚による訴えは彼の想像を超えてしまっていた。


手で体を洗う音、シャワーの水の音、いろんな音が彼の想像を膨らませていった。


少ししてシャワーの音が止まる。


代わりに聞こえてきたのは月姫の鼻歌とおそらくは髪を洗う音。


それらの音に敏感になってしまうのは視覚からの情報が皆無になってしまった


からだろう。


興味がないと言っていた相手だが、年頃の男性は雄の性に逆らうことが出来ず、


彼女の裸を見たいという衝動が沸き上がってくる。


髪を洗う時間が長いのは致し方ないことで、程なくして再びシャワーの水音が


蒼太の耳に感じ取られた。


鼻歌交じりにシャワーを浴びる月姫、男はアイマスクを少しずらし、背を向け


ていた体勢を徐々に角度を変えていった。


座っている蒼太の目に最初に入ったのは月姫の白い臀部。


無警戒のまま彼女はシャワーを浴び、頭髪を洗っていた。


チャンスと言えば大チャンス。


彼女も今蒼太がどういった状況なのか確認することが出来ず、この機会に彼女


の裸体をじっくりと吟味することにした。


とは言えまじまじ見つめるわけにもいかず、8割方シャンプーを流し終えた時


には何事もなかったように蒼太はアイマスクを戻し、もともと座っていた角度


へと自身の姿勢を戻していた。


その後月姫はリンスをし、同様にシャワーで洗い流すがその場面では


おとなしく蒼太は悶々とする性欲と葛藤を続けていた。


シャンプーと比べリンスはその視界を妨げないことを知っていたからだ。


下手の動きは彼女の警戒を強めてしまうだろう。


充分その視界でとらえた彼女の裸体を今一度頭の中でリピートする。


ようやく洗い終えた月姫はバスローブに手を通し、完璧な状態で蒼太に声を


かけることにした。



「おまた…っ!!」



ひっと息をのむ月姫。


言葉が詰まった彼女に慌てて蒼太はアイマスクを外し、状況を確認する。


何かに怯えているようにも見える彼女の姿に蒼太はその視線の先を追った。


この場には2人しかいない、しかも彼女の視線は自身に注がれているのが分かった。



「どうした?」



「そ、それ…」



恐る恐る指を指す先端は蒼太の股間だった。


そこには腰に巻いたタオルを充分すぎるほど押し上げる彼の興奮した男性の


シンボルが形をくっきりと誇示していた。



「仕方ないだろ?生理現象なんだから…」



最近ヌク暇がなかった彼にとっていつも以上に張り出す己自信。



「へ、変な事を想像したからでしょ!」



かろうじて彼が窃視したことは月姫にはばれていないようだった。


けれど一度興奮しきった欲望の具現化はそう簡単に収まるものではない。



「そ、そりゃーするよ、男なんだから無茶言うなって」



背を向けながら静まるように念仏を唱える、が精神集中を邪魔するように


月姫が言葉を続けた。



「…私で?」



彼女の言葉を聞くたびに先ほどの映像が脳裏によみがえる。


彼女との会話はきかん坊を収めるのには逆効果しか産み出さない。



「ここに他に誰がいるんだよ…」



とは言え言葉を返さないのも不自然だと思い蒼太は言葉を返した。



「いるよ、ここに」



蒼太の言葉に月姫以外の声が返ってくる。



「それなー、ふつーいないとおもうよねー」



更に相槌を打つ聞き覚えの無い声。



「し、し、紫埜さんに璃知さん!」



驚く月姫に蒼太は声の下方向、自身の背後を振り返った。


そこにはすらりと背の高い女性とふわりと言う言葉が似合う長髪の女性が


立っていた。



ご覧いただきありがとうございます。


ファンタジー世界のキャストが沢山居るキャバクラ店のお話です。


誤字脱字のご報告いただけると助かります。


応援していただける方は、ぜひここで☆の評価とブクマをお願いします!!


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