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第25話「頭を下げる神獣様w」

挨拶に行こう…どうせ俺狙いだ。

俺は得意の瞬間移動魔法を使う。


「よぉ、何してるんだ?」


「…貴様。」


なんと監視していたのは…神獣のフェンリルだった。奴は俺が背後を取ったことに気付き、振り返る。


「何してるんだ?遊びたいのか?」


「…舐めているのか?」


フェンリルはこちらを睨み、ご自慢の牙を剥き出しにする。


「舐めてるに決まってるだろう。無様に負けた野郎相手に警戒する方が可笑しい話だ。」


この神獣…フェンリルは無様に催眠魔法を掛けられて、無様に俺に敗北した野郎だ。


「…貴様ァ!」


フェンリルは俺に向かって馬鹿みたいに突進する。

こいつは闘いから学ばないのか?

俺は奴の背後まで瞬間移動する。


ドゴォォォォォォン


奴は俺がいた地点の後ろにある木々に激突する。

殺したと思ったのだろう…口角を上げる。

だが、その思いは俺の声に掻き消された。


「お前馬鹿の一つ覚えみたいに突進して。学習はしないのか?」


恐らく奴にとっては不快な声…奴はまた牙を剥き出しにする。

怒るやつに俺は疑問を投げかける。


「お前何しに来たの?もう洗脳は解けただろ?またかかったのか?」


そう、催眠はこの俺自身で解いた…もう操られていないはずだ。それなのに俺を襲う。

可能性は2つ…1つは自分の意思で殺しに来た可能性…だが、無策だ。このままでは奴は犬死にしに来たのと同義、本物の馬鹿じゃないなら何も用意なしにここには来ない。

もう1つは…


「…ノア様からだ。すまなかった…」


そう、謝罪。あのオッサンの神獣なら謝らせに来るだろう。なんせミスった時はちゃんと自分から頭を下げる神だ。

だが、俺は許さない。


「…お前は謝らないのか?そもそもこれはお前のミスだろう?あのオッサンだけが謝ってお前が謝らないのは筋が通らない…だろ?」


そう、こいつの責任だ。だからこの犬っころに謝らせたい。


「…すまなかった。」


…おいおい、俺の睡眠時間を奪っておいて…他人に迷惑かけておいて…ただ謝るだけで許す訳ねぇだろ?


「…謝る時の姿勢は高いなぁ?お前は本当に反省しているのか?ノア様の信頼に関わるぞ?」


俺はニヤニヤ笑う。

その顔がムカついたからだろうか…フェンリルはこれまで抑えていたオーラを一瞬全開にする…が、抑え…


「…すみませんでした。」


奴は土下座の姿勢を取ると、深深と頭を下げる。

反省している姿勢を取っているが恐らく奴は心の中で怒り狂ってはずだ。

…相当面白い。よし、ここは


パシャ


俺はある道具を取り出し、一筋の光を道具から発せさせる。そして、光が収まると思えば、道具から1枚の紙が落ちてくる…カメラだ。


「…なんだ今の光は?」


奴は視線を地面に伏せていても感じていたのだろう

。俺にそう問いかける。


「じゃーん!よく撮れてるだろう?」


俺は撮った写真をフェンリルに見せた。その写真には土下座するフェンリルとその前でピースする俺が写っていた。


「…を寄越せ。」


「ん?」


「その紙切れを寄越せ!」


フェンリルは飛び上がり、俺に向かって突撃を開始する。

先程までの動きよりも素早かった。

あー、これ、ガチギレしてるな。


「ていっ。」


「痛ァ!?」


俺は突撃してきたヤツの頭を軽く叩き、地面に伏せさせる。 奴は泣きながら頭を抑え、俺を睨む。


「貴様…それは消せ…不敬だ。」


奴の攻撃は俺には効かない。だから奴は…頼み込むことしか出来ない。

あー、最高に気持ちいい。これが圧倒的な強者の気分か…敵が強い程気持ちいいなぁ。

まぁ、遊びは終わるか…

俺は写真を奴の目の前で燃やす。


「これでいいか。神獣様。」


俺は奴の伏せていた頭を俺の顔の高さまで上げさせ、ニコっと笑う。


「貴様は性格が悪い。」


「よく言われる。」


俺は奴の悪口など無視し、湖の方へ踵を返し、歩き出す。


するとフェンリルは予想外のことを言った。


「この件の詫びだがな。私が貴様の下へ着くことで許して貰えとノア様に言われた。どうか私を貴様の部下にしてもらいたい。」


「は?」


何言ってるんだ?この犬は。

俺は口をポカンと開け、理解に苦しんだ。

詫びは普通菓子折りとかだろうに。

あの神様は何考えているんだ。

俺はそう考えながら、問題から逃げるため、全速力で湖まで逃げた。

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