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Run away! 2

数と手

作者: 貴幸

二で割るすら混乱する高校生。









最近弟がよく学校を休む。

そして何処かへでかける。


最近弟がよく誰かと電話している。

その単語の中にアカラギと聞こえた事があったのは気のせいだろうか。



「秋人。」



「…んだよ。」



俺が話しかけるとこんなにも機嫌が悪いのに。



「…彼女でもできた?」



「ちっげーよクズ!俺出かけてくるから!!」



そういって家をでていった。

あんなにたくさん荷物を持って何処に行くのだろう。



ファッキュー!!ファッキュー!!ファッキュー!!ファッキュー!!



「ん。」



着信音がなった。

この着信音はカナだ。



『ヒロキくんの勉強教えに行くんですけどハルトさんも来ませんか( ゜Д゜)???』



「め…ん…ど…くさ…いっ。」



すぐに返信がくる。

魔術師か何かだろうか。



『ユウトもケーキもありますよ(´⊙д⊙屮)屮』



こいつの顔文字のセンスはなんなんだろうか。



ケーキか…



『やっぱ行く。』









「なんっでお前がいるんだよ!!!!!!!!!」



カナと共にアカラギの家にいくとアキトがいた。

…なんでいるんだよ。



「ヒロキ、お前こいつと知り合いなの?」



「いや…アカラギとは多分知り合いなんだと思う。」



知り合いというか…

アカラギに目をやると前の時みたいにニコニコはしてなかった。

むしろ負のオーラに満ちているというか…



「チッ」



「あ、ヒロキくん、私の友達なの。頭が良くてね!」



カナがフォローする。

別に友達じゃない。

アキトはこっちをまだ睨みつけている。

他にユウト、トキヒト、ユキもいる。

なんでこんな集まっているんだ。

せまい。



「なんか、すみませんあの、俺の為に集まっていただいて…」



「いいのいいの!私とユウトしか呼ばれてなかったけどほら、私とユウトバカだから!」



カナは笑顔だ。

笑顔で言う事じゃない。



「ちょ、この前俺数学のテストお前より上だったし!」



「いっつも私の方が二点くらい勝ってるから!!!全部合わせたら十点くらい上だから!!!」



「なんで合わせる必要があるんだよ!!俺なんてこの前五十点超えたし!!!なめんじゃねぇぞ!?」



「ご、五十点!?五十点なんていったの!?」



……なんて低レベル。

低レベルの争いの中アキトとユキがヒロキに教えはじめる。

この為に自分の参考書を持ってきたのか。

…こいつって友達に優しくする人間だったんだな。



「ヒロキに手だしたら許さないからな…」



アカラギは何を言っているんだろう。



「て、手はだしませんよ!!」



…トキヒトは何を言っているんだろう。



「手はってお前まさか下半身は出すとか言い出すんじゃねぇだろうな!!」



「下半身は好きな人にしかだしません!!!」



「トキヒトうるせぇ!!!!」



ユキが叫ぶ。

顔を真っ赤にしている。

あぁ…

察した。



「だからその好きな人がヒロキだったらどうするんだこの」



「アカラギうるせぇーっ!!!!」



ヒロキもさけぶ。

…本当に騒がしい。



「ハルト、ここってどうやるんだっけ…」



ユキが聞いてきた。

ユキの頼みは聞く気になるのは何故だろうか。

問題を見る。

…懐かしい。



「アキトわかんねぇの。」



「う、うるさい!お前とは三年違うんだよ!」



「でもここは習っ「いいからさっさとやれ!!」



公式を書く。

勉強したいなんて言うのはえらいな。

…ヒロキって全く面識なくて正直誰状態だったけど。



「はい。」



「おぉ〜…」



「ハルトさん…なんでサボリ魔なのにこんなわかるんですか…」



カナが震えながらこっちを見てきた。



「生まれもった才能の違い。」



「私に脳みそ5%わけてくださいよ〜」



「ハルト…俺にも右脳だけで良いからくれない?」



ユウトも加わる。

バカ二人め。



「お前ら二人合わせて二で割っとけ。」



「二人で数学のテスト80点かあ…」



「二で割れって言ってるだろ…」



二人で一斉に計算し始める。

いや…一瞬ででるだろそれくらい…



「あ、わかりました!160…え!?160点!?神の領域じゃないですか!?」



「割れっていってるだろ誰がかけれって言ったんだよ」



こいつらの頭の悪さが神の領域だ。

ユウトが神が降臨したとでも言うかのように目を見開く。



「わかった!五分の四点だろ!え!?ご、五分の四点って何点…だろう…」



「なんで百分の八十を約分したらいけると思ったんだよ八十点だよ」



相手してる方が疲れてきた。



「ふふ…ハルトさん、僕にはわかりますよ…」



何故かトキヒトも入ってきた。



「ズバリ!!四十点!!!!!」



「そんなドヤ顔で言う事じゃねぇから」



「よ、四十点……!?」



「なっ……四十点ってお前…四十点ってお前…!!!」



「い、いつもどうりだ…」



もうこいつらの茶番に付き合う気にもなれない。

アカラギが冷たい目でこっちを見ている。

ああ、そうだよこうゆう奴らなんだよ。

…騒がしくて飽きないやつらなんだよ。









「あの、今日はありがとうございました。」



ヒロキが軽く頭を下げる。



「楽しかったからまたくるね〜」



いや、正直ユキとアキトだけで十分だよ。



「ヒロキ、またくるから。」



「うん、じゃあね、アキト。」



弟が楽しそうに笑ってる。

…俺には見せない笑顔。

それで、いい。



「ハルト、帰ろう。」



アキトが言ってくる。

カナの方をみると手をふっていた。

アキトと二人で帰っていたら隙をついて殺してこようとするんだけどな…。

俺はカナに手を振り替えした。



「彼女と仲いいよな、他の男と帰らせていいの?」



「彼女じゃないしユウトはカナの事好きだよ。」



「えぇっ、三角関係っ…」



俺を勝手に巻き込むなよ

手が届きそうな距離だ。

昔は手つないだっけ。



「…荷物、持つ?」



手を差し伸べる。

声が聞こえてなかったのか、その手に手をのせられた。




「荷物持つかって聞いたんだけど。」



「えっ!?あっ!も、持てよ!」



小さい頃のクセみたいなものなのかな。

荷物の入ったショルダーバッグを肩にかける。



「手、あいてるよ。」



意地悪らしく、言ってみる。



「うるさい!わかんないけど自然とでたんだよ!悪かったな!!」



手をつかんだ。



「結局手繋ぐのかよ…」



「俺もう子どもじゃないんだけど…」



「恥ずかしいんだけど…」



言うだけ言って、何も言わなくなった。



「兄ちゃん…」



ぼーっとしていて聞こえなかった。



「え?」



アキトはまゆをひくひくさせている。



「何でもない!バーカクソ兄貴!」



「生意気な奴め。」


懐かしいような、そんな気持ちに笑顔がこぼれたのだった。

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