盗賊倒し
クエストで、盗賊を倒す。盗賊ってモンスターみたいですね。
中に入った俺は、クエストボードに行った。そこには、盗賊を倒すという内容のクエストが貼っていた。報酬は5金貨で、それがランク制限がなかった。おれはそれを外し、受付嬢のところまで持っていった。
「これを受けたいんですが。」
「え!?盗賊のクエストですか?これ、報酬はいいですが、いかんせん盗賊の頭が強いので、何人もの方たちが挑んだのですが、失敗して、良くてここに帰ってこれるようなクエストですよ?そりゃ、受けてくれたら、こっちとしても嬉しいんですが、命には変えられませんが?」
「大丈夫です。腕には自信があるので。」
「そうですか、ならまず、盗賊のアジトの場所ですが、門から森まで道が続いているのは知っていますか?」
「はい、通ってきたので。」
「なら、その道を通って森に入ってください。入って5分ほど進むと、左の方に洞窟が見えます。それが、アジトです。」
来るときは、そんなの気づかなかったけど、そんなものがあったのか。
「あと、盗賊の頭ですが、名前はバジャギと言います。バジャギはこの国で指名手配になるほど、罪を犯しているので、倒した場合、そちらの報酬も受けとることができます。」
「そうなんですか。盗賊の人数って何人ぐらいなんですか?」
「えーっと、確か13人だったはずです。増えたり、減ったりしてなければですが。」
今日俺は、4人倒したから、残りは9人か。1人見逃したから、そいつは頭に報告はしてるだろうし。まあ、そんなの関係ないけど。
「分かりました。では、今日これを受けるので、今から行ってきますね。」
「今からですか!?ホントに大丈夫ですか?」
「はい。行ってきます。」
そうして、クエストを受けた俺は、すぐに門に向かい、門から出た。早く終わらせたかったので、走って森に行き、そこから受付嬢の言う通りに進んでいくと、洞窟が見えた。入り口のところには、見逃した奴が1人で立っていて、見張りをしているようだった。
「あー、このまま行ってもいいんだけど、面白くないか。」
そう思い、俺は変装していくことにした、見張りの奴に。俺の〈偽装〉のスキルはこういうこともできたからな、使ってなかったけど。そいつにそっくりな姿になった俺はすぐにそいつのもとへ行き、殴って気絶させた。そして、そいつをもう一度俺のスキルを使って、俺の姿にした。そして、迫真の演技で、
「頭!来てください!こいつがさっき仲間をやったやつです!今、来たので、気づかれないように殴ったら、気絶しました!」
と、叫んだ。そうすると、いかにもモブそうな奴らと、そいつらより、一回り大きい熊みたいな男が出てきた。
「おい、ケロイ!声がでかい!で、そいつはどこだ?」
「ここです。さっきは、強かったんですが、気づかれないと、そんなこともなかったみたいです。」
そうして、俺の姿になったケロイって奴を、掴んだバジャギは、すぐに中に連れていった。当然俺もそこについて行った。中は、分かれ道になっていて、盗賊たちは、右の方へ進んでいった。
「おい、そいつを起こせ!俺たちに歯向かった奴は、痛い目にあわせないとな!なめられちまう。」
「おい!起きろ!」
そうして、モブが起こそうと何度もビンタをして、やっと起きたケロイは、
「え?なんで、皆さん俺を囲ってるんだ?」
と言った。当然、自分が俺の姿をしているとは、思ってないはずだ。俺は、笑わないように耐えていたんだが、
「そ、そういえば、頭!さっき仲間をやった奴がいたんです!」
と、俺がさっきケロイの姿で言った事を、俺の姿のケロイが言った。当然、周りの奴らは、何を言ってるのか分からない様子だったが、バジャギだけは、
「おい!お前舐めてんのか?おいお前ら!武器を持ってこい!こいつを始末する!」
と言いだした。そこで、俺は一番に動きだし、宝物庫らしき場所に行った。そこからは、この姿でいるのも、気持ちよくないので、もとの姿に戻った。洞窟の中は分かれ道によって部屋があるらしく、反対の方へ行ったんだが、そこには、宝石などがたくさん置いていて、後で貰おうとか思ってた。けど、それとは別に、大切そうに、鍵までつけられた宝箱があったので、俺は開けてみたら、中にちっちゃいドラゴンがいた。
「え!?ドラゴン?なんでこんなところにって、捕まえられたのか?」
俺は、そう思い、鑑定をしたんだが、
なし レベル1 0歳 女
種族 ユニーク(エンジェルドラゴン)
職業 なし
使用武器 なし
体力 2000
攻撃力 3100
防御力 3600
魔力 6500
俊敏力 3400
スキル 竜魔法、人化
称号 エンジェルドラゴンのユニーク 竜魔法の使い手 人化可能
生まれたてかな?でも結構強いな。この子は絶対仲間にする!てか、どうやってするんだ?気に入ってもらえたら?それとも、弱らせたら服従してくれるのか?それはやだな。こんな可愛い子を傷付けたくないし。どうするんだろう。神様ー!教えてくれー!って、無理か。
「モンスターを仲間にするには、テイムするんじゃ!」
うわっ!ビックリした!返事返ってくんのかよ!でも、テイムなんてあるのか。
「それって誰でもできるのか?」
「いや、相手のモンスターが認めていたらじゃ!それは強さでも、まあ、なんでもいいが、とにかく認めてもらうのじゃ!」
「そっか、てか、神様暇なのか?俺が言ったら、すぐに返事返ってきたけど。」
「ギクッ!そ、そんな事ないもん!神様たまたま暇だっただけだもん!」
おや、だもんって、それ、焦ったときに出ちゃうやつだろ。まあ、優しい俺は、そこに触れないでいてあげよう。
「そっか、たまたまか。たまたまならしょうがないな。でも、ありがとな。助かったよ。」
「いいのじゃ!その子は魔王助けるために必要になるかもしれんし、何より、私を頼ってくれたしな!」
そっか、頼られたら嬉しいのか。たまには、喋りかけてあげよう。
「また今度、遊びに行くよ!ってか、行けるのか?」
「なあに、みなとが来たいと思えば、いつでもこれるわ。」
「なら、今度行くよ!それまで、暇だろうけど待っててくれ。」
「分かったのじゃ!約束なのじゃ!」
「おう、約束な!」
そう言った後は、返ってこなかった。まあ、暇なんだろうし、今度ホントに行こう。
俺は、知らぬ間に、長い時間を過ごしていたらしい。なかなか帰ってこないからか、盗賊のモブたちが見に来ていたのに気づいてなかった。
「おい!お前誰だ!いや、もしかして、さっきの倒れてた奴か!」
そう、変装していたのがばれた。
盗賊を倒すと思ったか!はい、すいません。ドラゴンがいたので、つい、夢中になりました。