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MOVE  作者: 三浦知斗瀬
7/11

月 3

マーファイは暗い道をまっすぐに歩いていた。

目には少しの曇りも無く、月明かりに照らされて鈍く光っているようにも見えた。


途中で道を逸れ、草木を分け入って、急な斜面を登った。

自然の香りがいつもより身体を急がせる。

やがて目の前に、大きな洞窟がぽっかりと口を開けた。


腰を屈めて地面に図柄を書く。

手に持った杖の先で大きな六角形を描き、外側に魔法文字と呼ばれているある民族の言語を書いた。

さらさらと地面が音を立てる。


書き終わると、マーファイは六角形の外側に、立ち、ブツブツと呪文を唱えながら目を閉じた。


六角形がうっすらと光る。

魔法文字が浮かび上がる。

月の光がマーファイを照らす。


目を開けると、六角形の中心に緑色の石が現れていた。



………




急に身体を起こされ、鳩尾を殴られて、セアはむせ返った。


…ッゲホッゲホッ!


「起きたぁ?」


妙に間延びした話し方。アイルだ。


「ほら、これ食べて。」


突然顎をつかまれて、無理やり口の中にパンを詰め込まれる。

吐き出そうとしたが、注ぎ込まれた水のせいでまたもむせ返り、飲み込んでしまった。


ニヤニヤしながら見下ろしてくるアイルを、セアは精一杯の敵意を込めて睨みつけた。


「しっかり休んでなよぉ。

これからがキツイんだから。」


そう言うと、アイルは背を向けて出て行った。



セアは立ち上がろうとしたが、膝に鋭い痛みが走った。

打撲か変にひねったか、何にしろ今は歩けそうにない。


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