叡山焼き打ちを止めたい
「とにかく、いい。あんたは私の婚約者候補なんだから、明日から帝王学学んでもらうからね」
言いたいことを言うと理沙はさっさとと行ってしまいました。。
なんと強引な。というか帝王学って。これでもわしは小谷城城主で江北の国主なのだが。
「あ~あっ、お嬢様ったらむきになっちゃって」
「翔太殿」
「まあ、お嬢様が飽きるまで付き合ってやれば、それに嫌なら逃げちゃえば」
「逃げる?そうだな。逃げるというのは本意ではないが、こうして松風とも巡り合えたことだしな」
「、、、、」
しかし、どこへ行けばいいのだ。葉子殿のあの様子じゃまた、やっかいになることもできそうにないし。
「どうかした?」
「いや、行く当てがない」
「いや、奥さまのところへ戻ればいいんじゃねえ」
「わしだって市の元へ戻れるならそうしたい」
「なに?喧嘩でもしてんの?」
「そうではない。実はな。わしはそなたらの言う戦国時代という時代からこの未来に来たようなのだ」
「へっ?」
翔太は胡乱な顔をして後ずさりました。
「そんな、残念な者を見るような顔をしないでくれ。わしだっていまだに信じられんのだ」
長政はこれまでのいきさつを話しました。
「そんな、小説や漫画みたいなこと」
「うん、信じられんが本当のことだ」
「ちょっと待って。俺だって、多少の歴史の知識はあるんだ。浅井長政って確か織田信長に滅ぼされた戦国大名だろ。そんな世界にかえりたって?」
「そうだ。市や子どもたち、まだ見ぬ子どもにも会いたい。それにだな。わしは昨日、でぃーぶいでぃーというもので、芝居を見たのだが。野村、いや、この世界では姉川の戦いというのだな。そこで敗れたわしと朝倉義景殿は叡山を頼ることになるようなのだ。その結果、信長は叡山の僧兵ばかりかそこにいた老若男女、ことごとく殺戮するらしい」
「それで?」
「叡山の生臭坊主どもはともかく、無辜の民までも犠牲になると知ってはほってはおけぬ。知ってしまった以上、浅井家の当主とではなく、男として、それを止めたいと思ったのだ」




