冒険者になった
この世界のお金の価値だが「ペリ硬貨」という名前で、銅貨、銀貨、金貨、白金貨があるらしく、それぞれ、10、1000、100000、10000000という、単位らしい。
これが、お金の単位なんですけど、桁が多いですね。これからは、何金貨とかで表した方がいいかもしれませんが、今回は、ペリで表してます。
「まずは冒険者ですが、これはダンジョンに潜ったり、クエストを受けたりして、生活をしていく人の事を言います。ダンジョンでも、クエストでも、モンスターを倒していくことが主な、内容であるので、怪我をしたり、最悪の場合死ぬこともあることを分かっていてください。」
「はい、分かりました。」
「それで、この冒険者ギルドですが、国とは一切関係無い、独立した機関ということを覚えていてください。国からは、あくまで依頼という形での物なら認めていますが、権力を使っての干渉は受けませんので、安心してください。」
そっか、それは都合がいいな。俺たちは、もうこの国から追われる立場だしな。この制度はあってよかった。
「これを踏まえて、もう一度考えてください。冒険者になりますか?」
「はい。なります。ルアは?」
「私はいいです。戦う力とかないですし。」
「そっか、まあ、俺が守るから安心してくれ。」
「はい!分かってます!」
俺たちは、そう言っていたが、
「いや、なるだけならなっておいた方がいいかと思います。」
「何でですか?」
「さっき、私は冒険者ギルドは国から独立した機関と言いました。」
「はあ、言ってましたね。」
「冒険者になると、カード、登録証みたいなものですね。これを発行するのですが、これがあると他の国に行ったときに、入りやすくなります。」
「え?何でですか?」
「どの国でも、国の入り口では、検査をしています、入る人の。犯罪歴がないか、名前、仕事など、簡単なものですが。その時に、これがあると、冒険者ということが伝わりやすいので、円滑に進めることができます。」
そっか、なら、作っておくのも楽なのか?
「それって、冒険者だけですか?他の仕事でもいけるのですか?」
「いえ、冒険者は、国に干渉されないので、強くは言われません。よほどの事がない限り、冒険者の方がいいと思います。」
「なら、ルア。作っておいた方がいいんじゃないか?」
「そうですね。私も作ります。」
「そうですか、ならまず、クエストについての説明をします。クエストは、クエストボードに貼り付けている紙に内容が書かれています。」
そういって、クエストが書かれている紙を見せてきた。
「これは、あとで貼ろうと思っていたものなのですが、ゴブリンの討伐の依頼です。ゴブリンの物だけは、常にクエストとして出ています。繁殖力がすごいので。」
「そうなんですか、それで?」
「ここに、Eランクと書かれていますね?これは、このクエストのランクです。ランクとは、冒険者の方が、受けることができるクエストの難易度を表しています。Eが一番低くて最初の、SSSが一番高いランクになっています。」
「それって、どうやってあげるんですか?」
「まず、クエストには、ポイントが記されています。このクエストなら、3ポイントですね。このポイントをためていくことで、昇格クエストを受けることができます。これは、次のランクの、難易度でも通用するかを確認していただくために、受けてもらうものです。これには、上のランクの冒険者の方に付いてもらうので、もし、危なくなっても助けてはもらえますが、あくまで、そのランクにはいまの力では通用しないということになります。」
意外とちゃんとしていてビックリした。冒険者なんて、もっと荒々しい感じだと思っていたからな。
「ここまでが、クエストの説明です。次はランクですが、Cランクになると、指名クエストが出てきます。これは、依頼者の方に指名されるものなのですが、原則理由もなく断ることはできません。断れば、ギルドの信頼にも関わってくるので、降格、あるいは除名などがあり得ます。これだけは、国からのクエストは、ないですので、安心してください。前に国からこのようなもので強制されたことがあって、このような制度になりました。」
やっぱ、国って面倒だな。
「以上ですべての説明は終了です。では、登録に入るのですが、名前、年齢、性別は必ず。使用武器、各ステータスなどは、パーティーを組むときに、参考になるので、できれば書いてください。」
そういって、紙を渡してきた。
「代筆もしていますが、しましょうか?」
「大丈夫です。えーっと、これでいいですか?」
そういって、おれは必ず書かないといけないところだけ書いてだした。一瞬呆れられたような顔をされたが、すぐに直して、
「はい、これで大丈夫です。できればのところも書いてほしかったのに…」
そう言っていたが、これで、登録できるのだろう。ルアも書いていて出し終わったところで、
「はい、登録できました。これは最初は無料ですが、次からは有料ですので。無くさないようにしてください。」
「分かりました。ありがとうございます。」
カードを受け取った俺たちは、まず、クエストボードを見た。
「なあ、ルア。この国から出るのは確定として、次行きたいところってある?ないなら、したいことがあるんだけど。」
「何ですか?」
「それは、あとで話すよ。ここで話すようなことじゃないからさ。」
「私も特にないです。みなと様に着いていくだけなの。」
そっか、ならここにはもう、用はないな。
外に出た俺たちだったが、ここで、俺は気づいてしまった。
俺たち、お金なくね?てか、仕事しないといけなくね?
「ルア!いま何ペリあるの?」
「えーっと、まだ使ってないので、20000ペリですね。」
「宿と三食でどれくらいなんだ?安いところでだ!」
「宿は、一泊だいたい、3000ペリですね。一食は300ペリぐらいなので、三食は、900ペリです。」
なんだと!?つまり俺たちは、5日分しかないということだ!
「ルア!ここから違う国まで何日くらいだ?」
「えーっと、近くの国は、「ラベン」ですね。ここから馬車で2日ぐらいですね。」
俺が走ったら、もっと早くつくな。なら、この国にいるより、その方がいいな。
「ルア、予定で意見があるんだが、まず、今日は遅いし、宿をとろう。で、明日の朝には、この国を出て、そこに行こう!」
「え!ほんとですか!?お金ないんじゃ?馬車を借りるんですか?最低でも、1金貨ぐらいはかかるんじゃ。」
「そんなものは借りない。俺がルアを担ぐ、俺は走る、それでいいはずだ。だからそれで行く。」
「遠いですけど、大丈夫なんですか?やっぱり、お金稼いだ方がいいんじゃ?」
「そんな悠長にはしてられない。俺たちは、この国では生活しずらい。他の国にいった方が、色々と楽だ。それに、体力というか、俺のステータスはそれを可能にするはずだ。」
「それはそうですけど、なら、宿探さないと。」
「前いった店でいいんじゃないか?」
「そうですね。なら、あそこにいきましょう。」
そう決めた俺たちは、あの店を探し始めた。そういえば、場所は覚えてるんだが、名前が分からん。てか、名前知らないわ。
それから、10分ぐらいで着いた俺たちは、すぐに店にはいった。
「いらっしゃい、て、どうしたんですか?」
「今日は宿空いてます?」
「はい、何泊ですか?」
「一泊です。なんペリですか?」
「2500ペリです。」
なら、二部屋で、そう言おうとするよりも先に、
「一部屋でお願いします!」
「え?一部屋ですか?」
「はい、それで!」
ルアが先に言った。いや、俺はそれでもいいんだけど、ルアはそれでいいのか?節約のためかな?ならいいか。
「ルアがそれでいいなら、それでいいです。」
「え?この状況で冷静ですか!?」
そうルアが言ってたけど、なにも起きないし、安くすむなら、そっちの方がいいだろう。
「部屋は、201号室です。鍵は朝に返してください。夕食代は、含まれていますので。7時ぐらいには、来てくださいね。」
鍵を渡された俺たちは、すぐに部屋に向かった。部屋に着いたときには、6時過ぎだったので、ルアに、今後の相談をすることにした。
「ルア、さっき言おうと思っていたことだが、俺のしたいことって、魔王に会うことなんだけど。」
「へ!?えーーーーーーーーーー!?」
「ちょい、うるさいよ!それと、声でかい!」
「いやいや、なに言ってるんですか!魔王ってそんな馬鹿な話しあります?」
「あるんだよ、色々と理由がね。」
「そうですか、魔王軍か、ここからだと遠いですね。」
「そうなのか?なら、次の国で、待っててくれないか?俺ならすぐにいって戻ってこれる。わざわざ危険な場所についてくる理由もないことだし。」
「そうですね、こればっかりは私がいてもどうしようもないですし。」
「お金は稼ぐからさ、それで待っててくれ。用事も、ぱぱーっとすぐ終わらせてくるよ。そのあとは、適当に旅でもするか。」
「はい!そうしましょう!私もいろんな国を回りたいです!」
今後の予定も決まった俺たちは、この後食べた夕食も美味しく、明日に備えて、すぐ寝た。寝るときに、ベットは一つしかなくて、さすがに一緒に寝れないと言ったが、どうしても、と言うので、いっしょに寝た。けど、落ち着けるわけもなく、むしろ、ちょっと疲れた。こんな体験童貞にはきつい。いや、ルアとなら、童貞じゃなくてもドキドキするだろ!
次は、登場人物のまとめやります。