第1話-13/16
初めまして、【れいと】と申します。
初投稿ですので色々不手際があると思いますが応援お願いいたします。
彼女の性格からか実はそれほどツバキを推しているファナーは少なく、
からかい気味に彼女を指名することはあるが本命になることはほとんどない。
歌唱力の高さは万人が認めるが、
この店の遊び方としては適任とは言えないキャストであった。
顔を主に染めたままツバキは勇気を振り絞って蒼太の顔を見つめる。
今までのファナーには居なかったいたって真剣な表情。
苦手で人の顔を直視できなかったツバキが蒼太の曇りなき瞳を見つめ返した。
…3秒…5秒…10秒
先に目をそらしたのは蒼太の方だった。
彼はテーブルに置いてあるチケットをツバキに手渡そうとしたが
渡せる手がないことを今更ながら知り、戸惑い気味に首を傾げる。
「そっち…持ってて」
ツバキは蒼太が手に持っているチケットの先端、
つづりの頭の部分を持つように求めると、
逆の端を口で咥えミシン線に沿ってねじるように切った。
その後、翼の一部に隠すように3枚のチケットを収納する。
どこがどうなっているか見た目で分からない者からすれば手品の様だ。
ツバキは翼の先端部を顔の近くに寄せ、そこにあったリストバンドをずらし、
他のキャストと同じ時計を舌先や視線を使い、操作していた。
それを見ながら指が使えなくても動作させることが出来るアイテムを
便利だなと蒼太は感心してしまう。
直視されている視線を感じたのか、
ツバキは一瞬目が泳ぐと照れながら蒼太に気持ちを伝えた。
「…その、…見つめられると、恥ずかしいから…」
言い終わるより先に蒼太の唇がツバキの言葉を塞ぐ。
そのまま体重をかけ、彼女を押し倒すようにソファーの上に寝ころんだ。
ツバキは手の代わりにある両翼で蒼太の身体を包み、抱きしめる。
それは暖かく心地よい、
まるで羽毛布団に包まれたかのような感触を蒼太は感じる。
その心地よさは翼だけではなく彼女の肌と豊満な胸も柔らかく、
そして温かかった。
舌を絡める口づけを交わし、口の端から彼女の惚けた甘い吐息が漏れる。
声にはならない声、だが呼吸は荒く熱を帯び、
その反応に蒼太の性的興奮度も上昇していった。
やがて彼の唇は彼女の首筋を伝い、くぼんだ鎖骨と肩口へと流れて行った。
普通の人とは違うのは肩の先からが翼になり、羽毛が生えている境目だった。
舌や唇では愛でる部分でないと悟り、
彼の目的は豊かなふくらみを持つ胸へと変わった。
一瞬彼の脳裏に疑問がよぎる。
服の上から触れることはチケットを使ったことで許可されているはずだが、
手ではなく口で触れても良いかという事だった。
店内の行為を凝視していたわけではないが、
少なくとも乳房に吸い付いていたファナーはいなかったことが思い出される。
もし駄目ならきっと拒まれるはずだと勝手な推測をし、
蒼太は彼女の胸へと口を進めた。
またツバキも彼の姿を外部から見せないようにと翼ですっぽりと覆い隠した。
翼の中で行われている破廉恥行為は他者から目視することはできないが、
想像力を働かせることは容易にできるだろう。
幸いにして店の角にあるこのボックス席は目立ちにくく、
それらを気にするキャストもファナーもいないようだった。
乳房の中央部に位置する突起は堅く膨らみ、彼女の興奮度を明確に表していた。
我慢しようにも幾度となくツバキの口からは喘ぎや熱い吐息が漏れ、
体が小さく震えていた。
くすぐっさたに加え、快感が彼女の体中を駆け巡る。
理性が必死に本能を抑えていたがそれも臨界点を迎え、
互いの身体が異性を求めるべく変化、準備をしていた。
痛々しいほどズボンの中で膨れ上がり、佇立する男性自身。
ツバキの身体もそれを迎え入れるべく潤滑液を垂らし、
股間が熱くなり彼を求める様蠢いた。
蒼太の唇が乳房から離れ、腹部へと滑り降りていく。
彼の次なる目的地が分からないわけでもない。
ツバキもまた体がそれを求めているのも知っていた。
おへそを通り過ぎ、さらに下部の下腹部へと蒼太の唇が到達する。
その時だった。
ピピピピピ!ピピピピピ!
けたたましく鳴り響くツバキの時計。
まさに二人にしてはあっという間の10分間が過ぎたことを告げた。
むしろそれが無ければ二人とも本能のまま突き進んでいたかもしれなかった。
二人にとってはチャンスだったが、
ある意味ピンチを招く前に回避できたことを喜ぶべきだろう。
そういう場所ではあるが、ここはルール違反は厳しく罰されるお店でもあった。
ツバキが少し翼を震わせると電子音が鳴りやみ、
二人はどちらともなく距離を取っていた。
ツバキは一度立ち上がり、
胸の水着がずれているのを翼を使い上手に定位置へと戻していく。
不便そうに思える翼も使いようによってはとても便利に役立っていたようだ。
蒼太にとっては目立ちすぎる股間を両手で覆い隠しながら
ツバキとは反対方向へ体の向きを変えソファーに座った。
荒い息を整えようとしながら彼女はそっぽを向いたまま、
まだ冷めやらぬ興奮に顔を真っ赤に染めていた。
蒼太の方を一瞥するが先ほどの行為を思い出し、
顔から火が出そうなほど全身の血液が集まり、真っ赤に火照り染まってしまった。
「あ、あの…色々ごめんなさいっ!!」
これ以上この場に留まることはできなかったのだろう。
大きく一礼し、ツバキは足早に、まるで逃げるようにこの場を後にしてしまった。
呼び留めようとする蒼太の声はツバキに届かず、
特徴的な背中を見送ることしかできなかった。
テーブルに残ったのは彼女が置いて行ったであろう
茶色のハートプレートが3枚、重ねておいてあった。
隣のボックス席では相変わらず中年男性とユカが
まるで恋人のように二人だけの時間を楽しんでいるようだ。
ずっと口づけをしているわけでもなく、会話が弾み、笑いを零したり、
簡単なボディタッチを交わしたりとひとり身になった蒼太には羨ましく思えた。
そんな中、蒼太の目に入ったのが
ところどころ壁に貼ってあるイベントの告知のポスター。
夏の水着イベントやらお仕事ユニホーム祭など、
定期的にキャスト達の衣装が変わる催し物が開催されているのが分かった。
ボックス席で情報収集に努めていた彼だが一人佇むをファナーを放っておくほど、
ここのキャスト達は無神経ではない。
新たなキャストとはいかないが、
蒼太も覚えている彼女がボックス席の前で立ち止まった。
「見たところ君一人の様だが…私が同席しても良いか?」
渡りに船とはこのことだ。
蒼太はここにキャストを呼ぶ手段はまだ知らず、
誰かが来るまで手ぐすねを引いて待つしかなかったからだ。
ここの常連ともなれば当たり前のことだが、初来店の彼にはハードルが高かった。
是非とお願いする勢いで蒼太はエルナの同席を歓迎した。
「ただいま」
座るとすぐに挨拶交じりの口づけが交わされる。
ご覧いただきありがとうございます。
ファンタジー世界のキャストが沢山居るキャバクラ店のお話です。
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