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「最強」スキルは俺専用です!  作者: うきを
三章 魔王を助けに「魔王城」と「ゼフィラ」
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戦う理由

1人目は俺を呼び止めてきたので、俺はとりあえず、


「何?」


と、聞いた。すると、1人目は少し遠慮がちにこう言っていた。


「あなたはイベントに出てるんですか?」

「出てるよ。」

「な、なら、お願いがあるのです!」


何か面倒くさそうな感じになってきたなと思いつつも、話しは聞くことにした。


「お願い?そもそも俺はお前の名前すら知らないんだが?」

「あ、すいません。私の名前はミネサといいます。」

「おう。俺はみなと。」

「みなとさん。あなたの強さを目の当たりにしてお願いしたいことがあります。話しを聞いてくれないでしょうか?」

「いいよ。何?」

「ありがとうございます。お願いとは、決勝出場者だけが呼ばれるパーティーで私も連れていってください!」

「何で?何か理由があるんでしょ?」

「はい。私がどうしても出たい理由は…。」


そうして、ミネサは語りだした。


「この国は軍事国家です。このイベントにもこの国の兵士で出てる人もいます。その兵士たちは国の中ではとても傲慢で自分勝手です。全員とは言いませんが、その理由がこの国の王にあります。」


国のトップはクズしかいないのか。


「この国の王は代々奴隷制度を採用してきました。今までは何か罪を犯した人の中でも、重い罪として奴隷になると言った制度だったのですが。今の王になった時、この国は変わり始めました。」

「どんな風に?」

「まず、王に気に入られた人は城に来るように通知が来ます。その通りに行くと、もう帰ってこなくなりました。そしてたまに王が国民の前に出るとき、どうなってるのか分かるのです。」

「つまり、奴隷になってると。」

「そうです。それが国民に知れ渡った時、理由が知られました。通知が来ても行くなと。そうすると王は来なかった人を犯罪者扱いし初めて、強制的に奴隷にしたのです。それで連れていかれる人もいました。」


思ったよりも理由が重いな。そんなことがあったのか。


「つまり国王をどうにかしたいと。」

「はい。王以外の王族はまともな人が多くて、王の暴走を止めていますが、兵士の大多数は王寄りなので、いつ暴動が起きるか分かりません。なので、一刻も早く王を止めないといけないのです。私はそれをしようと思ったのですが、勝てなかったのです…。」

「誰か協力する人はいなかったのか?」

「いました。けど、それがばれると連れていかれます。残ってるのは私だけです。」

「ふーん。分かった。で、何で俺なんだ?Aブロックで勝ち残ってた奴でもいいんじゃ?」

「あの人は何を考えてるのか分かりません。やる気はないのに強かったし。でも、みなとさんは違います!あなたは私を助けてくれました。だから、私はあなたに頼んだのです。お願いします!してくださったら、私にできることは何でもします!」


ふーん、何でもか。この人、見た目も性格も悪くないいい人だしな。どーせ勝つし。なら、別にいいかな。


「分かった。俺に任せとけ!」

「ありがとうございます!本当に…。」


ミネサは少し泣きながら笑顔を見せていた。それに、その話しを聞いちゃうと、断りにくいしな。


「えーと、じゃあまた明日。俺はBブロックだから、応援よろしくね。」

「はい!分かりました!」


そうして別れて、俺は宿に帰った。時間も遅かったので、俺はすぐに寝ようと思ったんだが、


「みなと!私を置いてどこに行っていたの!」


帰ると、泣きながら怒っているレフィーがいた。俺は隠す必要もなかったので、外であったことを話したんだが、


「そんなことはどうでもいいのよ!問題は何で私を置いて行ったってことよ!」

「いや、レフィー寝てたから起こすのも悪いなと思って。」

「起きたときあなたが隣にいなくて、どれだけ寂しい思いをしたのか分かってるの?」

「ごめん。レフィー」


すると、「ん。」という声と共に頭を俺の方に出してきた。俺はそれを撫でた。合ってたのか分からなかったけど、レフィーの機嫌はよくなっていった。


「今回だけは許してあげる。けど、次からは私を1人にしないで!」

「分かったよ。」

「ふ、ふん!なら、いいのよ!」


寂しがり屋だからな。その後は罰としてレフィーが寝るまで側で手を握ったり、頭を撫でたりした。


そして、次の日。俺たちがイベントに出る日が来た。







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