元聖女、引っ越しをする
「まぁとりあえず問題は解決した、感謝する」
そう言って村長さんは頭を下げた。
「いえいえ、元とはいえ教会に属していた身ですので」
「ベラと言ったか。 改めてだが俺はこの村の村長をしているレイル・コナー、コイツはメイドのユナだ。 困った事があったらいつでも言ってくれ。 空いている家はどこでも使って良いから」
「こちらこそお世話になります」
こうして無事に挨拶を終えた私は早速空き家を何箇所か見て回り庭がある家を見つけそこに荷物を置いた。
「さて、早速守護樹の種を植えないといけないわね」
私は庭に穴を開け種を植えて埋めた。
「どうか健やかに育ちますように……」
私は祈りを捧げた。
守護樹は水やりだけじゃなくて聖力を捧げないと成長しない。
そして、結構体力を持っていかれる。
最初の頃はよく貧血気味になって1日寝込んだ物だ。
果たして新しい聖女様は何日持つかな……?
そんな事を考えながら私は荷物の整理を始めた。
家具とかは備え付けなのは嬉しい、いちいち家具とかを買い揃えるのもお金がかかるし面倒だからね。
古くてガタは来てるけど修理すれば大丈夫、それに教会の部屋はもっと質素だ。
さて、明日からの日々が楽しみだ。