元聖女、商人と話す
「ベラさん、いらっしゃい!」
「リアーナさん、また来ちゃいました」
「いえいえ、うちはいつでもウェルカムですよ!」
あの日以来、私はリアーナさんの店にちょくちょくと通うようになっていた。
お店で扱われているのは日用品だったり小物だったりと多種多様、しかし値段はお手頃価格でデザインもオシャレ。
まさに平民寄りのお店なのだ。
毎週通っていると当然だけど顔も覚えられ親しくなるようになった。
そしてリアーナさんの身の上話を聞く事になった。
リアーナさん、実は男爵家の令嬢だったんだけど事業が上手くいかず最終的には没落してしまった。
「最初は実家の再興を目指して実家に来ていた商人に無理を頼んで弟子入りさせてもらったんです」
「へぇ~、そうなんですか」
「で師匠から商売のイロハを教えて貰っていくうちに貴族よりも平民向けに商売したほうが良いんじゃないか、て思うようになったんです。 貴族令嬢って派手だったり煌びやかな物を好むんですよ。 見た目重視というか……。 それだと売る側としては張り合いが無いんですよ。 貴族御用達の商人の中にはあくどい商売をしている輩もいますし」
それは正直な話、納得できる。
聖女だった頃に貴族の家にお呼ばれした事あるけど明らかに不似合いなドレスとか匂いのキツい香水かけていたりとセンスが悪すぎるだろう、と思っていた。
「でも平民はデザインとか内容を重視するんですよ。 だから、こちらもやる気が出る、というか良いものを安値で出してお客様を笑顔にする!て思う様になったんです」
「それで独立して自分の店を出す事が出来たんですね」
「と言っても此処は仮店舗で近い内に閉めちゃうんですよ」
「えぇ〜、勿体無い……、あそれでしたら私が住んでいる村にお店を出しませんか? いま住人が増えていて物が不足してるんです。きっと歓迎してくれますよ」
「えっ!? 本当ですかっ! 実は商売人の間で目をつけているんですよ」
え、噂になってるの?




