佐久間雄介
『何故、こうなったのだろうか…』佐久間雄介は薄暗い地下室に捕らえられていた。佐久間は捕まるまでの行動を思い返してみることにした。
__確か昨日は…ミライと仕事をして、帰ったのは22時を過ぎた頃。それから報告書をまとめ、寝たのは夜中の2時過ぎだったか。起きた時にはこの状態だったな…それにしても眠い。
「ふん。目が覚めたか」「…誰だお前。2時間もほったらかしにしといてなに云ってる」目の前に立ってる人間は腕時計を見た「正解だ。連れてきてから2時間経つ」正解とかあるのか?俺は2時間前に目覚めたんだ。連れてきてから2時間経つということは…もう少し早く起きていればここに居ることもなかっただろう。「お前は公社の社長だな」「違う」「公社の人間だろ、お前」「公社の人間だからって俺が社長とは限らない」「……」気付かなかったのかそれとも知らないのかどちらにせよ馬鹿な奴だ。「社長は誰だ」威圧するような声に変わった。「知らない。俺も最近公社に入ったばかりだ」「そうか…ならばお前に用は無い」奴はそう言い残して部屋を出て行った。「用が無いならさっさと帰せよ…」佐久間は舌打ちを数回した。