RE:サプライズと言うなの
『http://ncode.syosetu.com/n1263bo/』こちらの小説のお返事になります。感謝の気持ちを込めて、遅れましたが上げさせていただきます。許可はとっております。
以下引用。コメディーというか、楽しく過ごす住人たちって感じです。
モデルはいますが、内容はフィクションです。
私は女の子が好きである。
いきなりなんだと思うかもしれないけど、兎に角好きなものは好きなのだ。
というか、可愛いものが好き?
あ、別に恋愛感情じゃないよ。念のため言っとくけど、私の好きは親愛って意味。
後輩も同級生もぬいぐるみもみんな可愛くて大好きだ。もちろん、格好良いものが嫌いなわけじゃなくて、むしろ自分は格好良くありたいとさえ思う。
大切な人を守りたいから。
なんて、恥ずかしいセリフが簡単にでてくるのは私の頭の中がお花畑なせいだろう。
ものや人、会話や状況でいつでも妄想出来る私は、よくこの後何かあるんじゃないかななんてくだらない期待や予想をする。まぁ大抵当たらないけど、そんなもんだから少しつまらない。期待しすぎてつまらないのだ。何か面白いものはないものか。
けど、私は毎日が面白いのだから、いつ何時でも楽しくなくちゃなんて我儘は言えない。そう、彼女たちのおかげで私の人生は一変した。
秋兄、夏兄、そして冬姉。血は繋がってないけどみんな仲良しの同居人である。この三人との毎日は凄く楽しくて面白くて、疲れていた私の心を癒してくれたのだ。本当に、あそこに行って良かった。まだ一年も経ってないのにずっと一緒にいたような錯覚さえ起こしてしまう。
特に冬姉とは女同士ということもあって、色々相談に乗ってもらったり励ましてもらったりいつも助けられている。一番辛かった時も、冬姉がいたから乗り越えられた。まあ、結局あのルーズリーフに殴り書いた痛みは渡せなかったのだけれど。
「春ー! おはよ、何ぼーっとしてるの」
「おお、びっくり。おはよう藍」
「全く、まぁ今日でテスト最終日だから気が抜けちゃうのも分かるけどさ」
そう、私は今学年末テストを受けに遥々学校まで来ていたのだ。秋兄は高三だからもう卒業しちゃって学校ないし、高ニの冬姉や夏兄もそれぞれ学校は違うのに県全体で受験休みらしく家にいる。そんな中私だけは他県でしかも私立だから学校へ行かねばならないというわけだ。
しかし四日間続いたテストも、今日で最後。嬉しいような、でもその後にある答案返却のことを考えると気が重いような。まあ残ってるのは得意な理数だけだし、頑張ろう。
私の思考は一瞬にしてテストのことだけになってしまった。後にこれが、私の最大の失態となるとも知らずに。
テストは無事終わりの鐘を告げた。手応えはまあまあだ。もともと勉強は嫌いじゃないし、成績だって良い方。ただ、少しだけ心配なことがある。
「うわぁ、英語返ってくるじゃん」
私は返却の時間割を見て絶句した。そう、英語だけはダメなのだ。
間も無く自分の手元に英語の答案用紙が戻ってきた。沢山の赤チェックを引っ提げて。
結果は赤点にならなかったものの散々だ。追試から免れただけ良しとすべきか。
その後もどんどん返却されて、受けた教科のうち半分は戻ってきてしまった。英語以外は、まぁまぁというところかな。
私は一つ溜息を吐いた。
「春ー、どうだった?」
同じく疲れた様子の藍が私の席にやってきた。私は首を横振って笑って見せた。
「ですよねー、まぁこれで終わりなわけだしやっと一息つけるってとこだね。ってな訳で、今日どっかよって帰らない?」
今日か….…家に冬姉達がいるから早く帰りたい気もするけど、藍ともクラス別れちゃったら遊べないかもしれないし、少しだけならいっかな。
「うん! ご飯でも食べて帰ろっか」
結局私は藍との話に花が咲いて、変えるのはもう日が沈んでからとなってしまった。
「ただいま……」
私は家に帰ると取り敢えず手洗いうがいと着替えだけ済ませてそのままベッドに倒れこんだ。
テストで疲れていたにもかかわらず散々遊んで帰ってきたのだから仕方が無い。そのまま私は眠ってしまったようだ。
不意に視線を感じて懸命に瞼を動かすと、そこには見慣れた顔があった。
「冬……姉?」
「おはよ、今から夕飯だけど」
「あ、ごめんなさい。お手伝いしてな」
慌てて布団から這い出すとそれを冬姉が制しながら笑ってみせた。
「いいよいいよ、疲れてたんでしょ。部屋覗いたらベッドに倒れてるんだもん驚いたよ」
「あ、じゃあ冬姉が布団かけてくれたんだ……ありがとう!」
「いやいや、春ちゃんは僕の妹みたいなものだからね、風邪引いたら大変だもん」
本当に、冬姉はこういうところしっかりしている。日頃から冬姉には感謝しっぱなしだよ。
「じゃ、待ってるからね」
「うん! すぐ行くよ」
私は髪と服を整えてダイニングへ向かった。
そして翌。
「春ちゃーん。お誕生日おめでとう! 大好きー」
そこにはいつの間に準備したのか誕生日会のセットが用意されていた。
そうだった、今日は私の誕生日だ。すっかり忘れていた分、驚きやら戸惑いやら嬉しさやらでいっぱいになってしまう。
全く、どうしてこういう大事なとここそ先回りして予想できないものかな。これじゃ何にも気の利いたこと言えないよ。私のバカ。
「ありがとー私も冬姉好き!」
こんな単純な言葉でしか感動を伝えられないなんて……でも、これが一番素直な気持ちなのかもしれない。装飾されていない思ったままの気持ち。
ダメだ、色々嬉しすぎて泣きそう。
私は思わず冬姉に抱きついた。冬姉は嫌な顔せず受け入れてくれる。
「まじ眼福」
夏兄が何か言っているがそんなの気にしない。だって、嬉しいんだもの!
「春ー、おめでとー」
「春ちゃん、おめでとう」
ありがとう、冬姉、夏兄、秋兄、みんな大好きだよ。
私は最後の仕上げだけでもと、
色々手伝った。
ケーキ上のローソクに火が灯る。涙で滲みそうな視界を、さり気なく拭い誤魔化した。
「ハッピーバースデー、春ちゃん!」
子どもの頃のように誕生日の歌ってくれ、私もなんだか、恥ずかしいやら嬉しいやら。
火を消す。部屋が暗くなる。
ダメだ、本当に泣きそう。
みんながそれぞれにプレゼントを渡してくれた。精一杯のありがとうという気持ちを言葉に乗せる。
冬姉はなんと小説をくれたのだ。私だけに綴られた文字、それだけで嬉しくてたまらない。
読む。視界の端で冬姉が照れているのがわかった。全く可愛いんだから。
内容は冬姉らしい素敵で暖かくてほっとする話だった。
私は顔をあげ冬姉を見た。悔しいな、もう。はるちゃん完敗です。
でもね、見てなよ….…。
私は冬姉にも驚きと喜びをプレゼントしたいんだ。お返しじゃなくて、やり返しだよ? 覚悟してて。
想像も予想も出来ないこと、考えて見せる。
「お誕生日おめでとう」
読んでいただきありがとうございます。
なかなかうまくまとめられなくて、でも思いは伝えたい。だから書きました。
評価なんていりません。ただ、なかなか素直になれない私の思いを代弁してもらったのです。
伝わったかな? うまく言えなくてごめん。
では、また。
2013年 3月22日 春風 優華