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浅井長政がやってきた  作者: 杉勝啓


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12/21

長政 ホストになる

「ただいま」

「あ、かあちゃんおかえり」

「おなかすいたでしよ。すぐ支度するから」

「今日は何?」

「カレライスよ」

「やった〜」

「か。.かれーらい、すとはなんじゃ」

「ああ、おじちゃんたちの時代にカレーライスなんかないか」

「何、変なこと言ってるのよ」

「あ、まあ、かあちゃん、聞いて、かあちゃんはおじちゃんたちのことをコスプレしてる変な人たちだって言ってたけど。おかしいと思わなかった?」

「どういうこと?」

「大人のくせにものを知らなすぎると思わなかった。だからといってバカじゃない。それで、おじちゃんの名前を浅井長政って聞いて、仮説をたてたんだ。おじちゃんは戦国大名の浅井長政って人で、戦国時代からこの時代にやってきたんじゃないかって?」

「え、え、そんな漫画や小説みたいなこと、あ、でも、そう考えればトンチンカンなことをやったり、言っていたこともわかるわね」

「だろ」

「へえ、あんた、偉そうだと思ってたけど、本当にお殿様だったのね」

「わかってくれたか。それでな葉子殿」

「な、何?改まって」

「わしは元の世界に戻りたいと思っているが、方法がわからん」

「まあ、そうでしょうね」

「だから、この時代のことを学ぼうと思う。いつまでも葉子殿に世話になっているのも心苦しいし」

「だから、何?」

「昨日の龍二とやらの店でわしと爺の二人、働かせてもらえるように口を聞いてくれまいか」

「え、おじちゃん、本気?龍二さんの店って、どんな店かわかっているの?」

「いや、知らんが、とにかく、元の世界に戻れぬ以上、その方法が見つかるまでこの世界で生きてゆかねばならぬだろう」

「うーん、そうねえ、あんたはともかく、そっちのおじいちゃんはねえ」

「まあ、いいわ、食べたら、龍二の店へ連れていってあげる」

「かたじけない」


葉子が作ったカレーライスが食卓に並べられました。

長政と直経は恐る恐る口に運びました。

「辛い」

「辛いが美味い」

「そう、よかったわ。じゃあ、一服したら行きましょうか」

「かあちゃん、本当に龍二さんの所に連れて行くの?」

「まあ、私も同じ龍二の店で働いてるのだから大丈夫でしょ」


龍二はホストクラブやキャバレーなどをはば広く経営している男でした。ホストクラブの応接室に葉子、長政、直経は通されました。

「お待たせ、この店で働きたいって?」

「ええ、じゃあ、私はキャバレーの方へ行くから」

「おう、しっかり稼ぎなよ」

「あ、葉子殿」

「あとは龍二と話して、私はこれから仕事」

そういうと葉子はさっさと出て行ってしまいました。


「え、っと浅井長政さんと遠藤直経さん、変わった名前だね」

「そうかな」

「まあ、長政さんはルックスもいいし、早速、店に出てもらおうか。おじいちゃんの方は裏方に回ってもらうから」

「あ、おじいちゃんを案内してあげて」

近くにいた従業員に声をかけました。直経はその従業員に連れてゆかれました。

「あ、爺、、」

「まあ、長政さん、あそこに、ここの店の貸し衣装があるから着替えて」

他の従業員に連れられて、長政はその、従業員に衣装の着方を教えてもらいながら着替えました。

「この人、どういう人なんだ?服の着方がわからないなんて」

「まあ、昨日もティシャツとGパンの着方もわからないと言ってたからな」

「まあ、いいか、それじゃあ、給料とかの話をしとこうか。まずは、おじいちゃんの方はパートで時給は1000円ね、長政さんは完全歩合制」

「言っている意味がわからんのだが」

本当にこいつはなんなんだ、葉子の頼みじゃなけりゃ、、雇ったりしないのに。

「まあ、わからなければ、葉子に詳しく聞いてくれ」

「今日は初日だからヘルプに回って、仕事を覚えてくれ」

「へ、へ、るぷとは」

「ああ、もういい。おい、洋次を呼んでくれ」


洋次と呼ばれた男はすぐにやってきました。

「洋次、今夜は、こいつをお前のヘルプにつけて仕事を覚えさせてやってくれ」

「オーナーがそういうなら、じゃあ、行こうか」







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