有馬草太
有馬福祉公社の一室で有馬草太は考えていた。『彼女たちの寿命を長くする方法を』「さっぱり思いつかん」有馬草太は技術部に相談することにした。「どこ行くんですか?」「技術部、用があるんだ」「なら、私も行きます」「公社の外へ行くわけじゃない。着いてこなくていい」「いえ、私もこれが完成したので、柚木さんに届けるんです」ミクが出したのはパズルだった。「枠はどうした」「枠ですか?預かってません」「預かる?」「はい、柚木さんがこのパズルを完成させてくれと頼んできたので…」そういうことか、呆れた奴だ。「柚木を連れてきた方がいい。持って行く途中で崩す可能性がある」「そうですね、柚木さんに云ってもらえますか?」「分かった。柚木に伝えとくよ」
__技術部__
いつ来ても薬品の匂いがするな。ガチャ「今休憩中か?」「こんにちは、有馬さん」「やあ。柚木、ミクがパズルを完成させたよ」「本当ですか?それなら持ってくれば…」「ああ、枠がないから持ってこれないぞ」「え…枠を渡すのを忘れてました。相馬さん、少し出てきますね」柚木は忘れっぽい奴だ。「相馬?」「ん…有馬か。どうした」「寝てるところ悪いな。《義》の寿命を長くする方法はないかと思ってな」「前にも云った通り、薬をあまり使わない事だ」「それでは駄目なんだ。彼女たちは《義》になるときには必ず薬を使う。他にも怪我をしたときも…」「お前は佐久間のような考えを持ったほうがいいと思うぞ」佐久間雄介は《義》を道具のようにしか扱わない。「俺は奴みたいになるのはゴメンだ!」有馬は技術部を飛び出した。