幕間 教会
ベラが教会を出て行った直後から教会は目まぐるしく変わった。
まず、ベラが使っていた部屋は新聖女の為に改装された。
殺風景だった部屋には貴族御用達の家具やら装飾品があり清貧をモットーとしていた教会はガラッと変わった。
更には新聖女のお付きとして取り巻きの令嬢達がシスターとして教会に入って来た。
彼女達は毎日お茶会を開き優雅な日々を過ごしている。
勿論、この煽りを喰らい日々不満を募らす者達もいた。
それは前からいたシスター達、主にベラを慕っていた平民出身者のシスター達である。
新聖女一派達がやってきてから彼女達の仕事はべらぼうに増えた。
なんせ新聖女が聖女としてのお勤めを全くしないからでそのフォローをしなければならなくなった。
更に言えば貴族出身のシスター達が大きな顔をするようになり平民出身者のシスター達は肩身が狭い日々を過ごすようになった。
「やはりこうなったか……」
司祭は頭を抱えていた。
こうなる事は目に見えていた。
今まではベラが聖女の務めを真面目にやっていたから教会内の人間関係は上手くやってきたのだ。
「だから反対したのだ……、貴族が関われば碌な事にはならない、と」
司祭は何度も上層部と交渉してきた。
新聖女には公爵令嬢、王太子の婚約者という身分関係無しに聖女のお勤めをしてほしい、と。
しかし、上層部は王族との関係を重視した、結果がコレである。
本来は俗世との関わりを一切断ち切るのが教会の立ち位置である。
その教会の立ち位置がこのままでは無くなってしまう。
「やはり決断するしかないのか……」
司祭は平民出身者のシスター達と面談をした。
そして、司祭と平民出身者のシスター達は教会に辞表を提出し教会を出て行った。
彼等が向かったのはベラが住むあの村だった。
ベラから『住む場所が決まった』と手紙が届いた時点で司祭達は決断したのだ。
教会に属していなくても神に祈りを捧げる事は出来る。
彼等の離脱で教会は後に大きな打撃を喰らう事になる。




