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戦国歴史小説。その主人公、2代目若社長みたいになっていませんか?

 このお話は主に、現代知識を利用した技術革新や生活の向上などに、それなりにページを割いている作品を対象にしています。


 歴史ジャンルの戦国物を見ていると、主人公がいわゆる2代目若社長、もしくは駄目な経営者みたいになってしまっているお話があるような気がしてなりません。

 そんな危険を回避するためにはどうしたらよいか、をちょっと考えてみました。


 考えなしな部分もあるかとは思いますが、少しお付き合いください。


 2代目若社長・織田作家介信長の野望・新生……児です。


 株式会社、戦国日本で月曜日朝礼が始まりました。社長のジャイアンリサイタル開演です。


 社長「諸君おはよう。今日は月曜に相応しくフレッシュな話題だ。会社の経営を私の息子に任せようと思う。紹介しよう織田作家介信長じゃ」


 信長「俺、信長! ちゃんちゃいです! 俺が経営するからには天下を取るぅ!」


 社長「儂の息子スゲー! マジ神ってる! 3歳でこんなに賢いなんてすごくね?」



 あー、はい。戦国物でよくある奴ですね。実際の戦国時代で若年相続するとお家騒動になります。とは言っても現代人が読む、歴史物じゃなくてファンタジーですからね。


 麒麟が来るとか、民衆の為と言っていたのに最後はクーデター起こす人が大河ドラマの主人公なんですから、コメディになって無ければいいんじゃないかなと。フィクションだからそういうお話もあるんじゃないかなと思います。コナン君とか体は子供ですからね。


 歴史上探せば若年相続している例はあります。なろうの英雄・朽木元綱さんとか筒井順慶とか池田恒興とかでしょうか。


 これらの人たちに共通するのは、強いバックがいると言う事でしょうか。朽木さんちは足利幕府、筒井さんちは興福寺(多分)池田さんちは織田家ですかね。若年相続させるなら強いバックを用立てておきたい所です。


 じゃあ、何がいけないと言うか馬鹿っぽく見えるかと言うと、父親の態度です。

 領地の経営を賢いから3歳児にやらせるとか、戦国時代の家督相続の面倒くささとか色々なめ切ってコメディに見えてしまいます。父親の態度や行動は色々考えて欲しい所です。


 コナン君をイメージして欲しいのですが、彼が探偵を隠れ蓑にして推理を披露するか、自身が表に出て推理を披露するかです。


 彼がもし三歳児だとしても推理は変わりません。警察が証拠固めをすれば真相は明らかになるのでしょう。ですが彼が表に出て推理を披露する場で、この子はすごい推理が出来るから信用してくださいと、警察が関係者に言っていたら、ジャンルはコメディになってしまうのではないでしょうか。少なくとも警察官たちは読者から突っ込まれると思います。


 個人的には関東の小田氏当たりのケースが、なろう小説にあってるような気がします。


 彼は何度も敵に負けて城を追い出されたそうですが、民衆が失地回復に協力的で何度も領地を取り戻していたみたいですね。


 なろうの主人公は「民の為」を掲げているケースが多いので、主人公の独善を押し付けているのでなければ、後ろ盾に民衆がついていて手が出せない、と言うのも面白いのではと思います。


 このケースだと、親族や野心的な家臣が家督相続や下克上をしようと画策するけれど、民衆の信頼等で返り討ちになるという小話を入れられることでしょうか?


 内政の序盤ですと敵との戦闘などが入れにくく、開発だけのシーンが続きやすいので、お話がダレないための小悪党役として如何でしょうか。最近な風潮なら「ざまぁもあるよ」と言った感じで。



 〇お酒に灰をぶち込む例のアレ


 2代目若社長「ふぁんた爺! こめコメディ! 良いことを思いついたぞ。伝説のオリハルコンを作って売り出せば爆売れ間違いなしじゃ!」


 こめ爺・社員一同「さすが若社長。若社長凄い」



 なぜかいろんな方が使用する、手っ取り早く資金を得るために酒に灰をぶち込んで透明になる、とか言うやつですね。


 あれって、特に根拠が無いというか、再現実験なども行われていないのでは……?


 実のところ、疑問を感じる点は別のところにあります『現代知識で他に差をつけるのに、なぜ本当にできるかどうかわからないような伝説的な手段を使用させるのか』ですね。主人公に時間があるなら、素直に現代的な清酒の作り方をさせる方が作品の趣旨に合っているのでは。



 例外にすべきケースはあると思います。時間が無い場合です。自分の家門が滅ぼされるのが歴史上の出来事で、タイムリミットがあるとか。

 ずばり、時間がかかると途中で滅ぼされてしまうので仕方が無いのです! という所で納得してもらうしかないかなと思います。


 たびたび例に出して申し訳ないですが、朽木さんところは敗戦スタート・3年と時間を区切ったので、時間がありません。まあ、あの作品は別に現代知識とかあまり利用していないので例に挙げるのはあってないかも知れません。


 因みに、現代の清酒は『大体』酒米で作っているので、戦国時代のお米を使って現代の製法で作ったものを「現代の清酒と同じだ」とやると、「この作家さん、お酒知らないで書いているのかも」と読んでる人に思われる可能性があります。


 あと、焼酎などを飲んでから「このような強い酒とは」とか言わせるとか。酒精が強いと臭いも強烈なので、見ただけならともかく口元に近づければ強い酒とわかるでしょう。


 お酒造りに関して酒粕があまり書かれていないのが疑問です。酒粕を利用して飲み物を作ると、アルコール混じりではありますが栄養の高い飲み物が作れます。寒仕込みの清酒を絞る時期を考えると、栄養価の高いものはありがたいのではないでしょうか。

 味付けの種類が少ない時代かと思うので、酒粕汁などもいいかもと思います。


 また、酒粕からは確か焼酎を作っていたかと思います。大量に酒を仕込むと大量に酒粕が出るかと思うので、焼酎に出来る量は少ないにしてもそのまま捨てるよりは、資金調達の一助になるのではないでしょうか。




 〇なぜかみんな作る石鹸


 2代目若社長「我が社も3Dプリンターを導入したのじゃ。これでどんなものでも作り出せる。上場企業入り間違いなしじゃ。ただし材料はないし、作るものは決まってないがの!」


 こめ爺「さすが若社長。若社長凄い」

 ふぁんた爺「ファンタジーじゃから材料なくても作れるんじゃな。ふぅ」


 どうしてみんな揃って石鹸作るんでしょうね。手軽なのは分かりますが。どうもあの当時石鹸は下剤か香料として使用されていたという話が……。


 要は、作る前に本当に需要があるかどうか調べたの? って話ですね。中の人は現代人なのですから。ついでに言うと作るための材料はどうするでしょう。油を用立てるのだけでも結構大変なのではないでしょうか。


 知識チートとやらをやるなら、せめて油を効率的に絞る機材を作ってからにしておいた方が効率が良いのは言うまでもないかと思います。あと絞っただけの菜種油は結構ごま油の様な感じらしいです。


 まあ売れないかと思います。衛生観念を発達させるから需要はあるんだ! と思った方、新しい習慣を根付かせるのはそう簡単じゃないですよ。感染症が流行してますが、マスク適当にしかつけてない人結構いませんか? ゆるゆるとか鼻が見えているとか。彼らがみんなマスクつけられない人なのでしょうか。単にマスクの意味を理解していないのではないかなと。


 ついでに言うと戦国時代だと石鹸はコンスタントな出費が地味に重いのではないでしょうか、買えるのは中級の商人くらいからじゃないかなと。それこそ庶民でも買えるようになると値段が下がりすぎていてあまり儲けにならない気がします。


 2代目若社長「我が社戦国日本は、ハッピーでアットホームな会社なんじゃよ」

 ファンタ爺「それはもう戦国じゃありませんな」


 うーん。それでも石鹸を売ろう! と考えると需要の掘り起こしでしょうか。あの時代おぶつ僧は髪をそっていましたし、武士も戦の前に月代をそる(引っこ抜く人たちもいたみたいですが)ので、髪剃りのムース代わりにする(肌荒れすると思いますが)ですかね。


 ついでに現代知識を使った鏡と椿油などの整髪料、アロエか海藻のぬめり成分は保湿剤の代わりになるでしょうか? そんなものをセットにして売り出すとかでしょうか。戦国の身だしなみは家の商品で決まり! みたいな感じで。


 正直、お金持ってる層にすぐに売れるとなると「アッー!」な時に使うとか言うクリームなんじゃないかなと……。後はトイレットペーパーですかね。現代から転生したのに何でトイレットペーパー作らないんでしょうか。


 それでも石鹸で手軽に儲けたいとなると鯨油から作った獣脂石鹸でしょうか。鯨の脂から作られる石鹸は獣脂の嫌なにおいがしないと読んだことがあるように思います。自信はないですけどね。


 鯨自体が結構なお値段、江戸時代だと一頭2億円くらいでしたっけ? していたかと思います。こちらも自信はありませんが、資金調達にあわせて脂を無駄にしないように作ったものがたまたまヒットしてしまった、って方にもっていくのはどうでしょうか。


 さて、ちょっと疲れてきました。続きは気が向いたらそのうちに。読んでいる方はいないかも知れませんが、またお会いしましょう。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 戦国チートを真面目にやると、 江戸時代から戦前昭和までの、今では失われた技術を使わないといけないので、 調べるのが大変なんだと思います。 鯨油は石鹸作るよりも、 田んぼに注いでウンカ対策に…
[良い点] 初めまして。 『2代目若社長』の例え、いいですね。腹抱えて笑いました。 でも──内政チートのネタ探しって本当に難しいんですよ。 自分も色々探してみましたが、誰もまだ使っていないネタなん…
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