表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どんな世界でも自分はできると信じている。  作者: 芋けんぴおいしい
2/2

この学校はやばい

1日1話くらいを目安

 中間駅に止まるたびに同じ制服の人間が乗車してくる。だれも見知った顔が乗ってこない。

 まぁ親の顔すらあれ?って思うレベルなのに顔見知りが乗ってきてもわかるわけもない。

 相手が話しかけてきてくれるならまだチャンスがあったり、誰が顔見知りなのか把握できるだろうけど、正直話しかけられても会話が続くとも思えない。

 それから少し立って目的の駅についたとアナウンスが流れたので電車から降り、階段を登り改札に向かう。定期をかざし改札を抜けると太陽の光が目に入る。眩しいと思いながらも前を歩く同じ制服の後をつける。

 周りから見ればストーカーに見えるかもしれないがこれはもう仕方がない。言ってしまえば通学路だから後ろをついて歩いてもまったくおかしくもない。しかも、前を歩いてる人が女性だったりするとアウトだろうけど普通の男。これで文句ストーカー呼ばわりされたらやばいけど、大丈夫だろう。

 一応、今度から一人でも迷わずに来れるように地形を把握する。町並みは普通。どちらかと言えば都会より。

 道場や魔法塾、総合格闘技みたいな場所が多い感じだ。やはりこの世界はおかしい。おかしい。どう考えても普通の世界じゃない。周りにいる人の感じ的にそういう世界なんではと思っていたけど。

 生徒数が増えてきた。少し先を見てみるとなかなかでかい校舎っぽいのが見える。とてもでかい。少し遠くにビルがあったりするのにそれに負けず劣らずの大きさ。どこのマンモス高校だよ・・・。よく見れば空飛んで学校に行ってる人もいる。あっパンツ見えた。

 でかい大通りにでた瞬間、人が滅茶苦茶いた。もう田舎の人間感覚で言うと祭りでもやってるんじゃないかってくらい人がいる。ほぇ~と思ってたら浮いてしまいそうだから動揺を隠しつつ学校へ向かう。

 周りに目を向けてもやっぱり格闘家と魔法使いばかり。同じ制服を着ているのだろうけど、服が張っていたり筋肉の塊だろうみたいな人のせいで自分がひ弱に見えすぎて辛い。

 独眼竜みたいな人。男なのにポニテの男。身長2m超えるくらいの女。世紀末にいそうな人。怖すぎない?いや取って食われるだろこれ。何かのはずみでトラブルが起きたらとらぶるになってしまって。キャーッ!からの右ストレートが飛んできて人生が終わってしまいそうだ。

 ビクビクしながら少し歩くと門が見えてきた。生徒会なのか風紀委員なのかわからないけど立っている。先生と一緒に立っている。何をしているんだろう。持ち物検査?それともあいさつ運動?そんな感じならいいんだけどなぁ。


 「「「おはようございます。今日も一日頑張りましょう!」」」


 一斉に頭を下げあいさつをしていく人たち。


 「おい、そこ!だらしないぞ!」


 チャラチャラしてる生徒に対して注意をする身長3mある化物・・・いや先生。体育会系というレベルを軽く超越してる。


 「貴様!なんだそのだらしない歩きは!シャキッとしろ!」


 普通貴様なんて言葉使いますか?って話ですよね。もうちょっと優しく言ってあげればその生徒もシャキッとしなければ!的な意識が芽生えてこれからの人生に繋がると思うんだよね。


 「無視するとはいい度胸だ。そういう反抗的なのは嫌いじゃないが、まぁ仕方ないだろう」


 突然の痛みにハッとする。普通に歩いているはずなのにダメージを食らうなんて、毒沼に入った覚えはないが。痛みの原因となる殴られたであろう右肩を見つつ目線を上げると、女がいた。

 見る人から見てみれば美人何じゃないかってイメージ。もしかして自分は殴られたのかこの女に!なんて世界だ。まさかと思うが気だるげに歩いてる人に対してしっかりと歩けという意味合いも込めて殴りを発動するなんて、とんだ世紀末じゃねーか!


  えっと・・・なんですか?いや何ですかと聞くのは間違えていますね。こちらが話を聞いていなかったことが原因だということはわかっています。だけど、それで殴るのはおかしくないですか?


 なんて聞けるわけもない。何故かって?そりゃ変に口答えしてもまた反感をもらってしまうし、それ以前に驚きで声がでない。こんな時に特殊能力テレパシーでも持っていればこの思い届け!と言わんばかりに伝えてやるのに生憎持ち合わせがない。悲しいね。



 「なんだその驚きの目は。人の話をしっかり聞いてない貴様が悪い。しっかりと反省しろ」


 よくわかんない言い分を受けた気がする。会話ができているとかいうレベルじゃない。向こうの言葉は伝わるけど、こちらの言葉は伝えれない。恐怖政治かな?

 やはりこの世界は力で支配されていると認識して間違いはないようだ。実際周りに目を向けてみると叩かれたり蹴られたりして背筋を伸ばしたり、服装の乱れを注意されている生徒がちらほら目につく。中には反抗している人もいるが後ろから注意している連中の仲間が寄ってくるせいで思ったように反抗できていないようだ。

 ふと目につく赤い生地に白い枠でその中に黒い文字。女の腕も見てみると生徒会と書かれている腕章をつけている。目を凝らして周りを見てみたら風紀委員とか生徒会の腕章をつけた連中ばかりだ。ちなみに風紀隕は緑の生地に金色の枠で白い文字で書かれている。

 予想通りそういう組織だったか。そう考えると学校の権力的には生徒会と風紀委員が上層部にいると考えて間違えはないはずだ。


 「わ、わかりました。今度からしっかりします」


 そう言ってこの場を抜けるための言葉を並べる。生徒会の女は満足したようにウンウンとうなずく。

 足早にその場を立ち去ろうとすると


 「うわぁーーー!」


 目の前に男が飛んできた。土煙を起こしながら。ハプニング多すぎるんだよ。顔から血を流し制服をボロボロにした男だ。これがギャルゲーだったら女子の下着が見えてー。とかあるんだろうけど野郎に興味はない。


 「弱いくせに反抗するからいけない。しっかりとトレーニングはしているのか?それでその様だったらいい笑いものだ」


 そう言いながら近づいてくる褐色男子。髪の毛は短めに切りそろえ、スポーツマンという印象が強い。顔にタトゥーが入っているように見えるのは多分気のせい。痣か何かだろう。どう考えなくてもやばい人種だ。


 「く、くそぉ・・・!やりすぎじゃねーのかよ!!すぐ手を出しやがって!こっちは近接戦闘は無理だって服の色みりゃわかんだろ!!」


 服の色?よくわからない単語が出た。男二人を見比べてみると胸ポケット上部分の色が違う。褐色男子が赤。ボロボロ系男子が青。赤が近接で青が遠距離というかなんというかって感じなのかな?自分は何色だろうと気になり見てみると黄色。よくわかんね。


 「ふん。知ったことではないね。生活態度が悪いのは心の乱れ。言ってもわからない奴には手も上げる。それが風紀委員のモットーなんだよね」


 こいつやばい人種だわ。風紀委員のモットーもやばいけど褐色肌だったりで明らかにやばい見た目なのに丁寧口調とかやばいやつの特徴じゃねーか!関わるのはやめておこう。早めにここから撤退しないとやばい。巻き込まれたらやられる!骨持っていかれる!


 「何が風紀委員だ!調子に乗りやがって!こっちもやってやるよ。ぶっ殺してやる!【魔法(マジック)】【フレイムショット】!!」


 男の手が突然明るく輝きだし、熱が集まっていく感じがする。頭のどこかがチリチリする。

 次の瞬間、男はその炎らしき塊の男に放った。弾速はあまり早くない。


 「へへっ!当たればひとたまりもないだろっ!燃えろ!!!!」


 炎を放った男はニヤリと笑い。勝利を確信しているようだ。なにこいつ強いのかな?そんな感じがする。だが


 「はぁ・・・これだから弱者はだめなんですよ。鍛えればこれくらい」


 そういって褐色男子はなにかつぶやいて炎を弾き返した。しかも前より弾速が早くなって打った奴に跳ね返っていく。


 「え?う、うわうわうわぁ!!!」


 そのまま炎に包まれて燃える男。やばくない?燃えてるよ?火葬はじまっちゃってるよ?どうすればいいの?そんなことを考えてると


 「【魔法(マジック)】【アクアレイン】」


 燃えてる男に対して水がかかる。集中ゲリラ豪雨みたいになってる。自分もちょっと濡れちゃったよ。タオル貸してくれるのかな?


 「まったく。篠崎くん!だめだよ燃やしちゃ!」


 ぷんぷん!私は怒ってますよみたいな感じの声とともに三編の黒髪で可愛らしい女性が近づいてくる。


 「いやいや~、私は何もしてないんですけどね。そこの男が魔法使ってきたからちょっとね?」


 褐色男子。篠崎くんと呼ばれた男はニコッとして返答する。


 「それでもです!まったくもう・・・。救護班呼んでください。早く治療してあげて」


 女性の近くに控えていた風紀委員の男子生徒に声をかける。男子生徒は手を耳に当てる。少ししたら救護班がくると言っていたのでテレパシーに的ななにかを使えるみたいだ。ちなみに女性もその男子も青色だ。


 「まぁこれに凝りたらこの生徒も反抗する態度はとらなくなるでしょう」


 ニコニコしながら話している篠崎くん。篠崎くんこわいよぉ!平気な顔しやがって・・・こいつなんてやつだ。こんな奴らと関わってる場合じゃないと思い自分は足早にそこを離れ、下駄箱に向かう。


 「はぁ・・・自分の教室もわからないのにそんな問題が軽くなっちまったよ」


 いやーまったく怖い世界に来てしまったものだ。

 

頑張ります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ