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序章 異世界転生 ニックス=フューリー

異世界でパワードスーツ開発に燃える少年の物語です。

明るく、ハッピーエンドを迎えるので安心して楽しんでください。

伊坂 巧。

25歳。

職業、スーツアクター。

幼い頃テレビの特撮ヒーロー、特に洋画のパワードスーツを纏う姿に憧れた。

大人になるまで熱は冷めず体育大を卒業後、職にまで着く。

顔を表に出す機会が少なく、正直収入も多いとは言えず厳しいが、それでも充実した毎日を過ごしていた。

運命のあの日を迎えるまでは・・・・・・

スーツアクターは体力と体型維持が重要だ。

俺は何時もの日課で毎朝走り込みをしていた。

体力向上の為、毎朝全力で息が切れるまで走る。

その日も乱れた息を整えながら、家へとゆっくりと戻っていた。

通学する学生の多い通路を離れ、狭い路地裏へと回る。

見晴らしの悪い角を曲がった時、それは現れた。

エンジン音の聞こえない、狭い道を塞ぐ大きな車。

こんな狭い路地裏で出すとは到底考えられない、正気を疑うスピード。

かわせない。

疲れた身体ではまともな反応すら出来なかった。

衝撃。

宙を舞う身体。

地面に叩き付けられ横たわる。

叫びすら上げられなかった。

恐怖を感じた瞬間には意識が途絶えていた。

病院に運ばれるも、俺はそのまま目を覚ます事なく、息を引き取った。

運転手は朝まで泥酔する程飲んでいた、酒気帯びだったらしい。

死んでしまった俺の知るよしもない事で、例え知っても意味は無い。

伊坂巧の人生は唐突に終わりを告げた。



ニックス=フューリーは父親の纏ったそれを見た瞬間思い出した。

パワードスーツ。

伊坂巧が志し半ばで脱ぎ去った、虚像の鎧。

現実には無い、求めて止まなかったもの。

父、ニムバス=フューリーは最下位の男爵級でありながら類稀な魔力と剣技、そして魔導甲冑と呼ばれる魔力によって動作する機械式の鎧の操作技術により、多くの戦場と魔物モンスターの討伐を重ね、一代としては異例の子爵にまで上り詰めた。

領地を得、戦いから離れた今日こんにちでも一戦級の力は失われていない。

そんな彼に連れられ、フューリー家の三男として生まれた幼いニックスは、初めて父の戦う姿を見る事となる。

領地の畑を荒らす魔物を退治する為、騎士の証たる魔導甲冑を従者の手によって纏わされた。

魔法石に宿る魔力によって、魔力変換炉が唸りを上げる。

装着者の意思に反応し、力強い四肢が機械音と共に動く。

五指を動かし動作に問題が無いかを確認すると、一歩踏み出す。

魔物に向かい、3メートルの機械巨人が圧倒的な存在感と威圧感、迫力を持って走り出す。

興奮に心が踊る。

危険性の少ない魔物だった為に、遠くから父の力を見る機会を得たニックス。

幼い身体には十分大きな、2メートルはある猪型の魔物。

前へと突き出した2対の牙を、左腕の盾でものともせず受け止め、右手の凄まじい切れ味の長剣で、一刀のもとに首を切断した。

幼い心に衝撃が走る。

ゆっくりと崩れゆく猪の魔物の姿を見ながら、ニックスではない見知らぬ記憶が徐々に浸透してゆく。

魔物が重い音を響かせ倒れた時には、全てを思い出した。

伊坂巧という人生の記憶を・・・・・・

一切の違和感無くニックスに融合した記憶は、幼い身体に抑えきれない熱を生み出す。

自身の想い描いた理想のパワードスーツが欲しい。

幼き身体に宿った伊坂巧の記憶は、ニックスの進む人生を形作る。

これより伊坂巧が転生した剣と魔法の世界に、ニックス=フューリーが新たな風を巻き起こす。


次回、幼いニックスが理想のパワードスーツを作る為に、奮闘を始めます。

生まれ変わった人生の全てをパワードスーツの為に!

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