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雨が好き  作者: アズキ


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第15話「帰り道」

今日も学校はつまらない。

授業がつまらないというわけじゃないが、この空間にいること自体が苦痛になっているからしょうがないものだった。


向けられているような視線にはいつも耐えていたが、最近はレイとの出会いのおかげで、前よりもかなり耐えられるようになって来ている気がしていた。


だが、なんだろう。

今日はなぜか違和感を感じる。

視線がいつもよりも多い気がして仕方がない。


少し耳をすまして見る。

いつもならこんなこと絶対にしないのに、今日は周りが気になりすぎてそうするしか無かった。


そうすると…

「雨野サイテー」

「アイツ、マジかよw」

「普通にクズすぎない?」


名指しで悪口を言われていた。

名指しじゃなくても、完全にこちらを見ながら話している。

絶対に自分のことだと思った。


雨野の視線は平野夏乃子ひらのかのこという女子に向いた。

高2の時に、雨野の恋愛に割り込んできた女子だ。

彼女の方を見ると、見られたことに気がついて、口元がニヤッと笑ったのを確認した。


その瞬間、分かった。

あの不祥事をみんなにバラしたんだということを。


そして聞こえてくる話し声の中に

「あんなのと付き合ってる女の子の方が可哀想。」

なんて話し声も聞こえてきた。


その時、さらに分かった気がする。

どこかで、雨野とレイが一緒にいるところを見られてしまったのだと。

そして、平野はその光景を許すことができなくなり、雨野のことを悪者にしようとしてきたに違いない。


この際、誰が見ていたとか、広めたとか、そんなことはどうでも良かった。

色んな考えは出てきた。

誰が絡んでいるとか、その過程でレイを疑いそうになってしまったのだが、それは自分が許さなかったのだ。


クラスではみ出し物ではあったが、ここまで酷くは無かった。

なんで放っておいてくれないのだろう。

怒りと悲しみがフツフツと湧き上がってしまい、教室にいることができなくなってしまった。


教室の扉から廊下に出た時、その近くにいた平野がボソッと…

「アンタが悪いんじゃん。」

そう言ったのが聞こえた。


外へ出て、自転車に跨り、走り出す。

これまでにないぐらいのスピードで。


走って、走って、走って、あの公園に着いた。


もちろんこの時間にレイはいない。

1人でベンチに座ってみる。

周りに人はいない。


頭の上に、少し冷たいものが触った気がした。

上を見上げると、大粒の雨が降り始め出したのだ。


雨具を着ようか、折り畳み傘をさそうかとも思ったが、そんな気になれず、気がついた時には…


雨の中1人、訳もなく踊っていたのだ。

レイが出会った時にしていたいように。

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