第49話「"臆病な神様"」
「ふふふ、見つけましたよ。"血塗れの悪魔"さん。」
俺達の前に"悪魔"が到来する…数分前…
「"神の使徒"…?ノアのか?」
「誰の使徒なのかは分かりません。…ただ、あの女のステータスには"そう書いていました"。…」
俺とサタンは魔王城のパーティを襲撃をした女…嶋田小夏について話していた。
どうやら、ベルの術中に嵌った時に微かに覗くことのできたステータス…そのステータスに"神の使徒"という文字があったという…またか。
俺は一度、"神の使徒"と対面している。
それは別世界のアリア率いる"色"の軍勢…
関係ない筈がない…恐らくそいつの後釜…そして、そいつらのボスは創造神ノアとは別の神…面倒だな…
「なぁ、何の話をしておる?我を置いてけぼりにしないでくれ!」
すると、会話に入ることのできないバハムートが俺の前に立ち、会話に入りたいと言わんばかりに俺の目をじっと見つめてくる。
「はぁ、馬鹿は黙ってろ。後で分かりやすく説明してやる…サタンが。」
「え…はい、分かりました。」
よし、サタンが後で説明するらしい…これで楽ができる…
「ふふふ、見付けましたよ。"血塗れの悪魔"さん。」
その時、俺らの前にある男達が立つ。
"鑑定" !!!
…なるほど、"色"よりは厄介そうな能力を持っている。
…だが、"俺の敵じゃない。"
「かかってこいよ。」
俺が煽るとすぐに一人の男が動いた。
筋肉質の男…濱口冬馬は俺の顔面を殴る。
「ははっ、俺の能力は"身体能力1000倍"。シンプルだが強いぞ。」
…足りねぇよ。
「それで終わりか、木偶の坊。なら、こっちの番だ。」
「…は?」
奴が疑問を持った次の瞬間…俺の拳が奴の顔を捉える…そして、顔は粉微塵となり、その場から消えた 。
顔が無くなった人間は倒れるしかない。
大きな体が地面に伏せる…首からは多量の血を流し…
「そうだそうだ。お前らもこうな。」
"ディメンション・レイ"
俺はサラリーマン風の男…佐久間恭平だけを残し、それ以外を胴体真っ二つにする。
「た…助け…」
おっと、私語は要らない…必要ない。
死ぬ間際で生きることを願う男をその場でトドメを刺した。
「ふふふ、流石は"血塗れの悪魔"さん。神が警戒するだけのことはある。ですが、私には効きません。」
「残念ながら、お前の能力"主人公"は消させて貰った。」
「は?」
「というか、俺の味方判定を受けてない人物は能力を使えない。そういう魔法を作った。」
「え?いや、有り得ないでしょう。対象認識型魔法なんて高度なモノ…私も扱えないのに…」
「お前のモノサシで俺を測るな…俺はワールド・ディザスター級の魔族だぞ?」
「あ…あぁ…そんな訳無い。"主人公"の私が"悪"に負けるはずがない。」
「"主人公"…お前の能力は"自分の都合の良い"結果を作る能力だろう?」
「嘘…なんで知って…」
「お前の頭を覗かせてもらった。…全てな。」
俺は天を見上げる。
「なぁ、見てんだろ。金髪の神様よぉ。保身のために名前も教えず姿も変えているんだろうな…この臆病者が…良いか、今度はお前自身で来い。一々下っ端を連れてくんな…面倒臭い…」
その頃、天界で見ていた金髪の男は歯を噛み締める。
「許さんぞ…"血塗れの悪魔"…この私…"アーミー"様を愚弄しやがって…良いだろう。お前の挑発に乗ってやる…今度は私自らが乗り込んでやる。覚悟しろよ。」
そう言うと彼…アーミーは水晶を叩き割った。




