1話.最弱の神
万象を統べ、あまねく世界を支配する最果ての地――『ゴッド・ティラニー』。
選ばれし強者だけが許されるこの世界の「神」という座。
その一角に、俺はいる。
笑えない冗談だ。
最強の世界を統べる俺が、その実、神々の序列において「最弱」だなんて。
「アキシオン様!学校に行かないと遅刻しちゃいますよ!」
こいつはリズモンドだ。『セルスティア』にも勤めてる幼なじみだ。セルスティアとは神である俺を護衛するための天使である。
「今日は行かない…帰ってくれ…神の命令だ…」
「そんなことに神の座を利用しないでくださいよ…神様なんだから勉強して頭良くならないと困るのはアキシオン様なんですからね」
そうして俺は嫌々ながらもリズモンドのせいで今日も神天学園に行くことになった。
「アキシオン様!おはようなのです!今日は眠そうなのです!頑張るのです!」
こいつはマリン、11歳ながらもリズモンドと同じくセルスティアだ。
「マリンは相変わらず元気だな。何をしたらそんな元気でいられるのやら…」
「何でそんな学校嫌なのですか?そんなつまらない勉強ではないと思われますよ。基礎勉強と世界、自分たちの使命のことを学習していますよ?私はアキシオン様は楽しそうに授業を受けてるように見えるのですが…」
こいつもセルスティアの1人、シルヴァ。運動神経がずば抜けてる。セルスティアだとして上位の運動神経だ。
「ちげーよアホ、俺以外全員女子じやん。話し合うやつがいねぇんだよ」
この学校は俺、神とセルスティア専門学校なせいで全クラス年齢バラバラな女子しかいない。
「はぁ?私たちがそんなに嫌っていうの?アキシ様のバーカ」
こいつはフランマ。年下の割に礼儀知らずの口の悪さだ。その割に俺より頭がいいという現実だ。そもそも神のくせに頭が悪い俺がどうにかしなきゃいけないのかもしれない。
「神になんて口の利き方なんだよ。俺が言えばお前なんてすぐ消えてしまうんだからな。」
「はぁ?なんですって?アキシ様の護衛は少なくなってるんですよ?!そんな簡単にセルスティアを消す訳にはいかないんですよ。勉強し直してくださいー」
クソが…なんだこいつほんとに俺が神なこと理解してんのか…?
「ふん、そんなアキシ様に私がクッキーを焼いてきたのよ。食べなさいよね。」
「何だ急に…お前も案外可愛いとこ…」
「ちっちがうんだからっ!ママに作ったクッキーで失敗したやつをあんたにあげてるわけ。感じがいしないでくれない?このバカ」
やれやれ、素直になればいいのに。こんな綺麗なやつが失敗なわけがないじゃないか。あとセルスティアに親なんて…
「そろそろホームルーム始ましますよ、アキシオン様」
「はいはい、リズモンドはうるさいなぁ」
ーーーこれは、最弱の神、俺が最高の運命にたどり着くまでの愛と別れの物語だ。




