クフ王のピラミッドに入ればピラミッド観光は完結するのか ⑪
一応通常の観光でも入場可能なピラミッドを並べてみましたが、せっかくですからうまくいけば観光可能なピラミッドも書いておきましょう。
ギザとサッカラにはアブシールというピラミッドエリアがあり、そこには第五王朝の王のピラミッドが三基、未完成の王のピラミッドが二基、さらに王妃のピラミッドやこの時代独特の建造物となる太陽神殿跡があり、貴族の墓も含めて軽く見ても二時間、じっくり見ればその倍くらいの時間が必要となります。
ここのピラミッドも通常内部に入ることができません。
一度だけこのエリアの始祖となるサフラー王のピラミッドの内部に入ったのですが、すぐに瓦礫で行き止まり、「なるほど。これはさすがに内部観光など無理だ」と納得した思い出があります。
ピラミッド自体はギザでは小さく見えるメンカウラー王のピラミッドよりもさらに小さく、さらに保存状態も悪いのですが、葬祭神殿の装飾はギザのものより遥かに上です。
ギザのピラミッドとサッカラのウナス王やテティ王のピラミッドと中間部分に位置するアブシールのピラミッドもおもしろいのですが、ここのオープン状況は非常に不安定なのでトライして入ることができたらじっくり楽しみましょう。
そして、これは王の埋葬用のピラミッドではないのですが、アスワンに宿泊し、自由行動が可能ならば見学できるピラミッドを紹介しておきます。
ナイル河に浮かぶエレファンティーネ島。
ホテルがある反対側に遺跡エリアがあります。
そこの奥に花崗岩製の小さなピラミッドがあります。
それでも古王国時代のピラミッド。
というか、スネフルかその先王フニに属するものとされる由緒正しきピラミッドとなります。
これと同類のピラミッドはあと五つあり、こことエドフにある小ピラミッドが観光しやすいものとなります。
アマルナまで足を延ばすことがあれば、宿泊地ミニヤからベニハサン観光に行く途中に無料見学できるザウイエト・エル・メルティンが一番ですが。
ついでいえば、どれかひとつ見るべきものはとなれば、アビドスのセティ1世神殿近くにあるシンキのピラミッドでしょう。
ここはピラミッドをつくるための傾斜路が残されていますから。
眺めでいえば、セイラのピラミッド。
砂漠地帯とファーユームオアシスの中間にあり、遠くにメイドゥムのピラミッドが見えるという絶景です。