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第35話「不死鳥の如く」

フェニックスは飛び上がる…


「体を焼かれてしまいなさい。」


"獄炎鳥"


突如として鳳凰の羽が抜け、羽が鳥の形状を取り始める。そして、その鳥達は羽を広げ、"漆黒"へと向かい始める。


「遅い。そんな攻撃など俺は食らわない。」


"漆黒"は余裕を保ちながら最小限の動きが躱す。

だが、躱したはずの鳥達は方角を変え、また"漆黒"へと向かい始めた。


「なるほど、追尾型ね。面倒なパターンだ。」


そんな言葉を吐きながら"漆黒"は手を天に向かって掲げる。


"神の鉄槌"


鳥達に向かい、天から雷が降ってくる…だが、鳥達は止まる気配すらない。


「…"不死鳥"って訳かい…」


鳥達は次々と"漆黒"の体にぶつかっては消えてゆく。だが、"漆黒"の体にぶつかった鳥達の炎は消えない。


「私の"獄炎鳥"は貴方が死ぬまで地獄の炎で焼き尽くす。死んだ方が楽ですよ。」


フェニックスはこの時…"勝ち"を確信した。

今まで自身の炎を食らって生きた者はいない。

だが、想定を大きく崩される。


"悪食"


"漆黒"を纏う炎はすぐに消える。

それを見たフェニックスは一瞬脳がフリーズする。この時間…たったの1秒…されど1秒。この1秒で全ては決する。


"ディメンション・レイ"


「…え?」


フェニックスの体は縦に両断される。

彼女はフリーズした頭を再起して、考える。

フェニックスは死なない。 これからどうようか…そう考える…

だが、ここで彼女は違和感を覚える…


「…体が再生しない。」


彼女は"不死鳥"…どんな攻撃を食らっても回復する…はずだ…でも…


「…どうなっている…何故体がくっつかないんですか?」


フェニックスは考える…だが、何処にも答えなどない。彼女はそのうち…何も考えられなくなる…体が縦に両断され、脳が2分化されたためである。

そんな彼女に"漆黒"はゆっくり近付く。


「当たり前だろ。いくらフェニックス…不死鳥と言えど"再生する部分が無くなった"んだ。復活出来るはずがない。」


フェニックスは考えるが、自身にとって、"漆黒"との相性は最悪だった…それしか答えが出ない…思考が止まっている彼女はそれ以外何も考えられない。

そんな彼女に"漆黒"は近付き、彼女の落下し始めている体に手で触れる。


"スチール・オール"


手で彼女の体を触るとそのままこの場を去ろうと振り返る…


「待て!!!!!!!」


背後から叫び声が聞こえる…フェニックスだ。まだ彼女の命の炎は消えていない。


「もう負けだろ。諦めな。」


"漆黒"は笑う…もう勝負はついた…それは明白だ。フェニックスも数分もすれば死亡するだろう。

だが彼女は"神獣"だ。役目を果たさんと最後の力を振り絞る。


"鳳凰白炎砲"


彼女の2分化された体の間から放たれた神々しい炎の結晶…それはだんだんと集まり、一つの球体となる。そして球体から放たれたレーザー。それは"漆黒"を狙う。


"悪食"


彼は眉ひとつ動かさず、対処する…だが、その攻撃は吸収できない…そして


ドゴォォォォォン


レーザーは彼の貫き、マグラム火山に激突する。そして、その威力により、山すらも倒壊した。壊れた山からマグマが森林に流れ込み、大災害となる。



「やってくれたな、フェニックスさんよぉ!」


彼は笑みを見せながら声を張り上げる。

彼の右半身はレーザーにより跡形もなく消え、辛うじてある左半身は地面に打ち付けられた衝撃で骨があらぬ方向に曲がっている。

だが、彼…"漆黒"の体は不死鳥の如く、少し再生を始める。


「この能力便利だな。有難い。」


彼は狂気的な笑みを貼り付ける。まるで壊れたロボットかのようにケタケタ笑い始めた。


「待っていろ…"血塗れの悪魔"…今度は貴様を食らう…」


彼は腹を空かせた子供のように涎を垂らし始めた。

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