第14話「雷雨」
家に着いて、玄関を開けようとした時、世界が一瞬だけ明るくなった。
でも決して雰囲気のいい明るさではないことは分かる。
そして、それの後に来るものも知っていた。
耳をつんざくような轟音。
そして、勢いよく降ってくる雨。
レイは自分と出会ってなければ、この雷雨の中でも踊っていたのだろうか。
そんなことを思いながら家の中に入った。
「ただいま。」
「大丈夫?外雨だったけど、濡れなかった?」
「大丈夫だよ。家に着いた時に降ってきただけだから。」
母が心配してくれた。
自分の部屋に駆け上がり、窓から外の景色を見てみる。
雨の強さは、いつもよりも強くて、雷を連れてきた。
なんだろう。
レイと出会った時の雨とはなんだか違う気がする。
嬉しさとか、喜びを満たしてくれるような雨じゃない気がするのだ。
まるで不吉な前触れを自分に伝えてくれているかのような。
レイに何かあったのではないかと思い、携帯で連絡をしてみる。
『雷すごいけど、そっちは大丈夫?』
返信はすぐに来た。
『大丈夫だよ。停電とかもなくて安心してる。フウちゃんの方が心配だよ。帰ってる途中に雷鳴らなくて良かった。』
何ともなさそうだと少し安心した。
この不吉な予感が的中しないで欲しいと思っている。
窓は雨のせいで曇っているが、今日は何も書く気にはなれない。
書くなら、雨の日がいい。雷雨の日ではない。
相合傘を書きたいのは雨の日。
雷が止んでくれないかと願ってみるが、今日は止む気配がない。
本当に何も無ければいいな。




