元聖女、町に買い出しに出かける
「え〜と、後コレとコレとコレを買えば良いのね」
メモを見ながら私は呟いた。
今日は近くの町に買い出しに来ている、というのはおじいちゃん達に頼まれたのだ。
これまでは村長自ら買い出しにきていたらしい。
ただ、村長も自分の仕事があるから買い出しにいけるのは週に1回ぐらい。
村長自体も悩ませていた所に私がやって来た、で買い出し係をする事になったのだ。
おじいちゃん達にお金とメモを渡され徒歩数分の町に到着しいつも行っている、という商店に行き頼まれていた食料を購入。
次は雑貨屋に向かい日用品を購入した。
「せっかくだし自分の物も買っていこうかな」
私は基本的に物とかに執着が無い。
聖女時代は教会からの支給品で賄えていたので問題無かったが村に住んでからは自分の物が無い、と言うのは不便である事に気づいた。
と言っても現在収入が無い状態、教会から渡された退職金で生活している。
更に言えば長年の聖女生活で贅沢が出来ない体質になっている。
だから、自分の物と言っても高い物では無く安くて丈夫な物を買う事にしている。
何件か回ったが私のお眼鏡に合うものはなかなか見つからない。
諦めよう、と思った時、小さなお店を見つけた。
引き寄せられる様に私はその店に入っていった。
「いらっしゃいませ、リアーナ商店へようこそ!」
現れたのは私と同い年位の少女だった。
「うちの店、最近オープンしたばっかなんですよ、なのでサービスしときますよ!」
「へぇ、そうなんですか、という事は貴女が店長さん?」
「はい! リアーナ・ノンセルと言います。どうぞご贔屓に!」
この出会いが村に大きな変化をもたらす事になるとはこの時思っていなかった。




