病んだって私は私
なぜ羽黒が俺の家を知ってるんだろう?
「今晩は、藤宮様。」
「羽黒、なんで俺の家知ってるんだ?」
羽黒は何を言っているの見たいにキョトンとしていた。
「知ってるも何も昔から知っていますわよ、藤宮様の家は。」
さてはストーカーだなオメェ。
「やっぱり忘れてしまったのですね、藤宮様…」
忘れてるって言ったて昔に羽黒とあった記憶なんて…
「仕方ないですね、あまり昔のように喋りたくはないのですけど。」
どういうこと?
「……ふーちゃん私だよ、覚えてない?」
ふーちゃん? ふーちゃん… ふーちゃん!?
確かそのあだ名は俺が昔日奈子と知り合う前に仲が良かった女の子が言っていた名だ。
「…もしかして、はーちゃん?…」
「…そうだよ、私だよ、ふーちゃん…」
まさかはーちゃんと八年ぶりに再会できるとは思わなかった。
「立ち話もなんだし上がってよ はーちゃん。」
「思い出してもらいましたし喋り方を戻しますね。」
なんだ戻してしまうのかちょっと寂し感じがするな。
「だったら俺もはーちゃんじゃなくて羽黒って呼んだ方がいいか?」
「そうしてくださるとありがたいですわ。」
そう言ってクスクスと笑う羽黒であった。
それから羽黒は家に上がり母さんや姉さんに挨拶をしてから俺の部屋に来た。
「よく母さんたちは気づいたな。 羽黒 昔と違って見た目全然違うのに。」
「ですが口調は変わったねとおしゃってましたね。」
そういえば気になるな、なんでそんな口調になったのだろう。
「どうして昔と口調が違うんだ?」
羽黒は笑って答える。
「お嬢様学校に通っていたからと思います。」
うちの高校来る前はお嬢様学校に通ってたのか。
「へぇすごいな羽黒。」
「ありがとうございます 藤宮様。」
様付けはやめて欲しいのだがお嬢様学校に通っていたからしょうがないのか。 そうだ、今朝のこと謝らないと!
「あのな羽黒、今朝は悪かったごめん。」
「別に気にしてませんわ、ただ…」
ただ?
「わたくし以外の女と会わないでください。」
何言ってんだ羽黒?
「おいなんの冗談だよ。」
「冗談なんかじゃありませんわ。」
今朝といい今といいなんでこんな変なことを。
「おい羽黒、昔はこんなこと言う子じゃなかっただろ。」
「どうしてもわたくしのお願いを聞いてくれないのですか?」
当たり前だそんな願い聞けるわけない。
「ああ。」
「嫌です…」
嫌と言われ…
「嫌です、嫌です、嫌です…!」
どこで彼女はここまで変わってしまったのだろう。 俺はただ羽黒の言葉を聞いていることしかできなかった。
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!取られたくない!取られたくない!私だけを!私だけを!私だけを!!見なきゃ嫌だ!見なきゃ嫌!見なきゃ嫌だ!!!ふーちゃん!ふーちゃん!ふーちゃん!ふーちゃん!ふーちゃん!!私を見なきゃ嫌だ!嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
聞いてるだけなんてダメだ! こんな羽黒おかしい!
「落ち着け羽黒! 落ち着くんだ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ダメだ!羽黒は聞く耳を持ってくれない!仕方ない!
「はーちゃん、ごめん。」
俺はそう言って羽黒のことを抱きしめた。
この時、昔にもこんなことをしたのを思い出した。