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プロローグ
この物語は、寿命が見えた能力により孤独を感じている加奈が、寿命が一年しかない幸助に不幸ながら恋をしてしまう。そんな物語です。彼との出会いが、加奈にどのような心境の変化を与えるのか…
私は、人の寿命が見える。
ものごころついたときから、当たり前みたいにそこにあった。
他の誰にも見えない“数字”が、私の世界だけに無遠慮に突き刺さっていた。
この能力を持っているのは、私の知る限り、私ひとり。
味方もいない。代わってくれる人もいない。
だから私は、いつも孤独だった。
——そして、その孤独はある日、最悪の形で突きつけられた。
私の最愛の親友の寿命が、目に見えて減っていったとき。
私だけが知っていて、私だけが怯えて、私だけが終わりに向かって泣いていた。
けれど、誰にも言えない。
誰も信じてくれない。
いや、信じたくないのだ。人は、大切な人の死なんて“最後の瞬間まで”直視しようとしない。
みんなが希望を語る中で、私だけが地獄の真ん中に取り残された。
小さな手を握りながら、ただひとりで絶望に沈んでいった。
——だから私は、この能力が嫌いだ。




