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第23話「幸せのために」

頭を下げ終わるとポカンとしてしている阿呆の肩を掴む。


「もぉ、面倒事を持ち込むのは辞めてくれ!な?」


「はい!分かりました!師匠!」


分かってないんだよなぁ。多分。

俺は溜め息を吐く。もう無理だ。 こいつは何言っても二度と分からない。元より頭が良ければ、こんな面倒なことにはなっていない。

俺は諦めて、萎えた気分のまま、2階の自室に引き篭った。


…遙か遠く、綺麗な庭と飛び回る光輝く蝶々、咲き誇る花々、その中央にある四阿に小さい球体を幾つも操る金髪の男は座っていた。


「この世界はダメだ。…こっちは良いね。この世界の殺戮者をここに呼ぶとしよう。」


男は球体…世界に手をかざし、一言。


「"召喚 エルド"」


すると彼の持っている球体が破壊され、そこから一人の男が出てきた。

一人の男はだんだん大きくなり、成人男性と同じ高さになったかと思うと止まる。

呼び出された男は事情が分からないか周りを見渡し、呼び出した金髪の男から距離をとる。


「それは私の信頼に足る人間になれば考えてあげるよ。エルド。」


どうやら"エルド"は男の名前らしい。

自身の名前を言い当てられたエルドは驚き、身構える。


「そう警戒するな、エルド。そうだな。取り引きをしよう。」


すると、金髪の男はある球体を作り出し、エルドの足元を見るように話す。


「ねぇ、君の望んだ世界をあげるよ。例えば"愛する人が死なない世界"とかね。」


エルドは目を見開き、一言。


「…本当に…そんな…そんな世界はあるのか…」


エルドにその提案は何よりも魅力的に映ったのだろう。

警戒することを辞め、ゆっくりと彼の目の前にある球体を覗き込む。

すると、エルドの脳に流れてくる。

"自身が望んだ世界の様子"が。

男は大粒の涙を流す。

そして、男は何かに取り憑かれたように金髪の男を急に慕いだした。


「貴方様に従います。条件は何でしょうか?」


「あぁ、分かってくれるのかい。嬉しいな。」


金髪の男はわざとらしく笑う。彼には分かっていた…この男は自身の提案を断れないと。

金髪の男は茶番のような笑いをやめるとその条件について話し始めた。


「条件は"ソウヤという男を殺すこと"だ。期待しているよ。」


金髪の男は男…エルドの頭に手をかざす、するとソウヤについて情報が一瞬で頭を駆け巡る。

エルドは情報量に耐えきれず吐血するものの忠誠する姿勢は崩さない。


「それじゃ、頑張ってね。」


エルドは光に包まれた。

あまりにも眩しい光にエルドは目を閉ざす。

次に目を開けた時には森の中にいた。

恐らく自分は転移させられたのだろう。そう考えるしかない。

ただ、エルドは心に誓う。

"ソウヤを殺し、自身の幸せを手に入れる"


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