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昔々

 昔々のお話。この世界には魔法体質を持った人間とそうでない人間が暮らしていた。

 魔法体質を持った人間はそれぞれの魔法を使い、皆の暮らしを楽にしていた。

 しかし、魔法体質を持たない人間は魔法を使う人間に嫉妬した。

 そして、魔法体質を持たない人間は魔法体質を持った人間を殺し始めた。

 魔法体質を持った人間は対抗して魔法の使えない者を殺し、大戦が始まった。

 しかし、大戦開始から丁度一年経った日。空が血色に染まった。そして大地には無数の穴が開いて中からは怪物(モンスター)たちが湧き出た。

 その日、圧倒的な力を持っていた魔法体質を持った人間が負けた。



 長い昔話を聞き終えた少年は苦笑いで目の前の男を見る。


「だから何だよ」

「だからよぉ、お前みたいな魔法使いなんかより俺らみてぇな冒険者の方が強えってことよ」


 男は病弱な印象の少年を馬鹿にすると満足気に続ける。


「俺ら冒険者は勇敢にリトル・ダンジョンに潜ってるのにお前ら魔法使いと言ったら街でのんびり暮らしてるだけ。そりゃあ、大戦で負けるわけだ」

「あんたら冒険者は無様に魔法使いに治療して貰ってるのは気のせいか?」


 少年は男の下半身を上半身にくっつけると勢いよく息を吐く。

 男は威勢よく話していたが、やはり今際の際であったのだろう。少年が治癒魔法を使い始めると安心した吐息を漏らす。

 しばらくして治療が終わると男は何も言わずに病室から出て行く。


「傷跡残るぞ」


 少年は男の背中に向けて呟いた。

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