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welcome to CLUB『ISK』へ  作者: れいと
第一部 刻まれた未来
21/192

第2話-5/9

初めまして、【れいと】と申します。


初投稿ですので色々不手際があると思いますが応援お願いいたします。



蒼太がISKで働き始めて今日で3日目になる。


昼のバイトと掛け持ちをしてるとゆっくりした時間が取れない反面余計なこと


を考える時間がなく、それはそれでよいと思えていた。


昨日と同じ時刻、同じようにISKにつき、持ち場へと移動した。


皿洗いのバイトが良いとは思っていなかった初日だが、昨日のように誰かと


一緒ならば苦痛に感じることはなかった。


今日もルカが居てくれればよいと思いながらキッチンへの扉を開ける。


正式にはキッチンを併設しているが扉を隔てているためここをキッチンと呼ぶ


には語弊がある。


ただしくは洗い場なのだろうが、キャストの皆がキッチンと言うのだから言い


ただす必要もないだろう。


今日も蒼太より先客が彼を来るのを待っていた。


ルカではないが非常に似ている存在。


二人並んでみれば若干の透過度の違いが分かるが初見でそこに気づく者はいない。



「おはよー、ルカちゃんからキミのことは聞いてるよー」



藍色より水色に近い肌の色に、青い髪。


ルカのように白いエプロンをしているが裾のあたりが風に揺れるように


ふわふわと漂っていた。


ルカの声質とにていたが、イントネーションは少し間延びしているように


感じる。



「あ、初めまして」



おそらく先輩になる相手に礼儀だたしく蒼太は頭を下げる。



「はじめましねー、あたしは寧音ねね。こう見えても水の精霊なんよー」



エコーのような独特の声色だったが、彼女の名前が脳裏をよぎる。


同じ音の繰り返しの名前。


蒼太がキャストではなくファナーとしてきた日の舞台。


色々あったが確かにネネという名前は彼の記憶に残っている相手だった。



「たしか、舞台で水芸してましたよね」



のんびりとした口調と揺れるエプロンの裾、体の色合いなどから思わず蒼太は


【クラゲ】を連想してしまっていた。


言い得て妙で彼女はクラゲを擬人化したようにも見えてしまう。


ルカ以上に優雅な身のこなし、悪く言えばクネクネ、ゆらゆらしているように


見える。


加えてのんびりとした話口調、せっかちな人とは合わないだろうなと蒼太は


一人想像してしまう。


顔の穏やかさものんびりとした雰囲気に輪をかける。


細い目、切れ長と言うものではなく独特の表現をするならば糸目と分類される


類の目。


目を見開かない限り瞳は見えないのではないかと思える。



「今日もするよー、見に来ーる?」



にじり寄るネネに蒼太は愛想笑いを浮かべながら答えた。



「多分、お仕事中だから」



「そかそかー、ここでお披露目しちゃうー?」



言うが早いかネネの両掌から小さい水の球体が浮かび上がる。


その水玉が徐々に大きくなり始めるのをみて蒼太は慌てて両手を前に出し、


拒否の意味を込めでジェスチャーと言葉を投げた。



「水浸しになるのはちょっと…」



「えへへー、冗談じょうだーん」



ネネはニコリと微笑みながら目を細めた。


もともと細い目の為それが細めているかは微妙で気がつきにくいところだ。


彼女の身体から放たれた水玉ははじけ、弾けた水玉がまたはじけて、花火のよ


うにきらきらと輝きながら空中に散った。



「今日は一日よろしくねー♪えっと…なにくん?」



また一歩蒼太に近寄って、ネネは首を傾げた。



「蒼太って言います」



「そーちゃんね、よろしくねー♪」



言いながらネネは両手を広げる。ハグを求めているのは言うまでもない。


キャストとファナーの挨拶だけでなくキャスト同士でも当たり前のようにハグ


をするのがISKの流儀なのだろう。


力加減に注意しながら蒼太はネネとハグを交わす。


思った通り、ルカに似た感触の身体。


力を込めれば変形してしまいそうな感覚。


一言で表すならマシュマロのような肌触りだった。


ハグの肌触りだけでなく、胸に押し付けられてひしゃげる胸の感触が蒼太の


変な想像を駆り立て情欲の導火線着火しかける。


慌てて蒼太は彼女とのハグを終え、わずかながら距離を取った。



「そこはぎゅっとするとこなのにー、聞いてた通り初心なのねー」



ルカ同様の言葉に蒼太は苦笑いを浮かべる。


彼女らが言った水系にはぎゅっとするのが礼儀なのかと変な知識が蒼太の頭に


インプットされてしまう。



「あはは、誰にどう聞いてたんだか」



乾いた笑いを浮かべつつ意外に人気者?などと自己評価を高める蒼太。


しかし彼は問いかけたつもりでなかった言葉にネネは律義に回答をする。



「えー、DTでうぶだけどむっつりでー。時折横目でおっぱいを眺めてきたりー」



人差し指をあごにあてて、のんびりとした口調で言い放ったネネ。


その言葉はまだまだ続きがあった。



「鼻の下伸ばしたりー、あそこを大きくしたりって言ってたよー」



全て図星とばかりに鉄の矢が蒼太の心臓を貫く。


情報源は間違いなくルカであり、昨日さりげなく目にしていた横乳や、臀部に


スケベ心が踊っていたことがすべてばれていたのだと把握する。


それでなく異住人フェチである蒼太にとって彼女たちの肢体はまさに生唾物


だった。


今日もまた気付かないようにネネの肢体を吟味するつもりでいたがばれている


となればそれも許されることではないだろう。



「私達に興味あるなら仕事始まる前にシチャうー?」



たった一瞬だったがさっきのハグで欲望が鎌首をもたげようとしていた自身を


蒼太は恥じる。


が健全男子たるもの少しの情欲は体に変化をもたらすには十分なのだ。


ネネはしゃがみ込んで体現する彼の股間部分に顔を近づけた。



「や、あの、そ、それは」



彼女の視線から男性自身をかばうように慌てて蒼太は両手を股間に押し付けた。



「冗談じょうだーん♪本気にしちゃったー?」



しゃがみ込んだままネネは上目遣いに蒼太を見上げた。


糸目の彼女の瞳が合ったかは分からないが、間違いなく視線は交錯する。



「ば、ばかにするなよっ!」



「馬鹿にはしてないよー?誘惑しちゃってもいいならー、しちゃうけどー?」



少し腹立たし気に言い放った蒼太に冷ややかにまとわりつく何か。


その何かがネネだということはすぐに分かった。


その様子から本当の意味で彼女たちは蒼太を誘惑する気があるのは十分感じ


取れた。


甘く見ているのは蒼太の方だったのだ。


ここはそれを求める人が集まる、そういう事をする目的のお店だと言うことを


忘れてはいけない。


リビドーに任せるのはとても簡単なことで、とても道理が通ることなのだ。


それは契約さえなければの話…



(キャストに手を出したら辞めてもらいますから)



月姫との契約。これが無ければ彼は操を守っていなかっただろう。


体中いたるところにネネの体温を感じ、彼女の匂い・感触を感じる。


ネネの身体の一部が液化し、蒼太の身体にまとわりついていた。


蒼太は奥歯を噛みしめ苦々しく言葉を吐き出した。



「ご、ごめん、それはNGなんだ」



異住人の欲望に対しての反応はとても敏感で、ネネは今の一言で彼の増幅しか


けたそれが消えたことを感じ取る。



「つまんないのー」



本当に残念そうに彼女は呟き、彼を取り巻くヴェールを解き、いつもの姿に戻


るのだった。


コンビニのバイトと違い私語を注意されることなくネネとの会話を楽しみなが


ら蒼太は仕事に勤しんでいた。


ルカと同じく水系独特の食器の洗い方に、昨日で慣れた流れ作業。


昨日とは違い舞台の出番の為一時的にネネがこの場から離れることはあったが、


トラブルらしいトラブルもなくこの日も時間が過ぎていった。


ご覧いただきありがとうございます。


ファンタジー世界のキャストが沢山居るキャバクラ店のお話です。


誤字脱字のご報告いただけると助かります。


応援していただける方は、ぜひここで☆の評価とブクマをお願いします!!


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