異世界にて、2
今回は正真正銘、説明をしています。そして、みなとのステータスも出ています。楽しみにしていてください
「みなと様!起きてください!」
「う、うん?えっと、え!」
ビックリした!つい、こんな可愛い子に起こしてもらった、という事実に驚いてしまった。こんな子に起こされるなら俺は、どんなブラック企業でも、働ける気がする。それぐらい、俺にとっては、素晴らしい出来事だった。この景色は、心のメモリーカードに保存しておこう。
「えっと、どうしたのかな?」
「はい!夕食の時間がそろそろなので、少し余裕をもって、起こさしてもらいました。」
「あ、そういえば、夕食の前に起こしてって言ったっけ?ありがとう、ルア。」
「いいえ、これも仕事ですので。」
そりゃそうか。ってか、そもそも夕食って、集まって食べるのか?いやだな。ここは少し無理を言ってみるか。
「ルア、夕食をここで食べることはできる?」
「どうでしょう?一応、配膳の子に聞いてきますね。」
何て、いい子や。可愛い上に性格もいいのか?こんな子日本にはいないぞ、多分。
そう言ってルアは、部屋から出ていった。俺はこの時間を使って、前から思っていたことを試そうと思った。
確か、俺たちは勇者として、ここに召喚されたんだよな?ってことは、少なからず、戦う力はあるはずだよな?戦う力なんて、日本にいるときはなかったけど、何かステータスみたいなのが、割り振られているのか?
ちょっと試そうかな、「ステータス!」って言えばいいのか?でも、それで何も出なかったら、どうしよう。それは、超恥ずかしいな。ここは俺の、メイドで、多分、天使か、女神の類いであろう可愛さを持つルアに聞くか。
ルアはそれから5分後位に帰って来た。
「みなと様、ここで食べることはできるみたいです。なので、食べたいときは私に言ってください。お待ちしますので。」
「いや、いいよ。自分で持ってくるよ。重たいんでしょ?」
「え!?いや、そんなことは、勇者様の仕事ではありません!私たちメイドの仕事ですから。」
えー、なんか持たせるみたいで、いやだな。そうだ!これならいけるかも、
「なら、ここで一緒に食べよう!俺の分は俺が持つから、ルアの分はルアが持ってくれる?」
「それこそ無理ですよ!普通はメイドと一緒にご飯を食べるなんて事はしないですよ!」
「え?何で?」
「メイドは雇われている身です。なので、立場として、みなと様たち勇者様たちとは、同じではないので」
そうゆうもんなのか。はい、俺はそんなの認めません。でもどうしよう。これ、普通に説得できるのか?とりあえず、
「なら、俺は食べない!」
「えー!そんなのだめですよ!」
「なら、一緒に食べよう、それがいいなら、俺も食べる。」
「なんで、そこまで私と食べることに、必死なのですか?」
「そんなこと、当然だろ?俺はルアとご飯が食べたい。ただ、それだけだよ。」
あれ?これただの、俺のわがままじゃね?まあ、聞きたいこともあるし、ここは認めてほしいな。
「分かりました。でも、私がみなと様の分も持ってきます。それは譲れません。」
「分かった。ありがとう、ルア。」
まあ、一緒に食べてくれるならそれでいいや。
そして、ルアが持ってきてくれた夕食は、合ってるかどうかは分からんが、多分、洋食だった。個人的には、異世界の料理とか、ちょっとワクワクするところはあったが、思ったよりも普通で、まあ、よかったのかもしれないな。
「おー!すごいな。すごい美味しそうだな!」「当然です!この城のコックたちは優秀ですから!」
まるで自分の事のように話すんだな。そして、食べ始めたとき、とりあえず、他の人たちの事を聞いた。
「なあ?俺と一緒にここに、着た人たちは、何してるの?」
「多分、王族の方たちとは、夕食を食べながら、この国の事や、魔王軍の事を、聞いてるのではないでしょうか。」
「そうか、この国っていうことは、他の国もあるのか?」
「はい、この国は比較的、魔王城から、遠いですから、進行を受けているといっても、まだ余裕は多少あります。けど、他の国、例えば、一番近い国「ルドキア」の被害は、とても凄いことになってるみたいです。」
「他の国は助けたりしないのか?」
「する国もあるみたいですが、ほとんどの国は、自分達の国の利益、安全を求めるみたいです。」
やっぱりな。でも、助ける国もあるのか。行くならそういう国の方がいいかもな。
「あとさ、俺たちって勇者として連れてこられたんだよな?でも、戦う力なんて、ないんだけど。」
「それなら、大丈夫です。勇者召喚は比較的、この世界に来て、戦う力がある人が多い集団を呼ぶみたいなので、みなと様も、あるはずですよ。」
まじかよ!なら、自由に旅とかできるの?この国とか、勇者とかに、縛られたくねーわ。
「それって、どうやって調べるもんなんだ?」
「今、みなと様以外の方たちは、王族のかたと夕食を食べているはずなので、そこでステータスカードをもらって、調べられてるのではないでしょうか?」
「それって、俺ももらえるかな?」
「大丈夫ですよ。私がもらってきます。」
そういって、ルアはステータスカードを取りに行った。けど、大丈夫かな?ルアの話を聞く限り、メイドの立場は高くはないはず。なら、俺が無理やり一緒に夕食を食べているせいで何か、されるんじゃないか?
そう思った俺は出ていったルアに、気づかれないように、後をつけていった。他のみんなは食堂で、食べているらしい。そこに入っていったルアを、俺は扉の影から、他の人に見つからないように見ていた。ルアは王ではなく、第一王女のセリカに話しかけていた。
「あの、みなと様用のステータスカードをいただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「はい?なぜ、あの方はここに来ないのでしょう。そもそも、あなたもいませんでしたね?何をしていたのですか?」
「あ、あの、みなと様と夕食を食べていました。」
そう言うルアは、少し俯きながら、いかにも、悪いことをしているような、感じで話していた。
「おかしいですね?メイドは普通、勇者様と、同じ席で夕食をとるなど、あってはならないことだと思いますが?」
「い、いや、その、」
「まあいいでしょう。そのかたにも事情があるかもしれませんしね、早く持っていったください。メイドに話しかけられるなど、王族としての威厳に関わってきますので。」
「は、はい。ありがとうございます。」
なんだこれは?なんで、あいつはそんなことを平気で言えるんだ?あいつは、自分で何もしていないだろ?普段の生活は、メイドの人が周りの事をしてくれているんじゃないのか?そう思うと、俺は無性にあいつを殴りたくなった。けど、ここ出ててもどうしようもないな。それに、ルアがいる場で野蛮なことはしたくない。
そして、ルアが扉に向かって歩いてきたので、俺は走って、先に部屋に戻った。
「みなと様!ステータスカード持ってきました!」
「ありがとう、ルア。」
帰って来たルアは、さっきまでの暗い表情ではなく、出ていくときと同じような、明るい表情だった。それがまた、俺の心を締め付ける。
「はい!みなと様!これでみなと様のステータスが分かりますよ!」
「そうだな、けど、あまり期待はしないでくれよ?」
「いえいえ、きっとみなと様のステータスは強いですよ!」
ちょっと期待が重いな。ここで、弱かったりしたら、軽蔑されるのかな?「みなと様、弱いですね。」何て言われたら泣ける。
「いくぞ?ってか、どうするんだ?」
「血を一滴垂らしてください。」
そういって、針を渡してきた。まじか、ちょっとビビるな。まあ、こんなところで、怖じ気ついていられるか!いざ、高橋みなと、行きます!
そして、血を垂らしたステータスカードは、一瞬弱い光を発して、何かが書き込まれ始めた。そこには、こう書かれていた。
高橋みなと レベル1 16歳 男
種族 ?
職業 ?
使用武器 なし
体力 ?
攻撃力 ?
防御力 ?
魔力 ?
俊敏力 ?
スキル 「最強」
称号 最強
読んでいただきありがとうございます。コメントおねがいします。マジで!質問とかでもいいので、皆様からのを待っています!