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MOVE  作者: 三浦知斗瀬
4/11

予感 2

熱風と共に、火が、炎が、熱い煙が、辺りを焼きつくしていく。


「おい!大丈夫か!!」


「1人意識不明だ!」


「こっちは骨折してる!」


「救助が来るまで耐えろっ!!!」



………




地雷の埋まっているらしい場所まで行くと、MOVEの中でもとくに鼻の効く数人が、慎重に地面を掘り返しはじめた。


「あった。」


地雷は埋まっていた。

一通り取り終えると、近くに住んでいる国民に被害がないことを確認し、一同は引き返した。


そのとき、


突然辺りに白煙が立ち込め、そして、


「うわぁぁぁ!」


何者かが集団で襲ってきた。

助けを呼ぶ声が響く。


セアは身をかがめ、何とか意識を冷静に保とうと目を閉じた。

聞こえてくる。敵の声…


「…あいつらは皆殺しだ。手加減するな。」



…ウソだろ!?


聞こえてきたのは信じられないような敵軍隊の指令だった。


今まで戦ってきた相手はどこも本気で殺そうとはしてこなかった。“殺しはしない”それが両者の暗黙の了解だったのだ。

だがこの敵は、MOVEを殺そうとしている。


見ると肌が粟立っていた。



怖い。



落ち着け落ち着け落ち着け!!

今みんなを救えるのは俺だ。


自分は敵から見えない位置にいるはず。

大丈夫。大丈夫だから落ち着け。


もう一度深呼吸。


声が聞こえた。


「飛ばすぞ!」



飛ばす?何を?


その途端、熱風と爆音に吹き飛ばされた。

一瞬時間が止まったような気がした。が、すぐに地面に叩きつけられる。


「う、うぅ」


バラバラと上から尖った破片が落ちてくる。


頭が割れるように痛い。

耳鳴りがした。

敵は飛ばしたのだろう、爆弾を。


人ごと吹き飛ばすなんて正気の沙汰じゃない。



なんとか上に乗っている重い破片をのけようとしたが、脚が挟まっていて動けなかった。起き上がることさえできない。

何も見えない。真っ暗だ。

なにか無いかと手を伸ばす。すると、何かに触れた。これは…


「ティム!」


MOVEの中で1番嗅覚が鋭いティムは、地雷を見つけるために一緒に来ていた。


ティムがいつも身に付けているブレスレットに触れた瞬間、セアは背筋が凍るのを感じた。

爆発に巻き込まれたに違いない。でなければこのブレスレットが落ちているなんてありえない。


だがセアも、かなりの重症だった。

そう、後ろの気配に気づかないほどに。


ゴンッ


後頭部を殴られ、その場に倒れる。

殴った敵はセアを抱え上げると、茂みの中に戻っていった。






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