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MOVE  作者: 三浦知斗瀬
3/11

予感

まただ。



セアは汗をびっしょりかいて飛び起きた。

また夢を見たのだ。


以前と同じ広場には、鎖が落ちているのが見えた。そして今回は、大勢の人の歓声やら罵倒やら、お祭りのような熱気が感じられる。

そしてまた、


「セア!セア!」


前回よりもはっきりと耳に残っている。

子供のように高い声だ。

そして振り向くと…



目が覚めた。


4日も連続で例の広場の夢を見ている。

何かがおかしいと感じ始めていた。

そして毎回、どこかしらに変化がある。前回はロープ、今回は鎖。

声も毎回のようにきこえる。その声は心なしかだんだん大きくなっているようで気味が悪い。


「一体何なんだ」


一つため息をつくと、少し肌寒くなった空気を感じて上着を手に取った。



トントントン


「セア、入ってもいい?」


「どうぞ。」


入ってきたのは、背の高い少女…メドリアだった。


「マーファイさんから言伝ことづて頼まれて来たの。」


メドリアは真っ黒の長い髪を後ろに束ねていた。

歳はセアと同じ17歳。

いつも首に下げている羽のネックレスが、日の光を浴びて一瞬キラリと光った。


「言伝?」


「うん。前に戦った場所に地雷が仕掛けられているらしいの。何人かで取り除きに行くんだけど、セアにも頼みたいって。」


「今どき地雷なんて……罠かな。」


「かもね。準備ができ次第出発するって言ってた。」


地雷はある特殊な匂いを放っている。

この国に関わらず、生まれる突然変異の能力者たちは、鼻がよく効く者が多い。

すぐに見つかってしまうため、最近地雷は使われなくなってきていた。


そうにも関わらず地雷が仕掛けられている…怪しい。


「わかった。マーファイさんはどこに?」


「街に行ったの。地雷の注意を呼びかけるんですって。国王様にも伝えなくてはいけないから。」


メドリアが部屋を出ていくと、セアは短剣のベルトを腰に付けて窓を閉めた。

戦いの恐怖はもう感じない。慣れてしまったから。

だがなぜか嫌な予感がした。




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