CブロックとDブロック
勝負が決まった後、俺はすぐに外に出ようと思ったんだが、
「お前凄いな!あの巨人を倒すなんて!」
「ああ、俺は負けると思ってたわ!」
など、色々話しかけられてなかなか出ることができなかった。けど、
「お主ら、勝者を立ち止まらせるなんてダメじゃ!」
と、ギリベンが周りの参加者を止めてくれたお陰で外に出ることができた。あまり、目立つつもりはなかったんだが、勝ち残ると目立つことは分かってたしな。それはしょうがないと割りきるしかないな。
コロシアムの外に出た俺は、レフィーを探して歩き回っていたら、
「みなとさん!凄いです!」
ミネサが話しかけてきた。
「まあ、あの巨人も強かったけどな。」
「それに勝つなんて、やっぱりみなとさんは強いんですね!」
「まだ予選だよ。まあ、目的は果たせたかな。」
「はい!これでパーティーに出れます!」
「けど、手伝えるのはここまでだからな。その後は自分でどうにかしろよ。」
「分かってます。そこまでみなとさんの力は借りれませんから。」
この国の問題はこの国で解決してほしいしな。俺が出る幕はあまりないだろうから。
「じゃあ、俺は行くからな。」
「はい!ではまた今度!」
そう言って、ミネサはどこかへ行った。俺はレフィーを探そうと思ったんだが、
「みなと。あの女誰?」
レフィーはすぐ後ろにいた。
「あれはミネサで、この間夜出てたときに困ってたから助けてあげたんだよ。」
「そう…。なら、いいけど。」
そう言うレフィーの目はは明らかに疑っていたので、
「それよりさ、俺の試合どうだった?一応勝ち残ったんだけど。」
「すごいかっこよかったわよ!あの巨人との一騎討ちは特に!」
「そっか。次はレフィーの番だな。」
「私はDブロックだからまだ時間あるわね。」
「なら、昼食食べに行こうぜ。」
「そうね。行きましょうか。」
俺たちは昼食を食べに行った。Cブロックの試合は気になったんだが、それよりも昼食の方が大切だったからな。
このイベントはやはり祭りみたいで、屋台とかが出ていたので、俺たちはそれを食べ歩くことで腹を満たしていった。人もたくさんいてゆっくりできないから、俺たちはコロシアムの周辺でも人の少ない所を探して、落ち着くことにした。
「もうCクラスの試合は始まってるわね。次は私か…。ちょっと不安もあるわね。」
「大丈夫だよ。あれだけ動けていたら負けないって。」
「そうかな。一応魔王だしやれることはやるけど。」
「おう。別に負けても俺が勝ってるからパーティーには出れるしな。」
「そうね。なら安心ね。」
不安な気持ちが少しは和らいだのか、心なしか柔らかい表情になっていた。
「時間もあるしCブロックの試合を見に行きましょうか。」
「そうだな。行こっか。」
俺たちはCブロックの試合を見るためにコロシアムの観客席に行った。Cブロックはあまり強い人がいないのか、今までよりも試合が長引いていた。特に目立っている人もいなくて観客の盛り上がりも少なかったんだが、
「あの人、さっきから必要以上に痛め付けていますね。」
「そうだな。」
自分に向かってくる奴は必要以上に痛め付けている人がいた。その人の周りにはあまり人がいなくて、周りの奴も警戒しているようだった。
結局最後までそいつは残って決勝に進むことになった。観客も今回は声援を送ることなく、静まり返っていた。
「しょ、勝者は64番。」
司会も盛り上げるような声じゃなく、戸惑っているようだった。そいつは狙ってくる奴を徹底的に狙っていたので、狙う奴がいなくなり、最後の1人はビビって自分からリタイアしていた。自動的に残ったのがあいつってことだ。
「まあ、Cブロックのことは置いといて、次はレフィーの番だな。頑張れよ。」
「うん。頑張って勝ってくるわ。」
レフィーが移動した後、俺の元に人がやって来た。
「おい、お前がBブロックの勝者だな。俺はAブロックの勝者だ。よろしくな。」
そいつはAブロックで勝ち残ってた奴だった。何しに来たのか考えていると、
「いや、こんなイベント暇だなと思ってたんだが、お前みたいな奴が出るなら、出てよかったよ。」
「そうか。それで?」
「お前は「ディセカ」の勇者だな。俺は「アンカサス」の勇者だ。」
「いや、もう違うな。俺は国から出たから勇者じゃない。」
「ハハハ。そうか、俺もだ。」
そう笑いながら話すそいつは何か目的がありそうだった。
「あ、そろそろDブロックの試合が始まるぜ。」
ステージを見ると、人が集まっていた。レフィーはすぐ見つけられた。
「それではDブロックの試合、始め!」
レフィーのいるDブロックの試合が始まって、参加者が戦い始めた。