第44話「因縁」
…地上とは遙か遠くの天界…庭園にて、四阿に座る金髪の男こと御方…彼はジッと何かを待っていた。
「もー、マジ最悪…アンタのせいでウチの皮膚がバーニングしちゃったんだけど…」
すると騒がしい声が聞こえる…彼は待っていた…嶋田小夏を…
「すみませんね。ですが、"依頼"はちゃんとこなしてくれたみたいですね。そして、何よりワールド・ディザスターでも最強格バハムートを真正面から倒したとか…貴方に頼んで良かったですよ。」
「"依頼"じゃなくて"命令"でしょ…」
嶋田小夏はボソッと小言を言うが金髪の男は聞こえないフリを貫く。
「ってか、扉無くなってんじゃん。」
嶋田小夏はそう言うと御方の隣へ強引に座る。
「貴方が滅茶苦茶してる間に皆出て来たので取り壊したんですよ。」
「へぇー、他の人達は?」
「はい、ついさっき出ていったんですよ。私の"依頼"でね。」
すると嶋田小夏は胸を撫で下ろす。
「良かった。アンタの命令面倒臭いもん。」
しかし、そうは問屋が卸さない…
「いえいえ、貴方には遅れて行って貰いますよ。」
御方は嶋田小夏に再度の出撃を"命令"した。
彼女は本来なら、嫌がるだろう…だが、彼女は口角を上げる。
「面倒だけど…実はウチ、"血塗れの悪魔"って奴にチョームカついてたんだぁ。マジテンアゲ。」
その様子を見る御方も目を細め、笑う。
「そうですか。それは何よりです。」
彼等の悪い笑い声が庭園に響き渡った。
…
その頃、アルリタ帝国国境付近…"血塗れの悪魔"の家の上空付近。
「ここがあの"ボンクラソウヤ"の家か。」
…見た目は10代後半から20代前半…まるでパリピの大学生のような服を着る男…その男は空を飛び、笑っていた。
そして、右手に球体…魔力の塊を作ると、思いっきり真下の家に向かって、投げる…
ドゴォォォォォォォン
辺りに砂埃が立ち込める…
そして、少しずつ砂埃が晴れる…すると、彼の度肝を抜かれる出来事が起こった。
「へぇ、"ボンクラソウヤ"にしては凄いじゃねぇか。」
家が無事だったのである。これは多重の魔法障壁により、守られたのだ。
しかし、彼は指を咥えて見てることは無かった。
「だったら、これはどうかな?」
すると彼は包帯を外し、隠してあった腕を天へ向ける。
すると、彼の手周辺は黒く変色していた。
「ほらよ。死にな!」
彼はそう言うと魔法障壁に手を触れる…すると、魔法障壁は崩壊し、遙か彼方へ消えていった。
「じゃあ、今度はまともに食わうよなァ!」
彼が魔力の塊を右手に作った…その時
「…辞めろ、日向。」
彼の背中に冷たい声がぶつかる…彼はそっと振り返り、相手を見て笑う。
「辞めてください。だろ?颯哉?」
彼の背中に立っていたのは北山颯哉…ことソウヤである。 彼は今までにない位、苛立ちを覚えていた。それは彼の家を破壊しようとしていたか…若しくは家の中にいる"大事なモノ"を守ろうとしたかは分からない。だが、これだけは分かる。どちらかしか生き残ることの出来ない熾烈な争いが待っていることだろう。




